“医療分野”と“機械の仕組み”に魅了された学生時代

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▲幼い頃から工作や工具が好きだった西田

「幼いころから機械の仕組みに興味がありました」。そう語るのは、今回の主役である西田。学校では工作の授業が大好きで、家では兄が作ったプラモデルを分解しては組み直す。そんな幼少期を過ごしたといいます。

その後も機械への熱は冷めることはなく、工業高校卒業後は臨床工学技士を目指すことに。

西田 「医療の分野に進んだきっかけは大きく二つあります。一つは放射線技士である兄の影響。そしてもう一つは医療系漫画の影響。医療現場には医師や看護師だけでなくたくさんの人が携わっていることを漫画で知り、医療業界に興味を持つようになりました」

 臨床工学技士を養成する大学に入学後、念願だった医療機器に触れた西田。その関心は“機械の使い方”よりも“機械の仕組み”そのものへと向かい、パルスオキシメーターのような小さな機械でなぜ脈拍が測れるのか? という純粋な疑問が次々と浮かびました。

しかし、大学での授業は医療機器の使い方に関する講義が中心でした。次第に医療現場で働くことよりも、医療機器そのものを取り扱うことに興味をひかれた西田。そこで彼が選んだのが、医療機器メーカーへの就職という道でした。

専門知識をわかりやすく伝える意識

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▲製品納入先での修理の様子

新卒で就職したのはリハビリや介護分野を中心とする医療機器メーカー。大阪エリアを中心に7年間、医療現場で医療機器の点検や修理を担当しました。

その後、知人の紹介をきっかけに日本ストライカーと出会うことになります。

西田 「前職でもやりがいを感じていましたが、さらに高度な医療機器を扱ってみたいと思ったのが転職のきっかけです。日本ストライカーが取り扱う医療機器は、手術室で使われる機器や新たなテクノロジーを搭載した製品も多く、さらに高いレベルが要求される理想の環境。また、現場において営業社員と協力して仕事をする機会が多い点も魅力でした」

さらなるステップアップ、そして自分のやりたいことの実現のために日本ストライカーへの入社を決断。前職と同じく点検や修理を担当するフィールドサービスの一員として活動することになりますが、当初はさまざまな違いを感じたといいます。

西田 「前職で扱っていた医療機器がリハビリ室や病棟にあったことに比べ、日本ストライカーの医療機器は手術室に配備されるものが中心。入社したての頃は、手術室がまとう“独特な緊張感”に圧倒されましたね」 

取り扱う医療機器が大きく変わり、新たな知識を得るために学び直す苦労もあったと当時を振り返る西田。しかし、学ぶことは楽しいことだと言い切ります。その根底にあるのは、「純粋に機械が好き」という気持ちです。

そんな西田にとって印象的なエピソードがあります。

入社して2年が経った頃、ある病院でストライカー製品の不具合が相次いだことがありました。担当として都度修理対応にあたりながらも、時にはその場ですぐに解決策を提示できないこともありました。

プレッシャーがかかる状況で西田がとった行動は「さらなる不具合を防止するための提案をわかりやすく伝える」ことでした。

西田が主にコミュニケーションを取る相手は、医師だけでなく手術室看護師や臨床工学技士など多岐にわたります。使用上の注意点やメンテナンスのヒントなど、医療機器の専門知識もとに、相手の職種に合わせて伝える方法や内容を工夫しつつ、丁寧なコミュニケーションを積み重ねた西田。その結果、入社4年目にはその病院から「西田さんがいてくれるから、ストライカーの製品を導入する」と言われるほどの信頼を獲得するに至ったのです。

長期的な視野に立ち、お客様にプラスアルファの価値提供を

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▲製品の点検・修理だけでなく、長く愛用いただくための情報提供も欠かさない

こうして日本ストライカーで経験を重ねてきた西田は2022年現在で6年目。お客様の求めに応じ、広範な中国・四国地方を縦横無尽に駆け回り、周囲から高い評価を得ています。そんな彼に仕事のやりがいを聞くと、二つの答えが返ってきました。

一つは、「機械に関する専門知識によって医療機器を直すこと」。“機械の仕組み”への情熱は彼が幼少期から変わらず持ち続けてきたもので、原動力ともいえるかもしれません。

西田 「お客様先から製品に不具合があると連絡をもらった時点で、頭の中で現在の状況と修理のプロセスをイメージし、計画を立てます。現場に到着したあとは、一刻も早く直るよう集中して対応しますが、計画どおりに修理ができるとパズルのピースがぴったり合ったような達成感があります」

仮に計画どおりにいかずとも、そこから軌道修正をしながら“正解”に近づいていく過程もまた、大きなやりがいを感じるといいます。機械にとことん向き合って仕事をする。その結果、お客様に喜んでいただけることが、西田のやりがいにつながっているのです。

そしてもう一つのやりがいは、「機械を直すことだけでなく、さまざまなコミュニケーション活動を通じてお客様や共に働くメンバーに貢献できること」。医療機器も機械である以上、時に不具合が発生することは避けられません。そのようなネガティブな状況であっても、西田の確かな技術力とコミュニケーション力がお客様の信頼につながり、結果的にポジティブな状況を生み出しています。

人と関わり、人と話すことが好きと語る西田が、コミュニケーションを図るうえで意識するのは「個人と個人の対話」だといいます。

西田 「私たちが提供する医療機器には、お客様である医療従事者はもちろん、患者さんやその家族、営業社員やディストリビューションセンターで働く社員など、たくさんの人が関わっています。だから“直して終わり”という単純な話ではありません。“病院とメーカー”のような形式的なコミュニケーションではなく、常に“個人と個人”の意識でコミュニケーションを交わし、長く製品をご愛顧いただけるよう、“修理”以上の価値を提供することもフィールドサービスの役割だと思っています」 

専門性を生かしながら、お客様や社内メンバーとともに高め合う意識。これは日本ストライカーが掲げるミッション「お客様と一体となって、医療の向上に貢献する」にも通じる考え方です。

お世話になった人たちへの恩返し~信頼されるフィールドサービスへ

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▲フィールドサービスの仕事の魅力やその意義を社内外に伝えていきたい、と話す西田

西田に日本ストライカーの印象を尋ねると、「個性が尊重される会社」であると答えます。そう感じるきっかけは、入社当時にまでさかのぼります。

西田 「入社当時は、新たなキャリアを踏み出すことに対して気負いすぎていました。そんな時、上司からはリラックスしていいと言ってもらえました。無理に肩肘張らず、等身大であることが受け入れられる組織なんだと感じましたね。社員の人柄の良さは、入社を決めた大きな要因でもあります」

日本ストライカーには、一人ひとりが持つリーダーシップを尊重し、各人の強みに着目してそれを伸ばす、という人材育成方針があります。西田自身も好きな考え方と語り、入社したてのころから自らを受け入れてくれた周囲のメンバーには感謝が尽きません。

そして今、西田は新たなステップとして上司から新入社員のOJTリーダーを任されました。「新人育成はあまり得意ではない」と西田自身は謙遜しますが、自身を受け入れてくれた会社に恩返しをするつもりで臨みたいと語ります。

また、西田自身の今後の展望については次のように語ります。

西田 「日本ストライカーでは新しい製品が次々と生み出されます。だから知識と経験を常にアップデートしていくことを心掛けたいと思います。お客様と周囲のメンバーのため、これからも常に良い仕事をしていきたいという想いは変わりません」

そして、西田が今後めざすのは、「日本ストライカーのフィールドサービスはすごい!」と社内外から評価され、フィールドサービスの仕事やその意義をより広く知ってもらうこと。

西田 「実績を重ね、フィールドサービスとしての仕事が評価されることで、お客様には『日本ストライカーには信頼できるフィールドサービスがいるから、万が一の時にも安心できる』と、営業社員の皆さんには『フィールドサービスのメンバーと一丸となって医療に貢献している』と、それぞれ思っていただけたら本望ですね」 

“次世代のフィールドサービスの担い手”として上司からもチームメンバーからも期待を集める西田。ストライカーの医療機器を必要としてくださる医療現場へと、今日も駆けつけます。