意識したのは“目先の利益を追いかけない”こと

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石郷が所属するエンドスコピー事業本部AS(アースロスコピー:関節鏡)チームでは、膝の半月板や靭帯など運動器を損傷した際の整形外科手術で用いられる内視鏡、およびその関連製品を取り扱っています。

AS北日本リージョンに所属し、北海道を担当する石郷は、2011年に日本ストライカーに中途入社。初めて売上目標を持った2012年から10年連続で目標を達成し続け、10年目という節目の年でMVPを受賞しました。石郷自身、MVPだけでなく10年連続の売上目標達成に大きな達成感を感じていると言います。

石郷 「継続を意識して取り組んできた10年間の成果が形になってうれしいです。賞を意識するわけではなく、お客様と真摯に向き合ってきたことの付加価値として今回のMVP受賞があると考えています」

石郷のように長期にわたりコンスタントに売上目標を達成するのは並大抵のことではありません。その裏にあったのは、営業を単年で捉えるのではなく長期的なビジョンで捉える彼の営業スタイルです。

石郷 「もし仮に目先の利益を追って単年で目標を達成しても、毎年同じことを繰り返さなければいけない。そうなるとずっと苦しいですよね。だからこそ継続的な売上の土壌となるお客様の信頼獲得に力を入れました」

石郷が入社初年度にまず優先課題としたのは顧客からの信頼獲得。単年の売上目標がある中で、長期目標達成に向けた取り組みを並行するのは容易ではありませんでした。事実、この10年を振り返って、実績がないところから信頼を獲得していった最初の数年間が一番苦労したと石郷は語ります。

石郷 「信頼を獲得した今、期待に応えるプレッシャーも感じています。この信頼を長くつないでいくためにもまだまだ営業としてすべきことは多くありますね」

“副キャプテン”ならではの役割がある

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彼が仕事をする上で大切にしている一つの考え方があります。それは「顧客志向の徹底」です。自分の売上を追いかけるのではなく、医師や患者さんの悩みに寄り添うことで、結果として売上が生まれると言います。

石郷 「“顧客志向”はどんな業界でも聞く言葉ですが、特に医療従事者を顧客とする医療機器の営業活動において実践するのは意外に難しいことです。よく思われがちなのは、お客様に言われたことに対して、全て『はい』と答えて行動すればいいという考え方。これは顧客志向だとは思いません」

顧客に寄り添うということは、イエスマンになることではない。医師や看護師など医療従事者の本当のニーズをきちんと理解し、ベストな提案につなげること。これが、石郷の考える顧客志向です。

石郷 「顧客志向を真に実践するためには、ニーズを理解するためによく話を聞き、それに対して自分なりの考えをはっきり伝えること。その継続の先にお客様との信頼関係があります」

また、近年はチーム内における自身の立ち位置についても意識していると言います。それはリーダーと部下をつなぐ存在。石郷自身はこの立ち位置を、“チームの副キャプテン”と称します。

石郷 「学生時代にサッカーチームの副キャプテンを務めた経験から、キャプテンではなく副キャプテンだからこそできる役割を意識しています。仕事で言えば、キャプテンに当たるマネジャーが直接言えないことをメンバーに伝えたり、逆にメンバーが抱えている悩みに対して寄り添ったりすることです。

ただここで重要なことは、自分は現場で働くプレイヤーであるという意識です。私はマネジメントを行うマネジャーではありません。現場を知っているからこそ具体的なイメージをメンバーに共有できるという強みがあります」

「自分はあくまでプレイヤー」という考え方は、現場で活躍する石郷ならではの言葉です。

日本ストライカーのプライドを感じた経験

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前職でも医療機器の営業を担当していた石郷。そのやりがいから同業種への転職を検討し、最終的にはグローバルカンパニーでチャレンジしてみたいという思いのもと、日本ストライカーへの入社を決意。しかし、転職活動をはじめた頃は日本ストライカーを避けていたと言います。

石郷 「グローバルカンパニーとなると高飛車なイメージがあり、無意識に避けていました。ただ、実際に選考を受けてみたところ、会う方一人ひとりから“個の強さ”を感じたんです。それだけではなく、しっかりとしたマネジメント体制も刺激的で、ここで働くことが正解だと感じました」

入社後、石郷にとって印象的なエピソードがあります。

 膝の半月板修復手術で用いられる縫合用機器が日本で上市され、石郷が売上に貢献。2019年、その報奨旅行として、当時は石郷が所属する事業本部長で現代表取締役社長である水澤とともにアメリカのストライカー本社を訪れました。その際に見た、アメリカ本社メンバーと水澤のミーティングシーンは忘れられない場面だと言います。

石郷 「日本での製品上市のタイミングに関するミーティングだったのですが、水澤の『日本は必ずビジネスで成果を出す』という魂のこもった熱いプレゼンを見て、私も日本ストライカーの一員としてのプライドを持たなければと実感しました」

また、石郷が貢献した半月板縫合用機器の販売実績がアメリカ本社に認められ、その後の新製品において優先的に日本での上市計画が策定されるなど、石郷自身が日本ストライカーに貢献していることを実感する経験となりました。

石郷 「北海道の一人の営業にすぎない自分が、アメリカ本社にインパクトを与えられたという事実は自信になっています」

個人ではなく、チームで挑む“面営業“の意識

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10年連続の売上目標達成とMVP受賞――営業としての大きな成果を得た今、石郷はある危機感を感じています。

石郷 「ここまで結果を残せたのは、“攻めの営業”で、北海道における日本ストライカーの市場を広げてきたことが大きいです。一方でカバーする範囲や業務が増えると手が回らなくなり、他のメーカーにオセロのように市場をひっくり返されるリスクもあります。そのため、次の一手として “守りの営業”も意識しなければなりません」

この“守りの営業”で重要なことは何か。その答えを石郷はすでに導き出していました。

石郷 「私は“面営業”という言葉が好きでして。個の力には限界がありますが、同じ目的をメンバー間で共有し補い合うことで、新たな可能性が広がります。面で営業に取り組むことで、私個人ではなく日本ストライカーが信頼され、ブランドイメージの向上にもつながるはずです」

そう語るように、石郷が今後取り組むのは、チーム連携によるさらなる営業力とブランドイメージの向上です。

今、日本ストライカーのブランド力は、石郷が入社した10年前よりも確実に高まっていると言います。それは「良い製品を売る」会社から、「良い製品を、良い社員が売る」会社へシフトしてきたからではないかと石郷は推察します。

石郷 「日々、お客様からの信頼を肌で実感します。加えて社員自身もストライカーの一員であることを誇りに思うようになりました。私自身も入社当時に『日本ストライカーのブランドイメージを高めたい』と強く思い、努力してきましたので、この実感は感慨深いものがあります」

石郷が達成した10年連続の売上目標達成やMVPの快挙。それは石郷が長年掲げてきた信念が導いた一つの成果です。日本ストライカーのさらなるブランドイメージ向上や売上目標達成の継続に向け、石郷の次なる10年への挑戦はすでに始まっています。