芸術への興味は、父の影響。「好きなこと」を仕事にするため、まずは建築業界へ

▲2010年、当時のCIBONE店内

ウェルカムグループが運営する「HAY」のBtoBマネージャーを務める木嶋 隆。彼をこの世界に導いたきっかけは、父親のある趣味でした。

木嶋 「幼い頃から、絵を描くことや建築、空間にとても魅力を感じていました。思い出してみると、会社員だった父が、よく趣味で絵を描いていたんですよね。それを見ていたので、自分も父の隣で絵を描くようになり、幼い頃から芸術が当たり前に私の隣にあったような気がします」

高校から専門学校へ進学した学生時代は、空間やインテリア、アパレルといった、好きなことを仕事にしたいとぼんやり考えていたという木嶋。

卒業後、建築事務所に入り、インテリアを学びながら図面やパースをひき、先輩社員の仕事を見よう見まねで覚えていきました。しかし、間もなくその選択に疑問を抱くようになります。

木嶋 「建築関連の仕事自体は好きで、楽しく働いてはいたのですが、自分の“やりたいこと”“やりたかったこと”というより、現状あるレールの上を走っているような感覚になったんです。
それと、このときはアパレルが好きという時期でした。建築の仕事をしながら、洋服のデザインを作ってみたりもしていたんです。当時の仲間もアパレル関係の仕事をしている人たちが多く、繋がりもあったので、そのタイミングで転職することを決意しました」

こうして、2年間建築関係の仕事を続けた木嶋は一転、アパレル企業への転職を決意します。セレクトショップで店頭スタッフはもちろん、バイヤーやプレス、マネージャーなどさまざまな職種を経験していきました。

木嶋 「当時は、好きなことをやっている感覚だったので、毎日本当に楽しかったですね。初めての世界ではありましたが、良い仲間と出逢い、いろいろな仕事に挑戦させてもらえました。仕事は忙しかったですが、周りのメンバーに恵まれて、プライベートもバランスが取れていました。仕事も、いい意味で遊び感覚でできていたんです。8年間で、ひとつのショップができる過程をひと通り経験することができました」

初めてのアパレル業界で、セレクトショップの仕事を存分に楽しんでいた木嶋ですが、再びある想いを抱くようになります。

木嶋 「私の働いていたセレクトショップでは、自分たちがいいと感じたものをバイイングして、お客様におすすめして伝えていくのが仕事で、当たり前ですが商品をゼロから作るということはなかったんですよね。その時もプライベートでアパレル関係のデザインをやっていて、おもしろいなと感じていたんです。アパレルの中で、本当に好き・やりたいと思ったことを突き詰めた結果、転職という決断をしました」

8年間勤めたセレクトショップを退職し、アパレル企画の企業での挑戦を選んだ木嶋。

木嶋 「5人くらいのチームで、シャツのパターンを出したり、Tシャツのデザインを作成したり、店舗に出す洋服をデザインしていきました。その商品をお客様が身につけているのを見た時、ゼロから商品を作り出したという大きな達成感を感じましたね。
2年ほど企画の仕事をして、自分自身が“やり切ったな”と思えたタイミングで、ウェルカム(当時は株式会社ジョージズファニチュア)が運営する『CIBONE 青山店』の社員登用求人を見つけたんです。
その時のコンセプトが『life editorial store(生活を編集する)』。アパレルはもちろん、インテリアも取り扱っていました。幅広く生活のスタイルを編集する、ということを掲げていたので、自分が今までやってきたことが活かせるのではないかと感じ、すぐにエントリーしました」

販売、店舗バイヤー、リーダー。「CIBONE」でのステップを経て「HAY」へ

▲2014年、CIBONE 移転後のリニューアル

建築、アパレル、企画。様々な企業で活躍の幅を広げてきた木嶋。「CIBONE」の求人にエントリーしたときは、面接がとても印象的だったと話します。

木嶋 「面接の時のことは今でも鮮明に覚えていますね。面接官の方2名と話して、自己PRをしていた際、代表の横川さん(現 代表取締役・横川 正紀)が隣を通りすぎたんです。そのときに『何やってるの?』と声を掛けて、私の方をじっと見つめてきたんです。私も緊張していましたが、ここは目を逸らしちゃいけないと思って、20秒間くらい見つめ合っていました(笑)。それがどんな印象だったのか、今も聞けていませんが、結果は採用。ここだ!と感じ入社を決意しました」

見事採用された木嶋は、「CIBONE青山店」に配属になります。途中で異動がありながらも、青山店にいた合計10年間で様々な業務やイベントに携わり活躍の幅を広げていきます。

木嶋 「最初は、『CIBONE青山店』の販売スタッフとして配属になり、自分の好きなモノたちに囲まれてお客様に伝えることにやりがいを感じていましたね。2年ほど青山店で働いた後は『CIBONE 自由が丘店』へ、家具のリーダーとして異動になりました。ここではもともといたメンバーと本気でぶつかったこともありましたが、次の日には意見がまとまり、店舗を作っていくことができたと思っています。
そしてまた青山店に戻ると、店舗バイヤーとしてMDと連動しながら商品をセレクトしていきました。自分が選んだものが実際にお客様の手に渡って喜んでいただく──その点に、入社当時とは違ったやりがいがありました」

「CIBONE」というブランドでさまざまな経験をしつつ、確実に自らの力をつけてきた木嶋。2017年、そんな彼に「HAY」への異動の声がかかります。

木嶋 「『CIBONE』で働いているときに、CIBONE CONTRACTという部署のマネージャーを任されていたことがありました。クライアントの方が描きたいライフスタイルを中心に、住居、店舗、オフィスなどのインテリアコーディネートから、商業施設やショップ立ち上げのコンサルティングまで、幅広い領域の空間にまつわるソリューションを提供していたんです。
そこでBtoBの仕事の進め方などを経験していたので、『HAY』を大きくしていくタイミングで声がかかったと思い、新しい場所でチャレンジしていくことを決めました」

メンバー一人ひとりをアンバサダーに。信頼感を大切にするチーム作り

▲2018年、HAY TOKYO オープン時

2017年から現在まで、「HAY」のBtoBマネージャーを務める木嶋。「HAY」の家具やライティング、テキスタイル、雑貨を活かし、住宅やモデルルーム、商業施設、公共施設、オフィス、ホテル、レストランなどさまざまな空間のトータルコーディネートを提案するチームをまとめています。

BtoCからBtoB職へ転身し、仕事の相手が変わることについて、不安はそれほどなかったといいます。

木嶋 「怖さみたいなものはそんなにありませんでしたね。店舗のスタッフとして販売を担当しているときは、その時に来たお客様のご要望や理想をお伺いして、それを実現させるために提案していく。BtoBでも、規模や費用感は大きくなりますが、打ち合わせをして、クライアント先のご要望を伺い、形になるよう提案していくのが仕事です。どんなポジションにいてもそれぞれやりがいはありますが、やっていることは大きく変わらないと思っています」

現在は2つのチームのマネジメントを担う木嶋。彼は自身のミッションを、「メンバーを『HAY』のアンバサダーにすること」と定めています。

木嶋 「 全国の小売店に対して『HAY』を取り扱ってもらえるよう動いていくチームと、コントラクト案件ベースのチームの2つをまとめています。2チームのメンバーに対して、数字の管理やマネジメントをすることが私の仕事です。そして、メンバー全員が自信を持って『HAY』を宣伝できるような人材にしていくことが私のミッション。メンバー一人ひとりが【HAY アンバサダー】になることで、お客様に安心感が生まれ、信頼に変わっていくと考えています」

自分自身が、「HAY」のファンだと話す木嶋。そんな彼がマネージャーとして大切にしているのは、メンバーが安心して仕事ができる環境をつくることです。

木嶋「コロナ禍の現在は、1人ひとりがそれぞれ別の場所で頑張ってくれています。もちろん、リモートで便利になっている部分もあるとは思うんですが、対面で会わないことにはその人の持っている雰囲気が感じられません。今は、メンバーが各々の力をそれぞれの場所で最大限発揮してくれていますが、今後は対面できる機会を増やしていきたいですね」

未来のメンバーへ──自分の心が躍る仕事をしよう

▲現在の木嶋

2022年現在、木嶋は将来一緒に働くメンバー候補との面接も担当しています。そんな木嶋が、仕事をする上で大切にしている価値観とはどんなものでしょうか。

木嶋 「他の誰かではなく、まずは自分が“ワクワクできるか”を基準に仕事をしています。趣味はいつだってそうじゃないですか。自分の好きなことに集まる仲間がいるともっと楽しいと思うし、その仲間が話す内容ってとても興味深くて、学びがある。なので、私の基準は“心が躍るか”です。私が携わっている『HAY』も、本当に“楽しい”ブランドなんです。アイテム自体も、色使いもかわいいし、手に取りたくなる。おすすめしたいところがたくさんあります」

「HAY(ヘイ)』は、Rolf Hay(ロルフ・ヘイ)氏とアパレルグループの『Bestseller(ベストセラー)』によって2002年に設立され、2003年のケルンフェアでデビューしたデンマークのインテリアプロダクトブランド。1950~60年代の素晴らしいデンマーク家具、モダンデザインを意識しながら、現代のライフスタイルにマッチするように機能性も高め、北欧のインテリアデザイン界をリードしています。

木嶋 「先日『HAY』の新作の展示会に行ったときに、デンマークからいろいろな情報がきたんです。一緒に商品を確認した際に、改めて『HAY』ってすごいな!こんなのを新しく出してくるんだ!という衝撃と一緒に、ワクワクが止まりませんでした。
SDG’sの視点からの商品展開やブランドの強みでもあるカラーパレット、バリエーションなど改めていいブランドだなと感じたんです。これを早くたくさんの方に紹介したい、広めたいという気持ちが大きくなっています。こんな風に、私のチームにいるメンバー達にも、心躍る仕事をしてもらえたらうれしいですね」

そんな彼が、未来のメンバーへの想いも語ります。

木嶋 「私は、これからも『HAY』のワクワク感を伝え続けていきたいと思っています。それは、メンバーだけでなく、お客様に対しても同じです。今後、面接でお会いする皆さんにも、そんな『HAY』の魅力を伝えられる方になってほしい。そして、事業をもっともっと拡大していきたい。
日本に住む誰もが知っているブランドになり、『あの子、『HAY』で働いているんだ』と思ってもらえるような場所を一緒に作れる仲間と会いたいです。そんなメンバーを増やし続けて、最終的には働いていることの価値、エンゲージメントを高め、憧れの場所になれたら最高です」

自分自身がブランドを愛するファンであり、“アンバサダー”であることを大切に、ウェルカムでのキャリアを築いてきた木嶋。「まだまだ成長過程です」と話す彼は、現在のチームメンバー、そして未来の仲間と心躍る仕事をするために、これからも走り続けます。