バスケ部と勉強〜本気の文武両道から学んだこと〜

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原の学生時代は、10年間続けたバスケ部と勉強との両立によってでき上がっていた。そこでの数々の挫折や成功体験が彼女の原体験となっている。

原 「基本的に放任主義で両親には育てられました。自分で考えて納得して、全部好きに決めてきたと思います。小学校に入ってバスケを始めて、そこから10年間はキャプテンや副キャプテンなどを任されてチームをまとめることは多かったですね。

その中でも勉強との文武両道は徹底していたように思います。高校のときに、部活と勉強の両立の壁にぶち当たったんです。ここで一度部活を辞めて勉強しようかなって。

でも、ここで辞めたら自分から逃げているだけな気がして、部活も続けながら、一度勉強にチャレンジして本気で取り組んでみたんです。そしたら学年でトップの成績が取れて、自分ってやればできるんだ、最初から逃げずにやれば結果はついてくるんだという自信がつきました」

そんな経験から、自分の意見をしっかり言うこと、チームワークや人との接し方を主体的に身につけていったと彼女は語る。

ローラーホッケー日本代表キャプテンという貴重な経験

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立教大学に入学してからは、未経験からスタートして部活をやれる温度感に引かれ、ローラーホッケー部に入るという新しいチャレンジをしてみた。すると週4、5回の練習を積むうちにのめり込んでいき、日本代表のキャプテンになるまでに成長した。

原 「たまたま始めたのに、気付けば熱中していましたね。大学時代は部活と授業でびっちり予定が埋まってしまいそうなほどかなり忙しい日々を過ごしていました。アルバイトは部活と授業の空いている時間でやるという感じでした」

体育会系のローラーホッケー部での経験が彼女を大きく成長させ、就職活動では第一志望である不動産業界の東急不動産に入社することができた。

原 「ローラーホッケーって未経験から始められる分、いろいろなモチベーションの人がいるんです。中にはモチベーションの低い人もいて、高校生までの全員やる気があって当たり前という環境とは違うという点で、どうやってチームをまとめていくのかはとても悩みましたね。

ただガンガン引っ張るだけではなく、メンバーをフォローしながらまとめていくといったリーダーシップを学ぶ良い経験になりました。

また、大学で観光などを学んでいたのでもともと街づくりに興味があって、不動産やデベロッパーは早めの段階で第一志望でした。 東急不動産に入社を決めたのは直感の部分もあり、ここなら大丈夫かなっていう安心感があったからですね。総合的に人と仕事を見て一番落ち着くかなって感じたんです」

全力投球を貫いた4年間の営業から学んだ信頼関係の築き方

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東急不動産に入社してからは、4年間の営業経験を積んだ。初めはお客様との信頼関係を構築することに本当に苦労したと言う。

原 「1年目は、商談相手が社長さんだったり、自分自身に未熟な部分もあって、なかなか信頼してもらうことができなかったです。1年目でわからないことも本当に多くて。

でも、そこで物件のことに対してはお客様より詳しくなって、聞かれた質問にはすぐに答えられるようになろうって意識を変えたんです。自信とスピード感を持って対応することで、この人となら契約してもいいかなというお客様からの信頼を得て、契約につなげられるように徹底しました」

そうしていく中で、2年目から自分ひとりで契約まで持っていけるようになり、自信につながっていったと言う。そして3年目から新築物件の営業を任されるまでに彼女は成長していくのだが、その道のりには当然大きな挫折経験があった。

原 「3年目のことですかね。自分が先輩に求められて頼まれた仕事だったのに、100%の力でやらなかったために、自分の中でも中途半端な出来になってしまったんです。

結果を見せたときに怒るというよりもちょっとがっかりされてしまって。バリバリ仕事ができて尊敬している先輩でしたし、これ以上この人に育ててもらえないかもしれないって思うと本当に不甲斐なかったです。そこから変わろうと思ってスイッチが入りましたね。

最終的にフィードバックでその先輩から『あれから原が変わったのもわかったよ』と言っていただいて成長を実感できた経験になりました」

3年目になり担当する物件が既存物件から新築物件に変化したことで、その違いにとても苦労したと彼女は語る。

原 「既存物件の営業は、すでに存在する物件を案内するのではっきりとわかる正解があるんです。それが新築物件だとどうなるかわからず、実際に目に見えるものがない中でどうやってお客様にアピールしていくのかが本当に難しかったです。

形のある物件がないので、お客様にどう想像してもらうのかが一番大切です。わかりやすくイメージしてもらえる事例を示したり、お客様が現在いらっしゃるビルと比べてどうなのかなどを説明して、お客様自身の想像力を広げさせるということです。プレゼンルームという住宅のモデルルームのオフィス版を作成し実際に案内したりすることもありました」

さまざまな苦労や挫折を乗り越え、4年間の営業経験で彼女は飛躍的な成長を遂げたのだ。

ビル事業部から見えるその先の景色へ

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昨年度営業部から現在のビルの開発を担当するビル事業部へと異動をしてきたのは、東急不動産に入社した当時のキャリアプラン通りのことであった。

原 「もともと開発がしたかったのですが、1年目から開発に入っても知識がないと厳しいだろうと思ったんです。なのでキャリアプランとして最初はお客様と触れ合える営業で経験を積んで、ある程度の知識を身につけてから開発に行こうと思っていました」

現在開発期間中である、九段会館の建て替えプロジェクトをリーダーひとりと先輩と3人で進めている最中であるが、4年間の営業の経験で、お客様が求めているものがある程度見えていることが強みになっている。

原 「社内では営業部との調整や、パンフレットやプレゼンルームの作成などのサポート業務を行っていますね。営業の経験があるので、全体像を理解しながら開発側でサポートできるんです。お客様や社内のメンバーがどういうものを求めているのかがわかるので、とてもやりやすいですね」

逆に、営業と異なるからこそ難しい点も当然あり、それを乗り越えるたびに成長を実感できると言う。

原 「専門的な建築の知識や開発のスケジュールなど、知らないことが本当に多いんです。案件ごとで必要な専門知識も異なるので、日々ゼネコンさんのスペシャリストの方に質問したり、自分で調べたりして仕事をしています」

最後に、彼女は自身の将来の展望を力強く語った。キャリアプランの中で自分の強みを生かし、これからも後悔のないように働いていきたいのだ。

原 「まずは今のビル事業部でのプロジェクトをやりきりたいです。約2年半後、その物件をきちんとつくって形にしてからどういうふうにそれが街になじむのか、お客様に評価されるのか、その完成を見届けたいですね。

また、女性社員が増えてきているので、育児や産休を経てから会社で活躍する女性社員のロールモデルの体現に貢献していくといった、女性からの視点も必要なのかなと思っています。自分にできることは最大限していくつもりです」

周囲の人との信頼関係を大切にしながら、常に全力投球な原のその姿が、彼女と一緒に働きたいとメンバーに強く思わせるのであろう。