「楽しそう!」をたどり、巡り合ったVeeva Japan

▲プロジェクトマネージャーの阪田 麻紀

向き合うのは製薬企業、業務はシステム開発──大学では“文系”だった阪田が、現在の業務に就く発端となったのは新卒で入社した外資系IT企業でした。

阪田 「ビジネス向けのソフトウェア製品をつくっている企業でしたが、データベースって何?ソフトウェアってどうつくられているの?と、入社するといってもわからないことばかり(笑)。それで開発に近い場所で仕事をしてきちんと理解したい!と技術開発部への配属を思い切って希望したんです。それがキャリアのスタート地点ですね」

営業をするにもマーケティングを行うにも、製品そのもののしくみを理解していなければ良い仕事はできないという想いから、未経験で開発の世界へと飛び込んだのです。 

当初は日本独自で開発するのではなく、海外で開発された製品の言語や機能を日本向けに調整するインターナショナリゼーションや、ローカリゼーションに特化した業務がメインだったと話します。その後、本社での開発やお客様へのコンサルティングなど業務領域を拡大する中、ある日、知人からカナダの企業のソフトウェアを日本にビジネス展開する仕事があると声がかかります。 

阪田 「日本のお客様のニーズに合わせて、どのような機能・仕様をソフトウェアやITサービスに実装するかを考えなければいけない難しさがある。でも、そこを考えるのが私は好きだったんですよね。ぜひお手伝いしたいと思い、転職を決めました」

その後もさまざまな会社でソフトウェア開発・コンサルティングに携わった阪田は、2016年にVeeva Japanと出会います。 

阪田 「転職で大切にしてきたのは、自分の経験が生かせることと、新しいチャレンジがあること。

Veevaでは、アメリカで開発されたプロダクトをお客様に広めたり、逆に日本のお客様の声を反映したりする業務なので自分の経験が生かせると思いましたし、何よりアメリカのプロダクト開発部門に所属できることが魅力的で。開発現場に近い場所でお客様のニーズをどう解決していくかを考えられることにワクワクしたんです」

Veeva Japanが特化するライフサイエンス・製薬業界は阪田にとって未知の世界。ここで阪田の新しいチャレンジが始まります。

誰のために仕事をするのか?「本質を考える」文化がある安心感

新たな環境で奔走する阪田には、想定外の嬉しい発見がありました。

阪田 「日本はただの営業拠点で、本国からおりてくる指示を受け入れる、開発にも日本の意見が反映されづらい……というケースって外資のITベンダーでは多くあると思うんです。

ところがVeevaでは、各国の意見を受け入れる意識は確立されていて、日本の声もしっかり届けられる環境が整っている。日本のお客様の声が開発現場に届き、それが反映されてまたお客様に還元される。そういうしくみがあるというのは、橋渡し役の私にとってこの上ない喜びです」

「声がきちんと届く」環境には、Veevaのカルチャーが大きく影響しています。それは個人の成果主義ではなく、あくまで全体成果主義であること。ひとりの成果ではなく、会社全体の成果につながるかどうかをバリューとしているのです。

阪田 「私自身、IT業界の経験はありましたがライフサイエンス業界の知識はほぼゼロで入社しました。周りはライフサイエンス業界のITプロフェッショナルばかり。最初はわたしが質問しても誰も耳を傾けてくれないんじゃないかと躊躇していたんです。

でもメンバーはみんな、会社全体としていかにベストなパフォーマンスを発揮するかを重視しているので、私がわからないままの状態を良しとしない。実際に『会社としてやらなきゃいけないことをやっているんだから、遠慮する必要はない』と直接言われたこともありました。

仮に私の質問に答えられない内容だったとしても、答えられる人をきちんと見つけてつないでくれますし、お客様のために一人ひとりがベストを尽くすことをエンカレッジしてくれるカルチャーがあることは、社員の誇りです」

ライフサイエンス業界は患者さんの安全を守るためのしくみやプロセスがしっかり確立されている分、一般的なビジネス向けのITシステムよりも制約が多く機能の追加・修正も簡単ではありません。しかしそんな環境でも「安全な薬を届けたい」という顧客と同じ目線で使命感を共有しているからこそモチベーションを維持できていると阪田は話します。

“プロダクト”と“プロジェクト”の両面を考える難しさ

▲プロジェクトのために来日したメンバーと駅のホームで

パートナーや社内メンバーと支え合いながら経験を重ねていった阪田は、プロジェクトマネージャーとして製薬会社の研究開発を支援する文書・データ管理システム「Veeva Vault」のクリニカル領域を担当することになります。

日本の顧客にプロダクトを販売する営業担当者、その導入を支援するサービス担当者と連携しながら、顧客から得たニーズをプロダクト開発へとつなげる“架け橋”として業務に携わることになりました。 

2019年からは日本の規制要件に対応するために独自開発もスタートします。 

阪田 「単に日本の規制要件を取り込むだけではなく、Veevaのシステムのコンセプトを守りながら実現しなければなりません。たとえばVeevaのクラウドシステムではデータを重複して管理することなく、Single Source of TruthやUnifiedといった統合して管理することをコンセプトにしているので、基本的にプロダクトの理念にそぐわない仕様はNGとなります。

プロダクトエクセレンスを追求するVeevaだからこそ、グローバルのしくみの中に日本独自の要件を満たす機能を入れ込むのは簡単なことではないです。グローバルの開発サイクル・プロセスでグローバルの優秀なエンジニアがつくり込むことは信頼性が高まるし、私自信にとっても勉強になるのですが、反面コミュニケーションの難しさが身に染みましたね」

アメリカのメンバーと物理的に離れた日本で日本独自の開発プロジェクトの旗振り役となった阪田。顔を合わせてコミュニケーションが取れないことや時差によるタイムラグが彼女を悩ませました。 

阪田 「難しさはありますがそれ以上に、やりがいも大きいんです。なぜならアメリカのプロダクト開発部門のメンバーはみんなプロとしてすごくこだわりがあって、日本からのリクエストをどうつくり込むか、デザインをどうするかなど議論が白熱するんです。

本国で議論した内容を日本にフィードバックしてもらいながら、新しいアイデアに触れたり、技術的な解決法を模索したりするのは刺激的でとてもおもしろいですね」

グローバルで良い製品をつくっていくという“プロダクト”視点と個別のお客様からのご要望 をでるだけ実現させたいという“プロジェクト”視点とのあいだでどうバランスを取るか、という点は阪田がとくに難しさを感じる部分です。

阪田 「目の前のお客様の困りごとやニーズをいかに反映していくかを考えるプロジェクト目線、グローバルのお客様にいかに広く役立ててもらうかを考えるプロダクト目線。それらをバランスよく持ち、目の前のお客様のご要望だけでなく、全体を俯瞰してそれぞれのお客様にとってメリットがあるのかを考えるのが難しくて……私の今の課題ですね」

“日本発”の使いやすさを、世界へ

グローバルの開発に携わる阪田は、Veeva Japanのメンバーとして、日本の顧客と向き合いながら声を拾い、製品に着実に反映していくことでVeeva、ひいてはライフサイエンス業界の成長に貢献していきたいと考えています。

阪田 「製薬会社のR&Dシステムはグローバルで展開されるものなので、日本発のニーズは日本国内だけではなく、他国のお客様のニーズになる可能性は十分あると思います。実際、日本のお客様から出た意見をプロダクトに反映できないか議論したことがあったのですが、『日本だけでなく他国のお客様にもバリューがある』と採用されたことがありました。

Veevaのプロダクトをより良いものにしていくためにも、たとえ1社の小さな声でも耳を傾け、真摯に議論していく。一社一社の声がしっかりVeevaに届いている、と感じてもらえるようにお客様と開発現場の“架け橋”として、コミュニケーションの質を高める必要があるとも感じています」

阪田がフォーカスするのは、顧客との直接的なコミュニケーションだけではありません。顧客と接点を持つ営業担当者やサービス担当者への情報提供を密に行うことで、間接的なコミュニケーションの質を進化させられるように模索中です。

海外と国内をつなぎ、顧客と開発をつなぐ──その積み重ねがいつか世界中の患者さんの新しい「希望」につながることを信じて、阪田は歩み続けます。