東洋製罐の技術でお客様の期待に応えたい

2021年4月から、東洋製罐の開発部門の拠点、テクニカルセンタープロセスイノベーション技術開発部に異動になり、ブローサポートを担当するチームに所属しています。

仕事の内容は、社外に向けたペットボトルの成形技術の支援です。具体的には、東洋製罐で作っているプリフォームをお客様に販売し、お客様の工場でブロー成形工程の条件を設定し、調整しながら一緒にペットボトルを作っています。東洋製罐の長年のノウハウをお客様に提供しながら、一緒に作るイメージですね。

プリフォームとは、ペットボトルとなる前段階の中間製品のこと。飲料会社や充填会社と呼ばれるお客様から「そのプリフォームでボトルを作りたいので、このボトルを作るブロー条件を設定してほしい」という依頼を受け、機械設定を調整しながらそのボトルに合ったブロー条件を作っています。

ブロー条件とは、プリフォームを加熱し、金型の中で空気を吹き込んで膨らませてボトルに成形するブロー成形工程における条件のことです。機械が同じでも、環境によって条件が変わります。

お客様ごとで設備の能力も異なるため、現場で機械に触れながらボトルを測定、確認し、ボトルの性能を確保できる条件となるように設定を調整していますね。

お客様の工場では、成形機を回す担当者やボトルに詳しい技術部など、幅広い人と関わります。条件設定の場面では、なかなか進展せずに行き詰まることもあるんですよ。そういう時は、わからないことをそのままにしないで、とことん調べるようにしています。

お客様と東洋製罐の技術を共有できるように意識しながらコミュニケーションをとり、東洋製罐だとこういうことが学べるからいいね、と感じていただきたいです。お客様が求めているのは、工場内での会話で問題が解決できることや、トラブルを未然に予防する技術だと考えています。

お客様は、東洋製罐の技術や経験を見込んで依頼してくださるので、ご期待に応えられるように頑張ろうと思いますね。

「わかることしかしない社員」だった私。わかる楽しみが視野を広げた

入社前に通っていた工業高校では電気科でした。でも、基本的に勉強は好きではなかったんです。だから、大学進学は考えてなくて。せっかく働くのであれば手に職をつけたいという思いから工業高校に入学しました。

在学中に高校で求人票を見たのが、東洋製罐との出会いでした。同じ学校出身の先輩も多く、色々と話を聞く中で、入社を決めました。

入社直後に配属された埼玉工場の製造現場では、製品の検査や機械のメンテナンス、機械のトラブル処置などを担当していました。東洋製罐で開発した機械を取り扱っていて、ボトルを作る基礎、メカニズムなどの基本的なことを学びましたね。

入社当時は、「機械が止まったら、とりあえずもとに戻して回す」という感じで仕事をしていましたが、不具合を修正しない限り必ずまた機械は止まるわけです。ですから、悪いところを探し続け、もっといい方法を見つけるように心がけていました。

実は入社当時はわからないことだらけで、「自分のわかることしかやらない」という仕事の仕方だったんです。でもそんな消極的な姿勢でしたから、当然怒られたこともたくさんあります。このままでは他の人に迷惑をかけてしまう、と気づかせてもらいました。

それ以来、自分から積極的に仕事について話を聞くようになりました。「物事を改善して楽をしよう」という視点を持てるようになったともいえます(笑)。前向きな考え方が身についたことで、仕事のやり方がガラッと変わりましたね。

そして2020年の4月、埼玉工場のペットボトルを作る工程が終了となり、本社製造部へ異動しました。

7年間機械と向き合う毎日だったんですが、異動で人と向き合う仕事に変化したんです。でも、仕事内容は現在と同じペットボトルの成形技術支援でしたから、話す内容は機械に関することが多く、抵抗はありませんでした。

しかし仕事の幅は格段に広がりました。異動先で海外製の機械を初めて扱うようになったんです。機械について勉強することも増えたんですが、わからないことばかりで。人に聞いたり、自分なり考察してみたり、試行錯誤しながら学んでいきました。

機械についての知識も増えた1年後にテクニカルセンターへ異動となりました。しかしテクニカルセンターに召集されたのは、ある程度の経験者ばかりで、自分はどちらかというと若いほうでした。でも私の異動には、ベテランから若い世代に技術後継をしていくという意味合いもあると聞き、まずはしっかりと引き継ぐこと、そして次代につなげていくのが私の役割だと思うようになりました。

幅広い経験で培った人間力と向上心。その想いと技術を後輩たちへ

デスクワークでのひととき

埼玉工場時代にはボトルの検査機も取り扱っていたので、その経験が役立つこともあります。

実は検査機を扱える人って少ないんです。それに、検査を終えた製品は、お客様のもとに直行するため、責任は重大です。検査機の設定に調整を加える局面では、誰もが「自分が触ってクレームが来たら嫌だ」という気持ちが働くんですが、誰かがやらなければいけません。

私も初めはそんな消極的な理由で引き受けていましたが、やってみたらどんどんできるようになりました。今では、現場の担当者から相談を受けることもあり、工場での経験が活かされていますね。

他にもボトルのブロー条件設定のときに、性能を確保したボトルの条件設定を作るのに何度か試験をして苦労した経験があったのですが、それとまったく同じボトルを別の工場で作りたいという依頼が来たんです。そこで、その工場へ行ったときに、以前の苦い経験を活かしてチャレンジしたところ、1発でクリアできたんですよ。成長を実感できて本当にうれしかったですね。

そんな風にいろいろな職場や経験をしているので、できることの幅が広がりました。

このような、これまで経験してきた部署での取り組みを、報告書としてお客様に提出することもあります。東洋製罐の知的財産というと少々大げさかもしれませんが、自分の学びや経験、問題点などを記録として残しているんです。私にはまだ部下がいませんが、将来的には技術継承ができるようにしたい。そのために次世代の担い手に向けての資料も作成中です。

うまくいかないことももちろんたくさんあります。でも、そんなときこそ試行錯誤し、改善策を見つけるために模索します。検査機のことや、ボトルの製造工程など全てを理解している人は多くはないので、失敗から学び、トライアンドエラーを繰り返しながら取り組むようにしています。また、資料をまとめるにあたっては、「見る人に伝わる」ことを意識していますね。

東洋製罐には、幅の違いはありますが、分野ごとにいろいろな知識を持っている人がたくさんいます。幅広い知識を持っている人と話をしていると、知恵や知識がどんどん入ってくる。後工程がわかると、前工程の担当者の気持ちもわかります。ですから、いずれは「全工程がわかる人」、そしていつかは何でもできる人になるのが目標です。

自分を高めるためならば、どんなことだって楽しくなる

取り扱っているペットボトルをはじめ、飲料缶やパウチ、プラスチックカップ、エアゾール缶など、東洋製罐の製品は世界中に流通しています。その一端に関わることができているのが私の誇りです。

東洋製罐の製品は今の時代に「なくてはならないもの」ばかりなんです。たくさん条件出しをして、たくさんテストしたペットボトルが店頭に並んでいるのを見ると、とてもうれしくなりますね。

いろんな経験があって、いろんなことを知っている人は「強い」と思います。そういう人に私もなりたい。今はペットボトルの担当ですが、埼玉工場での最後の半年間はプリフォームを担当していたので、ペットボトルになる前の状態について知っていることも強みとなっていますね。

しかし、そこに甘んじることなく、最近ではペットボトルだけでなく、缶にも興味を持っています。

私が取り扱っている検査機は、ペットボトルや缶などの種類を問わず、必要な機械です。他の容器の場合でも取り扱っているので、検査機に関する知識をもっと増やすことができたら、より幅広い仕事ができるようになると思います。これからも勉強を続け、会社に貢献していきたいですね。

会社に求められていることをやるのが、私の性には合っています。任された以上は期待に応えたいですし、知識や経験を積んでいくことでスキルアップもできる。

勉強や仕事と聞くと、嫌だと思う人も少なくありませんが、「自分を高める」という意識を持ってやってみると楽しくなるし、職場もいい意味で「遊び場」に変わります。今の職場は、人間関係がスムーズで、和気あいあいと仕事ができる環境であることも、こう思えたきっかけかもしれません。

わからないことは、どんどん知っている人に聞くのが一番。会社は目の前のことに向き合うことによって、自分自身が成長できる場です。やりたいことがわからない人でも、逃げずに向き合えばきっと成長できるはずだと信じています。