最近、周囲にも副業をしている人が増えていると感じている方もいるのではないでしょうか?個人の意識や働き方の変化はもちろんのこと、副業・兼業を解禁する企業が増えていることもその理由の一つではないでしょうか。
スキルアップや収入アップという個人へのメリットだけでなく、副業・兼業で身につけたスキルが本業に還元されることもあり、企業にとってもプラスの効果があったという事例も増えています。実際に副業に取り組んでいる方々はどんな働き方をして、どのように感じているのでしょうか?
総合人材情報サービスの株式会社アイデムは、副業に前向きもしくは既に副業をしている600名を対象に調査を実施。副業に対する意識や実情が明らかになりました。回答者の年代・就業状況は次の通りです。
画像提供:アイデム
まず、副業・兼業をしている人は本業と副業、それぞれどれくらいの労働時間となっているのでしょうか。副業に興味がある人の回答結果も含めると次のような結果となっています。
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本業の労働時間については、副業・兼業をしている人は「週10時間未満」33.3%、「40時間以上」23.3%と、本業の労働時間が短い傾向があることが分かりました。一方、副業・兼業に興味がある人は「週40時間以上」が40.7%とフルタイムで勤務している人が多いことが分かります。
また、副業・兼業の労働時間についての調査結果は、2022年現在副業をしている人と副業・兼業に興味がある人の間で大きな差はなく、全体として「週5時間未満」が45.7%、「週5時間以上10時間未満」が30.3%と労働時間が長くなるについて回答の割合が減っています。
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週5時間未満〜10時間未満であれば、終業後や週末にも取り組みやすく、本業とのバランスを取ることも難しくなさそうです。
副業をはじめた理由はこれ!一方で副業をしたい人の理由とは?
同調査では、本業以外に仕事を持つ理由、持ちたい理由についても回答が寄せられています。
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全体で最も多かったのは「自由に使える資金を得たいから」で41.7%、次いで「生活する上でさらに収入が必要だから」が33.2%、「余暇時間を活用したいから」が28.5%でした。
現在副業をしている人の選んだ理由の中では、「自分の技術・能力を試したいから」(17.0%)、「やってみたいことがあるから」(14.3%)、「本業ではできないことだから」(16.3%)が全体より高く、挑戦や興味関心が意欲の基になっている人がいるようです。
一方、副業・兼業に興味がある人の理由の中では、全体上位3項目が特に高くなっています。特に収入の観点で副業に関心を寄せている人がより多いという結果になりました。
副業をするメリットデメリットは?
副業・兼業をする理由も副業をするメリットともいえますが、他にはどのようなメリットを感じているのでしょうか?なお、副業・兼業に興味がある人は、副業・兼業をすることで得られると思っているメリットを回答しています。
現在副業をしている人では、最も多かったのが「好きな時間に働ける」で30.3%、次に「収入への不安が減った」が29.3%、「自分の自信につながった」が17.0%でした。
また、副業に興味がある人が考えるメリットとして最も多かったのは「収入への不安が減った」で53.0%、次に「好きな時間に働ける」が34.0%、「セカンドキャリアにつながった」が19.0%となりました。特にこれから副業をしたいと考えている人の中では、副業・兼業をすることが、将来の不安の払しょくにつながると思っている人が多いようです。
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一方、デメリットは全体では、「余暇活動が取りにくい」が24.2%、次に「収入に満足できない」が21.2%、「長時間労働になる」が20.5%となりました。
現在副業をしている人に限定すると、「特にない」が最多(31.3%)。およそ3割の人は現状マイナスと感じることが無いようです。
また、副業に興味がある人の中では、「長時間労働になる」が27.7%とデメリットの中で最多となりました。「余暇活動が取りにくい」「本業の繁忙期には思うようにできない」という意見も多く、時間管理やスケジュール管理などについての懸念点が多いようでした。
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副業として選ばれる仕事の中には、自身で時間や件数を調整できるものが多くあります。本業とのバランスを考慮しながら取り組むことで、デメリットを軽減できるのではないでしょうか。
副業実施者が感じる本業への満足度
収入を安定化したり、好きな時間に働いたり、スキルアップを実現したり。副業の魅力がある一方で、副業は本業へどのような影響を与えているのでしょうか?
本調査の対象者全員に、本業への満足度をきいたところ、本業への満足度は、「満足している」が25.8%、「どちらかというと満足している」が40.2%で、7割弱の人が満足と回答しています。また、副業の実施状況別に見ると、現在副業をしている人は「満足している」が28.0%、「どちらかというと満足している」が47.7%で、8割弱の人が満足と回答しています。
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本業の満足度別にみると、本業に「満足している」人の場合、副業も「満足している」が59.6%、「どちらかというと満足している」が27.5%となり、9割弱が満足と回答。一方で、本業に「満足していない」人の場合、副業も「満足していない」(39.4%)「どちらかというと満足していない」(18.2%)という割合が増えました。
副業実施者の本業への満足度の高さからは、働くことに対する充実感が見受けられます。本業が上手くいっているからこそ、副業に取り組む意欲が生まれたり、副業で生活が安定すると本業にも意欲が生まれたりと、少なからず相乗効果がありそうです。
本調査では個人の副業・兼業に対する意識や実態が明らかになりましたが、企業に所属しながら副業・複業・兼業に取り組む人々の実例を「働き方をアップデート 副業・複業・兼業」と題して特集にまとめています。ぜひ併せてご覧ください。