さらなるステップアップを目指して、介護長としての業務を全うする日々

福祉系大学を卒業後現在に至るまでずっと、福祉業界に身を置いてきた虻川。東急イーライフデザインへの入社前は、特別養護老人ホームで介護福祉士、いわゆるケアワーカーとして働いていました。

虻川 「現場にて、直接ご入居者のケアをすることが主な業務でした。とてもやりがいがある毎日でしたが、他の施設も見てみたいと思うようになったんですね。自分の知識と経験を増やすために。ケアマネージャーや社会福祉士、介護福祉士などの主要資格は取得していたので、次は特養以外の現場でも働いて学ぶべきだなと思いました」

そんな経緯から、2016年7月に東急イーライフデザインに中途で入社し、グランクレール藤が丘で介護士として勤務をスタート。2020年からは、介護長となりました。さらなるキャリアアップを求めて、日々さまざまな業務に携わっています。

虻川 「大きくわけると、6つの業務があります。1つが、ご入居者の入居から退去までの総合的な支援。入居前からご逝去後の対応まで、ご本人だけでなくご家族への対応や相談なども含まれます。

2つ目が、営業業務。入居を検討されている方への見学案内や説明などを行います。3つ目は、スタッフの管理です。勤怠管理や人員確保、育成研修、それから悩みを抱えているスタッフには、心身ともにケアもしています」

上記の3つが、ご入居者やスタッフと直接かかわる業務である一方、残りの3つはスタッフを間接的にサポートする業務となっています。

虻川 「4つ目が業務改善。5つ目が帳票類の確認など事務作業です。そして6つ目が病院や、おむつ、リネン類など関連業者との連絡調整などです。もちろん、それ以外にも多岐にわたります。

介護長の役割を一言でまとめると、現場スタッフの仕事がうまくまわるように全体を見ながら調整し、あらゆる事務作業を担っているという感じです。2021年に介護保険制度の改正があり、情報収集や入力作業に少々苦戦しながらも、日々介護長として周りに支えられながら業務に取り組んでいます」

高校時代に志した福祉の道。周囲のサポートのおかげで今がある

▲学生時代

大学時代から福祉業界一筋の虻川ですが、その背景には高校の頃に抱いた強い想いがあります。

虻川 「もともと、自分の祖父母のことが好きだったことが大きいです。加えて、私が高校の頃から、介護保険法が充実してきました。今後、高齢者の介護に関するニーズが増えると言われ出した頃ですね。

体を動かしながら、大好きなおじいちゃんやおばあちゃんと接することができて、それが仕事になるんだったら素敵だなと思いました。高校のときに授業の一貫で行った福祉施設の体験で、なんとなくですが福祉業界のことに触れられたことも、今に至るきっかけのひとつだったかもしれません」

福祉業界は、確実に世の中に必要とされている仕事です。一方で、ニュースなどで介護の現場は非常に過酷だと耳にすることもありますが、虻川は、「苦痛に感じることはない」と断言します。

虻川 「正直、この仕事をしていて苦に感じることってないんです。意外と大丈夫だった、と言いますか……。好きを仕事にできたこと自体が恵まれていると思いますし、さらには人間関係にもとても恵まれてきました。

そういう意味では、運が良かったのかもしれません。自分に能力があって介護長になれたわけでは、決してないので。常にサポートしてくれる仲間がいて、おかげで成功に繋げられた事例を評価してもらえただけです。だからこそ、職場環境をより良いものにして、支えてくれているスタッフに恩返ししていきたいです」

また、辛いことや悲しいことがある中でも、「辞めたいと思ったことはない」と語る虻川。そこには、やりがいとも言える感情が関係していました。

虻川 「関わっていたご入居者が亡くなったときなどは、やはり大きな悲しみに襲われます。けれど、ご家族の方から『良くしてくださってありがとうございます』と声をかけていただくと、その方の人生に関われたことを嬉しく思えます。

また、私は医者ではないですが、『命に触れる』という経験を重ねる中で、日々学ぶことがたくさんあります。正解がないので、試行錯誤の連続です」

コミュニケーションを円滑にするために大切にしている2つのこと

▲旅行イベントにて、ご入居者との1枚

介護長としてスタッフを束ねている虻川ですが、大切にしていることが大きく分けて2つあります。その1つが、コミュニケーションです。

虻川 「現場には、介護士、看護師、機能訓練のリハビリスタッフ、ケアマネージャー、身の回りのものを洗濯してくださるスタッフなど、総勢40名ほどいます。日々いろいろな不満などもあると思いますが、笑顔と会話を大切にしてほしいと伝えています。

黙々と作業をこなすことももちろん必要だとは思うのですが、私たちの業界はコミュニケーションが大半を占める仕事だと思うんですね。不機嫌そうだったり、忙しそうにしたりしていたら、ご入居者も話しかけづらくないですか?

特に2020年から本格的に始まったコロナ禍では、マスクで表情がわかりづらいこともあり、より一層の笑顔と会話を意識しています」

また虻川は、対スタッフに関しても同様に、コミュニケーションを重要視しています。たとえば、スタッフの靴が新しくなったという小さな変化にも気づくよう心がけているようで...。

虻川「私たち福祉・介護に携わる者は、『気づきの商売』だと考えています。ご入居者の些細な変化に気が付くことがとても重要です。そのためには、ケアに当たってくれている身近なスタッフの些細な変化を見つけることも同じくらい大事だと思っています。我慢している体調不良なども気付いてあげたいですしね」

虻川が大切にしていることのもう1つは、他者を認めることです。

虻川 「正直、以前は『長たるもの、自分の意見をしっかりと持ち、堂々と決断をしなくては』という想いがありまして、場合によっては相手の意見を受け入れないと言いますか、やや説き伏せようとしたこともありました。

でも、その場はひとまずおさまっても、後々の関係性にヒビが入ったり、モヤモヤした感情が後を引くこともあるんですよね。何度かそんな経験をしたため、気持ちを入れ替えました。

今では、賛成と反対の意見が出た場合には、双方の主張を受け入れた上で、建設的な話し合いをして物事を決定していくことも大切にしています」

虻川は実際に意見を取り入れるようにした経験の1つとして、過去に「準夜勤を導入する」という業務改善をしたときのことを挙げています。

虻川 「現場の働き方改革の1つで、ご入居者の安全面を高め、かつスタッフの負担減にもなるという判断で決定しました。ただ、働き方の変化はスタッフの生活の変化にも直結するため、理解を得るのが大変でした。

そこで、できるだけ全スタッフの意見を引き出せるようにとアンケートをとったり、運営側との打ち合わせを繰り返したんです。はたして全員が納得してくれたかどうかは正直不安が残りますが、このようにお互いの意見を尊重する姿勢は、今後も持ち続けていきたいです」

「新しい幸せづくり」のために、自分ができること

▲住宅でのドッグセラピーイベントにて

現場でのご入居者とのコミュニケーション、そしてスタッフとのやり取りを大切にしながら、毎日を過ごしている虻川。今後の目標や成し遂げたいこと、課題に感じていることに対して、このような考えを持っています。

虻川 「これまで現場では、『目の前のご入居者をいかに幸せにするか』を大切にしてきました。それが介護長になってからは、株式会社が運営する住宅ということもあって、空いている部屋に、どのようにご入居者の方に入ってもらうか、トラブルなく金銭のやりとりをするか、といったことも考えなくてはなりません。

収益など経理の分野はまだまだ無知なため、勉強していきたいです。そうすることで、施設全体のことが把握できますし、入居される方やご家族の方にも、より詳細で丁寧な説明ができるのではないかと思っています」

また、東急イーライフデザインは、東急ブランドを背負っていることもあり、一般的な介護施設にプラスした意味合いや価値を感じて入居される方が多いことも特徴です。

虻川 「先程、私が高校の頃に『今後、介護に関するニーズが増える』と言われ始めたことをお伝えしましたが、本当にその通りになってきており、しかもニーズが多様化しています。

以前は行政による措置で介護施設に入居される方が大半だったので、『家で診ることができないので、入れてくれてありがとうございます』というスタンスでした。それが今は施設の選択肢が広がり、特に有料老人ホームの場合は、金額はもちろん、どのような付加価値があるかも重要になっています。

また、これまでずっと百貨店を利用いただいていて、そのサービスやおもてなしのクオリティに満足してくださっている方など、東急ブランドに惚れ込んで入居を決定された方もたくさんいらっしゃいます。そういった意味でも、ご入居者の幸せを第一にしながら、現場としても、スタッフが楽しく幸せに感じられるような環境を作っていきたいです」

東急不動産ホールディングスが掲げる「新しい幸せづくり」。まさにその言葉通り、虻川は今後も新しいことにチャレンジし、さまざまなことにアンテナを張り、現場に還元しながら「介護長・虻川らしい、幸せな場所」を形作っていくのです。