家族旅行の思い出が原点。空港のグランドスタッフとしてキャリアをスタート

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▲空港勤務時代

子どものころから、家族旅行で海外に行く機会が多かったという杉本。空港に関わる職に自然と興味を持ちました。

杉本 「幼いころから、飛行機に乗る機会が多くありました。両親が空港に勤めていたこともあり、自分も自然と空港で働くことを想像していたんです。『海外に興味がある』とか『海外が好き』というよりも、家族旅行で海外に行って、楽しい思い出が毎回増えていくので、海外とつながっていられる仕事がしたいなと思っていました」

短期大学で英語を学んだ彼女は、卒業後すぐに就職するのではなく、半年間カナダへ語学留学する道を選びます。

杉本 「就職前に自分の語学力を磨きたかったし、留学経験がなかったので挑戦したいと考えていました。留学中に就職について改めて考え、やはり空港に携わる仕事がしたいと決心し、カナダから日本の航空会社に履歴書を送っていました(笑)。昔から『これだ!』と決断すると、動きが早いんです。

帰国後、無事に就職が決まり、グランドスタッフとして働きました。チェックインカウンターでの受付、ゲートでの搭乗案内、到着した際の手続きまで、ハンドリング全般を任せてもらいました。3年間ほど勤めましたが、本当に毎日いろんな方とお会いでき、楽しく働けましたね。24歳のとき、自分の仕事をひと通りやり切れたと感じたタイミングで、新しいことにチャレンジしたいと思い、退職を決意しました」

航空会社を退職し、次のステップへのチャレンジを決めた杉本。すぐに転職活動を始めるのではなく、再度海外へ飛び立ちます。

杉本 「一社目を退職するまでに貯めたお金で、イギリスへ語学留学に行きました。とくにこれといった理由はなく、イギリスに興味があったので、発つことを決めたんです。そこで、二社目の企業と出会いました」

杉本が留学先で出会ったのは、イギリスに本社を置くハンドメイド化粧品、バス用品を扱う企業。日本にも店舗があることから存在は知っていたものの、本店を訪れたとき、コスメなのにワクワクする見た目とストーリーを持つ商品の数々に心を奪われます。そして心機一転、未経験から小売業界にチャレンジすることを決意しました。

杉本 「一社目で接客の経験はあったので、小売業界に抵抗はまったくありませんでした。帰国後、あらためて日本の店舗に入ってみると、自分もここのスタッフとして働いているイメージができたのでチャレンジしようと思いました。販売は未経験だったので、入社できるとは思っていませんでしたが、無事に採用が決まってホッとしました(笑)」

入社後、すぐに副店長で配属された杉本。何もわからないところからのスタートでしたが、持ち前のバイタリティで副店長、店長と確実にキャリアを積み上げていきました。

異動を告げる一本の電話──採用担当になり、ヒトに携わるやりがいを感じた

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▲ウェルカムグループ入社後、DEAN & DELUCAにて

入社4年目、店長としてキャリアを積んでいたある日、人事担当者から「採用担当としてキャリアチェンジしないか?」という突然の電話を受けた杉本。またもや未経験の場所への異動でしたが、彼女はすぐに返事をします。

杉本 「店舗では、お店のメンバーとともに毎日売り上げを追いかけていました。でも、『ずっと店長を務める自分が想像できるか』と立ち止まって考えてみると、そうではなかったんです。だからといって『自分は他に何ができるんだろうか』と真剣に考えたことはなかったので、異動の話をもらったときは本当に驚きましたね。それまで4年間店舗にいて、“ヒト”の大切さは身に沁みていたので、採用担当として会社に貢献したいと思い、異動を決心しました。

異動してからすぐは、業務に慣れるまでかなり苦戦しました。約100店舗分のアルバイト・中途社員の採用や入社手続きを、私ともう1人の担当者で対応する状態だったんです。店舗にいるときとは働く時間も変わりましたし、初めてのことだらけで毎日あっという間でしたね。求人媒体の使い方、企業説明会の進め方、応募者の対応など……挙げたらキリがないですが、1人の求職者が応募をしてから入社に至るまでのプロセスを知ったことで、企業にとって“ヒト”がいかに大切か、再認識できました」

忙しく働いていた杉本でしたが、ふと立ち止まり「このままずっと同じ会社で採用を続けるより、新たな場所でキャリアを築きたい」と考えるようになり、転職を決意します。

杉本 「7年間も勤めましたし、会社もとても好きでした。居心地も良かったですし、扱っている商品も好きだったのですが、採用という武器を持って、違う場所で挑戦したくなってしまったんです(笑)」

彼女が紹介会社を通じて次に出会ったのは、大手アパレル製造小売業。採用担当として転職を果たしたものの、挫折も経験しました。

杉本 「今までは自分の感覚を大切にして会社を選んでいましたが、このときは初めて紹介会社を利用しました。待遇面が良かったので入社を決めたのですが、経験者として入社したからこそ、課せられた数字や期待がとてもプレッシャーだったんです。加えて初めての環境で既存のメンバーに溶け込むことができず、仕事を“苦しい”と感じてしまったんですよね。その経験を経て、やはり自分の“好き”を大切に会社を選ぼうと思い直しました」

そして彼女は、ウェルカムグループと出会います。

“好き”を信じてウェルカムへ。採用・研修担当として活躍

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▲休日の一枚

さまざまな企業での経験を経て、企業選びの軸が明確になった杉本。自分が抱く“好き”という気持ちに素直になろうと決め、ウェルカムグループへの入社を果たします。

杉本 「中学生のころ、ニューヨークのソーホーにあったDEAN & DELUCAに出会っていました。日本に上陸してからも憧れのお店で、勤め先の近くにあったので、よく足を運んでいたんです。

そんなときにふとウェルカムグループの求人を見てみると、採用アシスタントの募集があって……!ピンときて、すぐに応募書類を提出していましたね(笑)。

このとき面接官だったのが、祥太さん(人事企画室統括:鈴木 祥太 )。ずっと採用の仕事に携わっていましたが、こんなに自然体で、フランクに話す面接官がいるんだと驚いたことを覚えています。今思えば、面接官が祥太さんだったから、入社を決めたんですね」

そして2015年4月、杉本はウェルカムにジョインしました。1年間はDEAN & DELUCAグループの採用に携わり、2年目は研修担当としてキャリアを積み上げていきます。

杉本 「ウェルカムの採用業務にひと通り慣れた後は、さまざまなブランドの店舗に行き、入社後の研修や新卒社員の研修担当を務めました。その後、DEAN & DELUCA 八重洲店にリーダーとして勤務し、2019年6月から産休に入りました」

忙しい日々を過ごしていた杉本にとって、産休・育休は大きなターニングポイントになりました。

杉本 「産休・育休を経て、2021年4月ごろに復帰。2カ月間DEAN & DELUCAの採用に携わり、再度産休に入りました。そして2022年5月に復帰しましたが、ここから自分の価値観も考え方も大きく変わりましたね」

会社選びで後悔してほしくないから、求職者と正直に向き合う

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▲現在の杉本

杉本は出産というライフイベントを通して、仕事に対する価値観も大きく変わったと話します。

杉本 「結婚・出産前は、採用担当としてとにかくメンバーを充足させるために毎日忙しく働いていたので、休日やプライベートにはそこまで重きを置いていませんでした。でも自分のライフイベントを経たことで、入社してくれるメンバーが健康に仕事ができるようにサポートしたい、と感じるようになりました。人員不足を解消していく、というミッションは変わりませんが、メンバーが健康でないと長く働き続けられないということを実感したんです」

また、価値観が変わった部分もあれば、変わらずに大切にしていることもあります。

杉本 「求職者が後悔しない会社選びができるように接することは、昔から意識しています。『この会社に入社してとても幸せ!』とまでは感じてもらえなくても、不幸には感じてほしくありません。だからこそ、採用担当として求職者の方と正直に向き合い続けたいんです」

真っ直ぐにそう語る彼女は、採用チーム内での自分の役割と、ウェルカムグループ社内の雰囲気について、こう話します。

杉本 「“空気を変える”存在でありたい、と思っています。打ち合わせのとき、面接のとき、研修の講師として前に立つとき。どんなときも、明るい空気にできるよう心がけています。いつもできているか、と聞かれたら胸を張って『はい』とは言えませんが、以前研修を担当した際、横川さん(代表取締役:横川 正紀)から『空気が変わったよ』と声をかけてもらったことがありました。自分が意識していたことだったので、涙したのを覚えています。

社内の雰囲気については、入社前は自分の趣味や好きなことを強く持っているメンバーが多いと思っていました。だから、特段それを持っていない自分が馴染めるか不安でしたが、もう7年間続けられています。マニアックさがあってもいいし、なくてもいい。自分が浮いているわけでも、他の人が浮いているわけでもない、カラフルな企業だと思います」

2022年7月現在は、ウェルカムのARHグループ(レストラン事業部)の採用担当を務める杉本。応募者対応はもちろん、面接官としても採用に関わりますが、採用候補者の理想の人物像についてこう語ります。

杉本 「空気を変えていけそうなバイタリティのある人。レストラングループは個性豊かで、その分野のプロフェッショナルが集まっているチームです。そんなメンバーと一緒に、今のARHグループを引っ張っていけるような人は魅力的ですね。勤続年数に関わらず、メンバーみんなで話して今後のお店の方向性を決める機会もたくさんあるので、自分の話に責任を持ち、説得力がある方にお会いできたら嬉しいです」

最後に、杉本個人として今後やりたいことを聞くと、こんな答えが返ってきました。

杉本 「働くママをもっともっと増やしていきたいと思っています。自分が経験したことにより、強くそう思うようになりました。フルタイムでバリバリ働くことは難しいかもしれませんが、ママは目線が違うんです。会社の見方も、受け入れられる幅も。そんなママたちを応援できるヒトになれるよう、私自身も走り続けていきたいです」

ライフイベントに合わせて価値観を変化させながらも、“好き”という気持ちを軸にキャリアを築いてきた杉本。すべての話を楽しそうに語っていた姿が印象的でした。今後のARHグループの採用に大きく貢献できるよう、チャレンジし続けていくでしょう。