全スタッフが一堂に会する全体会議。月1回の重要な機会
「アミーダヨガを通じてひとりでも多くの人々に心と体の癒しを届け、健康で喜びと希望に満ちた豊かな生活文化に貢献します」という経営理念のもと、2016年7月のスタートから2年4カ月で32店舗まで拡大してきました。
アミーダでは月に1回、「全体会議」を行ない、全130名ほど(2018年11月現在)のスタッフが一堂に会します。私たちは何よりもこの機会を大切にしており、代表取締役社長兼会長の野澤克巳から毎回1時間ほど時間を設けて話を聞いたり、スキルアップのための研修をしたりしています。
人事担当の進藤千恵は、全体会議での社長講話を、経営理念の浸透において重要なものと位置付けます。
進藤 「テーマは毎回違いますが、何を話すにしても最後は経営理念に向かって話をしています。たとえば、物販は物販と考えるのではなく、商品なんだと。だからまず、お客様がどんな人で、何を必要としているのかを知る。そして、自分たちのことも知ってもらって、信頼関係を築いてから喜ばれる商品を買ってもらう。
そんな風に、考え方を伝えてくれます。ただ物販の話をしているのではなく、必ず理念に着地するので、みんながすごく納得できる話になっています」
この全体会議は、本社にあるヨガスタジオに集まり、ヨガの呼吸法で気持ちを整えるところからスタートします。その後、朝礼と社長講話を行ない、業績表彰、課題ごとに店舗が集まって話し合う分科会へと進みます。
進藤 「私がアミーダに来たときは 1店舗か 2店舗だったので、全体会議もヨガスタジオに座布団を敷いて円になって話していました。そのときからずっとやり続けているので、今は人数もこんなに増えたんだな、という実感があります」
アミーダ創設時から欠かさず行なっている全体会議は、アミーダの成長を実感できる機会でもあると同時に、組織の文化をつくる重要なイベントなのです。
アミーダという同じ船に乗る仲間は、社員もアルバイトも関係ない
全体会議での社長講話には、スタッフからの質疑応答の時間も設けられており、直接社長に聞きたいことを聞ける機会となっています。そこから現場対応のヒントを得るスタッフも少なくありません。
進藤 「社長はずっと絵の営業をしてきた方で、社長自らがトップセールスを走ってきたそうです。なので、営業で悩んでいるスタッフたちは、話し方などを具体的に聞くなどしています。
『お客様にこういう風に捉えてもらうために、こういう言い方をする』というような、ちょっとした言い回しの話であっても、なるほどなぁと思わされるんですよ。営業の分野とヨガの伝え方というところは特に、社長に聞いて参考にしているスタッフは多いです」
この全体会議は、アルバイト契約のスタッフも含めて、原則全員参加。その理由は、何より社長の野澤がこの機会を最重要視しているから。普段は店舗でバラバラに勤務している分、1カ月に1度集まれる場をとても大切にとらえているのです。
進藤 「社長は、『アミーダという同じ船にみんなは乗れるのか?』ってよく聞くんです。同じ方向に、自分と一緒に行ってくれるのかということですね。全体会議はその方向性を示す最大の機会だと思っているので、社員とアルバイトを分ける必要はないと考えています」
社長は常々、「学び続け、深め続けてほしい」というメッセージを発信しています。そのために、本部主導で外部講師をまねいて特別研修をすることもあります。それだけでなく、自ら勉強しに行ったり、資格を取りに行ったりするスタッフも増えてきました。そういった少しずつの変化が、組織全体の文化にも影響しています。
また、進藤は採用の段階から、ほしい人材に来てもらえるような工夫を凝らしています。
進藤 「説明会の段階で、『自分がヨガを学びたいとか、自分のためのヨガがしたい人はうちの会社じゃない方が輝いていられると思います』と伝えています。うちはヨガを広めていきたいので、お客様に還元するための学びなんです。だからアミーダヨガを知ってもらうための営業活動も必要ですし、地道な SNSでの宣伝活動などもありきで考えてもらいたいんです」
私たちがこの採用方針をとっているのは、ヨガレッスン以外の運営・営業業務に身が入らずに、退職していったスタッフが続出したことがきっかけです。退職者の話を真摯に受け止め、少しずつ改善を加えて求める人材像も徐々に明確化。未知の世界にチャレンジするアミーダらしく、採用現場でも試行錯誤を重ねつづけているのです。
時間を色濃く使わないと、全国にヨガを届けることはできない
アミーダを運営するTSCホリスティック株式会社の親会社にあたるアールビバン株式会社。アート業界の会社ですが、「人々の豊かな生活文化に貢献する」という点ではアミーダのめざす社会と共通しています。
社長は同じく野澤克巳であり、未経験者からチャレンジできる環境というのも同じ。
進藤 「アールビバンは、社長の方針でほぼ 100%新卒しかとらないんですね。美大出身でもない知識も何もない学生たちを入れて、その社員たちが 5000万や 1億円の売り上げをあげるまでに成長していきます。まさに、未経験でも『素直さ・謙虚さ・前向きさ』さえあれば、成功できるということを体現しているんです。その考え方はアミーダにも取り入れていきたいと思っていますね。
アールビバンの朝礼でも、社長は話をしていますが、『時間を色濃く使いなさい』といつも言っています。それは、そういう風に動いていかないと、日本全国にアートやヨガを届けられないだろうっていう意味だと思うんです。だから私たちも常にそれは意識しています」
多くの共通点があるアールビバンとアミーダの違いを、進藤は歴史であると考えています。
進藤 「アールビバンには、34年という歴史があります。その中で育った、何十年選手という方々がたくさんいます。それに比べると私たちはまだまだひよっこなので、方向性を定める必要もあります。店長たちですらまだ社歴が浅かったりするので、全体会議を行なう大きな意義があると思います。
もうひとつ違いを挙げるなら、アールビバンはどちらかというと個が強いイメージなんですね。ですがアミーダは、個の力よりはチーム力を大事にして、店舗としてどうしていけばいいかということを考えられる人に入ってもらいたいと思って採用活動をしています」
多くの人にヨガの魅力を伝えるために、店舗として、アミーダ全体として考えることができる、協調性や連帯感が今後より大切になってくると私たちは感じています。
まだ2年。されど2年。何度も試行錯誤を繰り返し、強い組織に
アミーダの組織としての魅力は、やはり未経験者が活躍できる場であること。それが活力のある組織文化になっているのです。
進藤 「みんながみんな、経験したことがないことにチャレンジしている。『これをやれば OK』というようなことがない中で頑張っているみんなは素敵だなと、私は客観的に見ています(笑)。もちろん、自分も負けないようにチャレンジしなきゃいけないなと思っていますし、若い会社だからこそのチャレンジする風土は大切にしていきたいですね」
2年前、ヨガスタジオに座布団を敷いて会議をしていた時代から比べると、組織の雰囲気も変化し、自分のためのヨガからお客様のためのヨガを考えられるスタッフが格段に増えたと私たちは感じています。より、ヨガを「広める」方向へと、会社全体が動けていることは組織としてとても大きな前進。
進藤 「会社が道さえ示し続けていれば、共感してくれる人が集まって、社員にそれがちゃんと浸透していくと思います。今はまだ不十分な点もありますが、実績を残したスタッフには給料としてしっかり還元でき始めてきましたし、スタッフが評価してもらえたと思えれば、それが次のモチベーションになって定着してくれると思っています」
ヨガインストラクターはすばらしいお仕事なので、働く環境や目標、評価など、なんでもみんなの納得感があるものにして、長期的に活躍してくれる社員が増えるとといいなと思っています」
アミーダの歴史はまだはじまったばかり。組織として強くなり、ひとりでも多くの人にヨガを伝えていけるよう、試行錯誤を繰り返しながら、今後も挑戦を続けていきます。