新卒採用からおもてなしまで──エリア連携で業務改善の施策もスタート

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飯田は入社11年目。石岡工場、仙台工場を経て、2021年4月に埼玉工場へ異動してきました。入社以来、総務畑を歩み、2023年5月現在は労務系業務をメインに、総務系業務も担当しています。

飯田 「給与計算や社会保険業務のほか、高校生の採用や新入社員研修、工場内での事故防止や感染症予防などの安全衛生、社内行事の企画・実施をする福利厚生など、労務全般に携わっています。総務系業務としては、社内設備の修繕や保全、来客時のおもてなしなどに対応しています」

中でも、とくにやりがいを感じるのは新卒採用だと言う飯田。

飯田 「埼玉工場では、主に高卒生の新卒採用をしており、高校生の工場見学、高校を訪問して先生と打ち合わせ、学校内の進路セミナーや合同企業説明会に参加したりしています。

新卒採用チームのメンバーは、課長、係長、先輩女性社員、2022年の新入社員、私の5人体制。同じ埼玉県内の久喜工場と連携しながらどの学校に求人を出すか、どんなイベントに参加するかなどの戦略を考え、より効果的な採用活動ができるように協力して取り組んでいます」

新しい取り組みとして、エリア連携業務を進めています。

飯田 「現在東洋製罐では、近隣の工場と連携して業務改善を図りより良いモノづくりをしていく“協業”という取り組みをしています。埼玉工場は横浜工場と協業しており、総務関係ではルーティーン業務の効率化や新入社員研修や高校生対象の会社説明会を合同で協力して実施しています。工場ごとに文化や慣例の違いがありますが、お互いの“いいとこどり”をして、それぞれがより良い事業活動を進めていけたらという想いで動いています」

飯田にとって、埼玉工場は3工場目。社員約180人、アルバイト、派遣社員、グループ会社の方を含めると全体で約300人の大所帯ですが、いままで経験した工場にはない特徴があると言います。

飯田 「東京からほど近く、主力製品のTULCとペットボトルの元のとなるプリフォームを大規模に製造している工場なので、見学にいらっしゃるお客様が多いんです。多いときでは1カ月で8グループお迎えしたこともあります。

お客様に充実した見学をしていただけるよう工場を挙げて“おもてなし活動”に取り組んでおり、その窓口である総務課として、会場の設営、見学のご案内、記念写真の撮影など多岐にわたる対応をしています。

また、埼玉工場は2021年に創立50周年を迎え、“アンチエイジング活動”と称して工場全般のリニューアルを進めています。外観、内装、工場設備の改修やオフィス内のレイアウトを刷新することで、お客様に堂々とお見せできるのはもちろんのこと、従業員の方が快適に働けるキレイな工場に仕上がっていると思います」

まさかの総務課配属も「人と関わるのが好きな私に向いていた」

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飯田が東洋製罐に入社した理由は、「食べることが好きだから(笑)」。もともと自分の作ったものが身近なところで形になるような仕事がしたいという想いで、食品や飲料関係の企業に絞って就職活動を開始したと言います。就職四季報を手にとった飯田を、運命的な出会いが待っていました。

飯田 「四季報をぱっと開けたら、たまたま東洋製罐のページだったんです。名前も知らない会社でしたが、調べると、食べ物、飲み物、生活・家庭用品と、さまざまな容器を製造していて、シェアは業界1位。生活に関連したいろいろな製品に触れられておもしろそうな仕事だなと思いました。

会社説明会では、『当社の容器がないと食べ物、飲み物を一般消費者に届けることができないんですよ』という話が印象的でしたね。世の中になくてはならない企業であること、幅広い業界と関われることに惹かれて入社を決めました」

飯田は、大学までソフトテニス一筋の体育会系。営業職に自身の適性を感じていましたが、入社後に配属されたのは総務課の人事担当でした。

飯田 「私が入社したころは、入社後にどの職種になるかを通知される仕組みで、配属先を知ってびっくりしました。面接でも営業に関する話をしていたので、自分でも営業になるんだろうと思っていました。まさか人事労務をやるとは思わず(笑)」

ところが、人事労務の仕事を始めるとすぐに楽しく感じるようになったと話します。

飯田 「抱いていたイメージと違って、総務課はあらゆる部門の人と関わる仕事でした。人付き合いがうまいかはわかりませんが、人と関わることが楽しいと思えるので、自分に向いている仕事だと今は思います。

とくに他部門や工場と協業するケースは、たくさんの方とコミュニケーションを取って仕事を回していくところに楽しさを感じますね」

異動のたびにスキルを磨き、現在のエリア連携業務をリードするまでに成長

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石岡工場でキャリアをスタートした飯田。総務課の業務に楽しさを感じながら勤務していましたが、入社4年目の転勤で初めて自分のスキル不足に直面したと言います。

飯田 「石岡工場では、“入社工場の新入社員”という温かい目で見てもらえる環境でした。しかし、転勤先の仙台工場では“担当者として何ができるのか”を問われるようになりましたが、当時の私ではスキルが足りず、求められているレベルには届いていない状態でした。しかも、初めての東北だったので、溶け込めるか不安を感じていました」

慣れない土地でスキル不足に苦しんだ飯田。地道な努力で克服していったと振り返ります。

飯田 「自分を信頼してもらえるよう努力しました。まずは、従業員の方の相談事や依頼事に対してとにかくレスポンスを早くするように。

あとは、担当者としてのレベルを上げるために必要なPCスキル・法律知識や資格取得の勉強に取り組みつつ、当時の総務課の上司・先輩方や他部門の方々から手厚い指導とフォローをしてもらい、給料計算から修繕業務までとにかくさまざまな業務に積極的に携わらせてもらいました。そういうことを一つひとつ積み重ね、少しずつ溶け込めるようになっていたかなと思います」

この経験以来、飯田は“早いレスポンス”をモットーに、「従業員はお客様」と考えて業務をするように。努力の甲斐あって、2019年からは仙台工場と千歳工場のエリア連携が始まり、仙台工場にいながら千歳工場の業務も任されるようになりました。

飯田 「千歳工場の文化や仕事のやり方を学びながら、リモートでどのようにしたら効果的かつ効率的に業務ができるかを考えて取り組んだので、大きく成長することができました。当時の東洋製罐は、ひとつの工場がひとつの会社のように業務が完結していて、それまでは他工場の業務を詳細に知る機会がなかなかありませんでした。

千歳工場と協業し、『他工場や社外はどうか』という目線が持てたことで、業務に対するアプローチの方法が増え、担当者としての幅が広がったと感じます」

異動を経て成長した飯田。2021年から埼玉工場の総務課へ異動し、エリア連携業務をリードする立場になりました。

飯田 「2022年の新入社員研修は、埼玉工場と横浜工場・テクニカルセンターをオンラインでつないで一緒に進めました。研修のスケジュールの統一や講義を分担して行うことで、両工場の担当者の負担を軽減することができました。

また、副次的におもしろい効果もありました。1カ月間の研修の最後は、横浜工場に加えて、久喜工場ともつないで実施したのですが、事業所ごとの雰囲気の違いを共有できたんです。久喜工場は大卒・院卒の男性4名でノリがよく、横浜工場・テクニカルセンターには高専卒が3名いて理系的な空気があり、埼玉工場は11名中5名が女性で共学の学校みたいな雰囲気。

他工場の同期とつながりができ、自工場だけでは得がたい多様な考え方を知ることで、お互い良い刺激になったと思います」

さらに、飯田はいままで学んだ改善ノウハウをもとに、横浜工場と総務業務の改善に取り組んでいます。

飯田 「ルーティーン業務の効率化を目的に、横浜工場と協力して改善したい個所を洗い出し、他工場や本社、情報システム部に協力を仰ぐことで、業務時間を削減できるフォーマットやRPA(自動化ソフト)の導入を進めることができました。

最初は使用したことのない機能やシステムで戸惑うことばかりでしたが、横浜工場はもちろんのこと他工場の方と協力して創り上げたことで大きな達成感を得ることができたと思います」

飯田の経験と行動力が、エリア連携業務をけん引しています。

信頼されるビジネスパーソンをめざして、いろいろな部門・工場と協業したい

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入社以来、嬉々として人と関わってきた飯田。現在のエリア連携業務に大きなやりがいを感じていると話します。

飯田 「“両工場をより良くする”というひとつの目標に向かって『こういうことができたらいいよね』とアイデアを出し合い、いろんな人たちと協力してひとつのものを作り上げて、『これできたね』とか『楽になったね』と成果を共に喜び合える瞬間に、ひとりでは得られないやりがいを感じます。

新しい挑戦ですが、横浜工場の総務の方々が『一緒にやっていきましょう!』と、とても協力的でいてくれるので連携がスムーズですし、相談すると斬新なアイデアやノウハウを教えてもらえるので、楽しく仕事をさせてもらっています」

 そんな飯田が仕事で一番大切にしていること。それは、“信頼”です。

飯田 「私には、『この人に頼めば大丈夫』と信頼されるビジネスパーソンになりたいという想いがあります。そのために、『従業員はお客様』という意識をもち、ていねいで早いレスポンスを心がけていきたいですね。

また、今回のエリア連携業務で、いろいろな人のアイデアや得意分野を取り入れたほうが、いいものができあがることを実感しました。今後、ますます他部門や他工場を巻き込んでいけるような存在になれたらと思っています」

離れた事業所をしなやかにつなぐ飯田。持ち前の行動力で、会社を一枚岩の組織へと導く日が来るかもしれません。