少数精鋭の関西拠点

大阪支社は、大阪、京都、神戸といった関西の主要都市のみならず、中国地方や四国エリアもカバーする、ユニバーサル ミュージックの国内拠点のひとつです。

木村 「以前は営業としての通常業務に加えてイベントの準備、実施などもカバーしており業務の範囲がものすごく広かったのですが、ここ数年で部門の新設や人数も増えたこともあり働きやすくなりました。本社に比べると人数は少ないですが、その分スタッフの顔が全員わかることの安心感も大きいです」

営業担当として長年大阪支社に勤める木村 英資は、元は京都の大手CDショップのスタッフでした。CDショップで働くうちに当時のユニバーサル ミュージックの営業担当と知り合い、誘いを受けたことが入社のきっかけです。

木村 「20代前半にジャズが好きになって以降どんどんのめり込んでいって、音楽を仕事にしたいと思うようになったんです。当時の店舗ではアルバイトながらバイヤーなどもさせていただいて、音楽知識をたくさん得られました。人に音楽を勧めるという点では、ショップのスタッフもメーカーの営業も同じ仕事に慣れるのもスムーズでしたね」

支社では、木村のように現地採用される社員が少なくないなか、宣伝担当として東京本社から異動してきた社員もいます。エリア宣伝統括本部 西日本宣伝部 大阪宣伝グループの渡邉 佳奈です。

渡邉 「入社後、東京本社で長く宣伝担当をしてきました。アーティストのツアーグッズを作ったりポップアップショップを企画・運営したりする部署にいたこともあります。その後、音楽をより直接的にリスナーの方々へ届ける仕事がしたいと思い、再度、宣伝を希望したんです」

宣伝業務も、これまでの部門とは明確な違いがありました。

渡邉 「テレビ局やラジオ局、ネットメディアなどの媒体向けに作品やアーティストを知ってもらうためのアプローチを行うという主な仕事は本社も支社も変わりません。ただ、本社ではレーベルごとに担当が分かれているのに対し、大阪支社ではレーベルにかかわらず洋楽・邦楽様々なジャンルの作品やアーティストを担当しています」

オンラインの時代にも“地の利”はある

木村 「昔から関西は東京と異なる独自の音楽シーンを持っています。関西で売れてから全国ヒットしたアーティストも少なくありません。簡単ではありませんが関西エリアから全国区のアーティストを送り出すことが、支社の仕事における醍醐味かなと思っています」

ローカルでアーティストをヒットさせるためにとても重要なのが、地元のショップや媒体と協力したプロモーションです。たとえば、ショップには地元出身のアーティストを推して応援してくれる店が多くあります。関西圏に強い影響力を持ったメディアも地元出身のアーティストの支援に積極的です。

渡邉 「特に大阪のラジオステーション『FM 802』は、地元出身のアーティストに強い愛情を持ってくれていて、リスナーへの影響力も大きいと感じています。キャンペーンを実施するときは一丸となって取り組んで下さいますし、月ごとにピックアップされる“ヘビーローテーション”に選出されると、1カ月間のあいだ大々的にアーティストが特集してもらえるので、アーティストの為にヘビーローテーション獲得へ向けて力が入ります」

また、地元媒体ならではのコラボ施策も盛んです。渡邊が担当したある大阪出身のアーティストは、メジャーデビュー決定をファンに発表する場所に、大阪城ホールを選びました。その際、『FM802』の番組と連動させ、ライブ翌日にインタビューを行うなどローカル感のある施策を実施しています。全国を意識しながらも、関西に焦点を当てたプロモーションを行うことでヒットの礎になるディープなファンが増やせるのです。

木村 「SNSなどでローカルのファンの発信力・拡散力が高まり、地域のブームが全国的なものになりやすくなったと感じています。ヒットの法則に地域差がない時代だからこそ、あえて地元に特化したプロモーションを行うことで“聖地化”したケースもありました」

特にCDショップへの営業を担う木村は、地域のショップが一体となって地元アーティストを応援してくれるような仕組みづくりが重要だと考えています。

アーティストの行脚を支える拠点の役割

関西からアーティストをヒットさせるだけでなく、すでに全国的な人気を持つアーティストを迎え入れ、地元ファンとのコミュニケーションを促すことも大阪支社の役割です。

渡邉 「全国的に人気のアーティストをゲストに迎えた番組が『FM 802』で放送されたときには、一冊の分厚い本ができるほどのメッセージが全国のリスナーから寄せられました」

木村 「もともとある地域のCDショップをアーティスト本人が訪ねる予定があったのですが、他の地域でも自身の作品が大々的に紹介されていることを知り、急遽本人の希望でそのショップも訪問することになったこともありました。即興的ではありますが熱量のある展開になったと思います」

急な依頼にもCDショップは快く対応してくれました。たまにあることですが、発売日近辺にアーティストがCDショップを訪れることを予測するファンもいたりして、アーティストのショップ訪問時はすでにファンが待ち構えていることもありました。

木村 「驚いたのは、さらにその翌日以降にも、アーティストが訪れたCDショップを訪ねるファンが後を絶たなかったことです。残していったサインを撮影したりするんですね。アーティストの存在の大きさを感じました」

高まるエリア拠点の価値

国内の拠点は複数ありますが、いずれもアーティストのプロモーションやファンとのコミュニケーションを下支えする役割を担っています。

渡邉 「イベントが多様化したり、ローカルのファンとのコミュニケーションが全国ヒットにつながりやすい時代となってきたことで、エリア拠点の価値も改めて見直されているのかもしれません。ローカルの媒体やCDショップとの連携を強めることでファンとアーティストを身近に繋ぐ、エリア拠点ならではの活動に取り組んでいきたいと思います」

またCDショップはCDを買う以上の価値を提供する場所として変化してきていると木村は語ります。

木村 「今は、気に入ったアーティストを推しているショップへ行くという消費行動も珍しくありません。だからこそ、CDショップと向き合い、そのCDショップの強みを伸ばすようなサポートをしていくことが大事なんです。CDショップと一緒になってリスナーが喜んでくれるような施策をどんどん行っていきたいですね」

大阪支社で働くふたりが肌身で感じているように、ローカルのファンとのコミュニケーションを大切にするアーティストは大勢います。ファンとアーティストをつなぐとはどういうことか。その本質的な意義を問い続けながら、地元から全国区へ、または世界を目指す作品のサポートを続けます。

( Text by PR Table / Photo by 杉浦 弘樹 foto.Inc )