自分に負けたくないタイプの負けず嫌い──自らの努力で達成できるものを突き詰める

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▲幼少期の小髙

幼いころから音楽が好き、とても活発で人当たりのいい負けず嫌いな性格だったと小髙は話します。

小髙 「すべてにおいて一番になりたい、という負けん気の強さというよりも、努力してなんとか能力を伸ばせるものに対してストイックに努力できる子どもだったと思います。小学校高学年の時は“縄跳び”で誰よりもいろいろな技をできるようになりたくて技を磨いていました(笑)。

自分だけの強みが欲しかったんだと思います。昨日できなかったことが今日できるようになると“自分に勝てた”気がして。これは働くようになった今でも似たようなことを感じますね」

自分の努力で徹底的にスキルを極めてきた小髙が、学生時代にのめり込んだものがあります。

小髙 「高校に入学し、ピザデリバリーのお店でアルバイトを始めました。そのときに、ミステリーショッパーの評価で100点満点をいただいたことがあります。突然だったので驚きましたが、そのときに接客って楽しいかもしれない、と感じました。

大学時代には、アルバイト先の大手コーヒーチェーン店で、直接お客様の表情を見ながら接客ができる楽しさを知り、アルバイトながらシフトマネージャーというポジションまで任されていました」

学業だけでなく、アルバイトにも精を出し続けていた小髙。そんな彼女は大学入学と同時に友人から音楽フェスティバルなどで環境対策を行うNPO団体へのボランティアの誘いを受けました。

小髙 「軽い気持ちで説明会に参加して、気づいたら5年間も所属していたんです(笑)。今振り返ってみると、その団体に入ったことで今の価値観やスタンスが形成されていると思います」

同じ目的を持った人間が集まったときの心地よさ──フラットで居られる自分が好き

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▲2014年、音楽フェスティバルでのボランティア活動時

説明会に参加した小髙は、団体の理念に共感し、ボランティア活動へ参加していました。

小髙 「幼いころから音楽が好きで、ずっと生活のそばに音楽がありました。ボランティア団体に誘ってもらったときは、無料でフェスに行ってボランティアをしながら音楽が聴けるなんてこんな良いことない、という気持ちで参加しました。

イベント規模はまちまちで、一番大きいイベントでは10万人以上の来場者があり、ボランティアの数は100名以上になります。そこで出会うメンバーたちは年齢も性別も、役職も関係なくフラットな関係性を持っていたんです。ただ一つ共通することは“団体の理念に共感している”ということ。大学に通ってアルバイトをしているだけでは出会えなかったメンバーと交流を深めることの楽しさにのめり込んでいきました」

ボランティア団体への参加が今の仕事の価値観へもつながっていると話す小髙。

小髙 「団体での活動では、ボランティア募集から説明会の運営、イベント中のボランティアメンバーのマネジメントなど、学生ながらさまざまなことを任されており、判断が問われる場面も多かったです。自ら考えて、どんなアクションを取るのか、スタッフ同士が本音でぶつかりながら考えて実行していく環境が自然とあったので、この活動を通して“言われたことをそれ通りにただやるのではなく、最適解を自分で導く”という価値観にも出会えたんだと思います。

野外フェスティバルはナマモノなんです。突然大雨が降ったり、アーティストのタイムテーブルが大幅に押したりすることも。入場規制がかかるほど混雑して私たちボランティアスタッフも身動きが取れないことだってあります(笑)。

それでも活動のクオリティを保ち、ボランティアを無事に帰さないといけない。多角的に事前準備をしなければならないポジションにいたので、毎回120%の準備をした上で、当日は臨機応変に対応できるよう仲間と連携しながら活動していました」

大学生活とアルバイトをしながら、団体での活動も送っていた小髙。多忙な小髙のバイタリティの源を次のように語ります。

小髙 「団体での活動にハマっていったのは、バックボーンが多様なメンバーが対等にいる環境がとても心地よかったからだと思います。上は60代から、下は中学生くらいのお子さんとお母さんが親子でボランティアに参加されていることもありましたが、私も含め、活動中はみんな対等でした。団体の目的に共感したメンバーが集まる空間がとても居心地がよくて、楽しさが根本にあったことで続けられました」

大学3年生が終わるころ団体から誘いを受け、学校を一度休学し、8カ月にわたりその団体の職員を務めることを決意した小髙。ひと回り成長してから復学し、就職活動の道を歩み始めました。

理念を一番の軸に──ウェルカムに出会い、広がった未来

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▲2022年、LIGオンラインイベントでの一枚

大学時代での服飾関係の学びを活かそうと、アパレル業界を中心に就職活動を進めたと小髙は言います。

小髙 「企業理念に共感できるかを一番の軸に置いていましたね。NPO団体にいたことも大きかったと思います。理念に共感して、ワクワクして自分が胸を張って働ける企業でないと続けられないとわかっていたんです。

一度、自分に合っているかもしれないアパレル企業と出会ったのですが、選考が進んでいくにつれ自分が正直に志望理由を話せていないような気がして、自分の就きたい業種はアパレル関係だけではないことに気がつきました。

ファッションだけではなく、ヒトを取り巻くライフスタイルを扱う企業を探したいと思い、高校時代から憧れていた“CIBONE”をネットで検索してウェルカムと出会いました」

ウェルカムが新卒採用を開始した2015年は、今より規模も小さく、数回だけ開催される説明会は毎回満員でした。そんな中で、小髙は一次選考からスタートを切ることに。

小髙 「選考では、働いているメンバーの雰囲気が自分ととてもフィットしていると感じました。学生と面接官がフラットな感じ。質問内容も、私がどんな人間なのか、どんなモノに興味があるのかを訪ねられたのが初めてだったので、驚きと同時に志望度が上がっていきました。

“感性の共鳴”というウェルカムの理念にも強く共感し、このヒトたちと一緒にウェルカムで働きたいと感じ入社を決意しました」

ウェルカムという企業そのものに魅力を感じ入社を決めた彼女は、DEAN & DELUCA グループへの配属になりました。

小髙 「入社してすぐDEAN & DELUCA 六本木店のプリペアードフード(惣菜・デリ)を担当しました。1年ほど勤務したタイミングで社内公募がスタートされて、地域活性化を目的とした“旅する新虎マーケット”のプロジェクトメンバーに手を上げて異動となり、その後はDEAN & DELUCA カフェ 青山店のマネージャーを任せてもらえることになりました。

1年半ほど勤務した後に横川さん(代表取締役社長:横川 正紀)と祥太さん(人事企画室 室長:鈴木 祥太)から声をかけてもらって、コーポレートグループ コーポレート企画室で社内エンゲージメント向上のための企画や、全社総会の運営、社内コミュニケーションツールの立ち上げなどに携わることに。ウェルカムで働くメンバーのことだけを考え動く2年間を過ごしました。

2021年9月、DEAN & DELUCAグループでアカデミー事業がスタートすることになり、プロジェクトリーダーを任せてもらうことになりました」

その中で感じたウェルカムでのターニングポイントを教えてくれました。

小髙 「もちろん今のプロジェクトの立ち上げもですが、その前に携わったコーポレート企画室での経験が大きかったです。理念を体現する横川さんの近くで働きながら、それをメンバーへつないでいく橋渡しのような役割をしていたので、ウェルカムの理念を大切に働くことができるようになってきたのかな、と感じます」

迷走したときは理念に立ち返る。プロジェクトの成功に大切なもの

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▲現在の小髙

小髙が作り上げた“LIG DEAN&DELUCA”(以下、LIG)。ウェルカムグループ初めてのアカデミー事業で、コンセプトである”LEARNING IS A GIFT”の頭文字をとっています。食をたのしむ学びと体験の場で、DEAN & DELUCAのプロたちやつくり手と対話をしながら学びを広げる場として、1回から参加できる単発のワークショップと、6カ月間で食を深く学ぶ「LIG AMBASSADOR PROGRAM」という有料プログラムで構成されています。

立ち上げから現在まで、すべてのコンテンツに携わっている小髙。企画当初の話を打ち明けてくれました。

小髙 「他社のアカデミー事業について徹底的にリサーチし、自分で受けてみるところからスタートさせました。同時に、お客様とオンライン上で相互コミュニケーションが取れる機会を設けるべくSNSツールを使った試みを企画しました。

DEAN & DELUCAが立ち上げるなら、ただ学ぶだけのアカデミー事業にはしたくない。ブランドを愛してくださっているファンの皆さんと食が大好きなメンバー達をつなぎ、アンバサダーになってくださるようなプログラムを創り上げたいと思いました」

社内のメンバーを巻き込みながらプログラムを進行し、現在は約150名の会員とコミュニケーションをとりながら舵をきっている小髙。印象に残っているエピソードを次のように振り返ります。

小髙 「自分が店舗販売していたときは、あくまで“お客様”と“店舗スタッフ”としての関係性でした。現在、LIGのクローズドコミュニティの中では日々、さまざまな食のシェアが行われており、 “食が好き”“DEAN & DELUCA が好き”という共通の価値観でフラットにつながっていると感じます。

私のことも、会員様同士のように『小髙さん』と呼んでくださるんです。LIG というコミュニティの中でも、ウェルカムの理念である“感性の共鳴”が浸透していることを感じました」

無事に、プロジェクトを軌道に乗せた小髙。そんな彼女がこれから見据えるビジョンとは。

小髙 「求められていることに応えるのはもちろん、自分がいいなと思っていることも両立してできるようにする、というのが私のスタンスです。とにかく目の前の仕事を諦めずにやり切り、結果を残していく。やるべきことを投げ出さずに向き合うからこそ、自分のやりたい仕事に近づいていくんだと思っています」

LIGを長く続けられるプログラムにしていくために、ウェルカムで働くメンバーの活躍の場、教育ツールにもしていきたいと考えていると語る小髙。

小髙 「LIGが安定して実績を残せるようになったときには、DEAN & DELUCA グループだけではなく、ウェルカムグループ全体に還元できるような仕事ができるヒトになりたいです。会社の中でたくさんの事業を展開しているウェルカムだからこそ、できることがたくさんあると思っています」

どんな仕事も声がかかったらやってみる。やってみたら好きになる。そしてその“愛”をメンバーへ、お客様へ還元し、ひろげていく──小髙の歩みは、まだ始まったばかり。この先どのような道のりをたどるのか、期待が高まります。 

※ 記載内容は2023年5月時点のものです