BtoB広報に加え、BtoC広報も。変化の過渡期にリーダーとしてチームを率いる
広報・IR部の主な業務は、「プレスリリースの配信をはじめとする対外発表や、問い合わせ対応」、「国内外のメディアとのリレーション構築」、「業績・決算説明会の実施や個別取材のコーディネートなどのIR活動」、「従業員のための社内広報活動」の4つです。
2023年4月現在はあくまでもBtoB広報がメインであり、私たちの業務が売上に直結することはありません。しかし、TOYOのポジティブな姿勢を世の中に広めるという、重要なミッションを与えられています。また、有事の際にディフェンシブな立ち回りをするのも、私たちの担う重要な役割です。
私が主に担当する業務は、プレスリリースの取りまとめをはじめとする対外発表です。また、5名いる部のメンバーの業務見直しにも着手しています。業務の継続の可否を判断しつつ、効率化で浮いたリソースで新たに始める仕事をゼロベースで整理整頓。さらに、新しいメンバーが配属されても支障がないよう、仕事のマニュアル作りにも取り組んでいます。
背景には、TOYOのビジネスモデルの転換があります。極端に言うと従来のTOYOが手掛けてきたのはプラント建設のみ。広報もBtoBのみでした。しかし、現在の当社が扱う領域はプラント事業にとどまりません。
たとえば、TOYOはアンモニアの扱いに長けており、この化合物からは次世代エネルギーの水素が取り出せます。しかも、水素のキャリアーとして考えたときに、アンモニアの状態だと他の方法と比べて生産から輸送までのトータルコストが抑えられる。その点を活かし、今は新たなサプライチェーンを構築しようとしている段階です。だからこそ、広報もBtoCを意識する必要があり、リーダーの立場でチームの方針を考えています。
広報担当としては、知識や経験よりも、“度胸やキャラクター”を大事にしています。広報の仕事を進める上で、社内や社外との関係性づくりは切り離せません。その際、自らが相手を好きになる意識はもちろん、相手からも好かれるようなキャラクターの方が仕事の進捗もスムーズになるはずです。
また、「広報での取材や撮影では、現場に足を運んで得た話を形にすること」も私のポリシー。対面でのコミュニケーションの方が関係性を築きやすいですし、取材では現場だからこその発見があるという考えのもと大切にしている指針です。
IPO経験で培われた度胸──世界を相手に活躍できる場を求めて転職を決意
私は、大学では日本文学を専攻していて、卒業後は住宅メーカーに営業職として入社しました。約6年働いたのち、資格取得を支援する会社に転職。ここでの経験が、広報やバックオフィスに興味を持つ発端となります。
商材に影響されて私も簿記と英文会計の資格を取得すると、今度は資格を活かしたくなり、宣伝職を経てIR室に異動することにしたのです。営業ひと筋だった私にとって、BtoC広報は自らの知識で業績を上げられる点が非常に新鮮でしたね。発信した情報が利益に変わると知り、この仕事のおもしろさにのめり込んでいったのです。
一方で配属後に気づいたのは、IR業務はルーティン業務の方が多い傾向にあること。私はルーティンよりも何かを「創造」することが好きなので、次は新規上場をめざす電機メーカーに転職しました。株主や東京証券取引所、証券会社との窓口になり、IPOに必要な書類をゼロから作って、上場後も株主総会の運営、決算関係の業務、機関投資家との面談などを担当しました。
当時、IPOは必ず成功させるべきタスクであるにもかかわらず、当然社内での経験者は皆無でした。ですから、知見のある社外の人に聞き込み、得た情報を社内に落とし込む作業を繰り返しました。やり遂げたときには、度胸に加え、達成感が得られました。この「達成感」は、ずっと大切にしている軸。私は常に「自分は生きている」と実感したいと思っています。こうした性分もあり、電機メーカーでIPO や一連のIRイベントを経験し、マニュアルも作成して今後の基盤を作り終えてからは「自分の役割は終わった。また新たな挑戦をしたい」という想いが込み上げてきました。
そんなタイミングで届いたのが、TOYOからのスカウトでした。当時の転職活動では「ひと勝負しよう」と意気込む一方、「次は腰を据えて長く働きたい」との想いもありました。また、IRのルーティン業務でも意欲を持ち続けるためには、仕事が国内だけで完結せず、世界を相手に活躍できるグローバル企業を選ぶべきではないかという考えもありました。
その点、TOYOはスケールが非常に大きく、いつまでも仕事を通して“ワクワクするような、達成感を持てる感覚”でいられると感じられる場所でした。そうして、2022年に入社を決めたのです。
入社直後から裁量を持って働ける環境。前職で用いたツールも、すぐに導入が決定
入社してからは、フォローの手厚さを感じています。たとえば人事部門とのオンボーディング面談は入社後1年にわたって続きます。
さらに、入社直後から裁量を持たせてくれたことにも感謝しています。私の場合、前職で使用していたツールをはじめ、広報・IR業務に関する各種プラットフォームの導入を提案した際にはすぐに認められました。
また、メンバーの仕事の割り振りや業務の見直しも一任されています。とくに、業務の見直しは得意であり、好きな領域の仕事。自ら手を挙げ、担当できることになりました。効率化して業務を減らす一方で、新しいことも始めています。今、社外での取材に力を入れているのも、効率化を経て空いたリソースを割けるようになった背景があります。
このように、TOYOは大企業でありながら寛容で、どんどん仕事を任せてくれる環境です。加えて、これまでキャリア採用者が少なかったためにマニュアルが整っていないからこそ、これからそれを整えていけるのも、直近で入社して感じる魅力。提案を聞いてくれますし、周囲のメンバーとの同意さえ取ることができれば好きに動くことをよしとする風土もあります。提案から変化を加えていけることにやりがいを感じますし、心地もいいです。
一方で、海外との関係構築には正直なところ苦労しています。自ら望んだものの、グローバルな対応は初めてで、英語でのコミュニケーションに悪戦苦闘。日本語とのニュアンスの違いや、国や地域で話し方に差異あることを理解した上で、相手に正しく伝える必要があると身をもって感じています。中でも「TOEICや英検に取り組みさえすれば対応できる」という考え方は大きな勘違いでした。どんなに知識をインプットしても、アウトプットを実践しなければ成長しないと痛感し、今はとくに場数を踏むことを意識しています。この点では、私の強みとも言える度胸が役に立っていますね。
加えて、私は前職までのBtoC広報では「いかに自社を目立たせるか」を中心に考えてきました。一方で、TOYOはこれからBtoCの領域に参入するタイミングです。その点で私のBtoC広報としての知見や発想を、これから還元していけるのも大きな魅力です。
多様性のある広報チームを作っていく。そしてグローバルな舞台でも活躍できるように
これから広報チームでめざすのは、あえて「広報とはこうあるべき」という姿をつくらないこと。もちろん、一定のルールは設けるものの、多様な人間がそれぞれの考え方で表現できる場であり続けられればと思っています。
たとえば、社内報の表紙案が複数あるとき、長く広報に携わってきた人は経験則から選び、経験の浅い人は感覚で選ぶと思います。経験は大事ですが、時代が変化する中では感覚として「これがいい」と選択することもときに大切。経験則だけでは選択の幅が徐々に狭まってしまいます。こうした柔軟な姿勢や感覚を維持できるチームでありたいと私は思っています。その意味では、やはり次々と新しい人が配属されることが理想的。人が増えれば、入ってくる情報も出てくる成果物も変わり、組織もますます活性化するはずです。
また、私が手掛ける業務の見直しもいずれ終わります。そこからチームを飛躍させるにあたり、私自身は「ゼロを1にする」や「1を10にする」ことは得意ですが、正直「10を100にする」ことについては知見が足りていないため、新たなメンバーが必要です。その点、私は広報であり続けることにこだわってはいなくて。私自身が一度広報を離れて社内のさまざまな現場に触れ、成長した後にチームに戻ってくるプランも考えています。
経営陣や役職者、そして技術者など、流ちょうな英語で海外の人々と意思疎通を図るTOYOの人たちの仕事ぶりを見ていると、「これが、日本だけで戦っている人たちと、世界を相手に戦っている人たちの差なのか」と驚かされることも少なくありません。そんな社内のメンバーといつか肩を並べられるように、まずは海外とのコミュニケーションの課題克服が当面の目標です。
海外との交流という背景からか、仕事のスケールは大きいですしカルチャーとして寛容なところがあり、キャリア採用者を喜んで受け入れてくれるのが、当社です。ここでチャレンジしたい方を心からお待ちしています。大変な場面を乗り越えて、度胸を身につけた方ならきっと活躍できるはずですよ。