「ニューノーマルはチャンス」 ……顧客との信頼関係で勝負

article image 1

骨折治療に使われる固定具などの医療機器を販売するトラウマ事業部。入社以来17年間、トラウマ一筋の森田がMVPを受賞した理由の一つとして挙げるのが、長い時間をかけて関係を構築し、受注に至ったある新規顧客の存在です。

仮に製品が採用されなくても、ドクターにとって一番話しやすい存在でありたい、何かのタイミングで自分を思い浮かべてもらえる存在になりたい、とコミュニケーションを続けた森田。3年余りの地道な努力が実り、2019年末、ついに日本ストライカーの製品が採用されたのです。

森田 「新型コロナウイルス感染症が拡大する前の数年間は、週に1、2度訪問し、ドクターや看護師との関係性を構築しました。製品情報を提供するかたわら、時には他愛もない話をすることも。

新規採用が決定した直後に新型コロナ禍に見舞われましたが、病院への訪問が困難になっても、信頼関係が崩れることはありませんでした。たとえ直接顔を見て話すことができなくても、安心して自分たちの製品を使ってもらえる関係を築けていると思います」

2020年、それまでの「訪問」を基軸とした営業スタイルに変化が強いられる中、多くの営業社員が「今できることを、地道に」と、知恵と工夫で対応してきました。そのような中、森田はニューノーマル時代を「ビジネスチャンス」と捉え、前向きなマインドを武器に営業活動を展開。

 森田 「頻繁に顔を合わせることができない分、1度の訪問を濃密にすることが大事です。『この先生に会えたらこの製品を紹介しよう』、『限られた時間のなかでこのことは確実に伝えよう』と、これまで以上に事前の準備を重視するようになりました。

新型コロナ禍では、量より質の営業が求められると感じます。他社も訪問が難しい状況は同じですから、この時期に、いかに顧客とより強い信頼関係を築くことができるかが重要だ、と」

立場を越えた「チーム力」で、売り上げに貢献

article image 2

森田の成長を支えたもう一つの柱が、大腿骨骨折の治療に使われるコンピューター支援システムです。森田はこのシステムの拡販に注力する「マスターズ」メンバーのリーダーとして、新規顧客の開拓に尽力しました。

森田 「トラウマ事業部では、主に骨折部位周辺で使われる骨固定のための治療器具をメインで販売しています。一方、コンピューター支援システムには、目新しい、把握しきれないほどの機能が多くあり、営業メンバーの中でも当初は 『扱いが難しい製品』という印象が先行していました。

その現状を打開するため、マーケティング担当者と協力し、説明書を簡略化するなどの工夫を重ねて販売活動をスタート。結果、相次ぐ新規採用につながり、売上に大きく貢献することができました」

森田はMVP受賞の際、お世話になった人として真っ先にマーケティング担当である難波 薫の名前を挙げました。難波は入社6年目の若手社員です。

森田 「年齢も入社年も、一回りくらい違いますが、難波さんには本当に色々と相談にのってもらい、たくさんサポートしてもらいました。誠実でとても尊敬できる人で、彼と一緒にこの製品を売っていきたい。そう心から思えた人でした」

一方の難波は、「1年間一緒に頑張ってきた森田さんがMVPに選ばれ、さらに自分の名前を挙げてくださったことは非常に光栄だった」と喜びを隠しきれません。

難波 「森田さんは『どうすれば営業一人ひとりが自信を持って製品を紹介できるか』、『医療機関で採用されるにはどういったアクションが必要か』など、人一倍強い責任感を持って一緒に考えてくださいました。

トラウマ事業部に異動して日が浅い私にとって森田さんの存在は非常に大きく、そんな森田さんから『一緒にこの製品を売っていきたい』と言ってもらえたことは自分にとって今後も頑張ろうという大きなモチベーションになりました」

ストライカーは、どんな年齢、立場の人とも分け隔てなくフラットにコミュニケーションを取ることができる会社であると森田は語ります。

森田 「これまで15年以上、楽しいチームメンバーや上司、先輩に囲まれ、前向きに仕事に取り組むことを教えてもらいました。その人たちのおかげで今の自分があると強く思います」

上限などない。日々精進。

article image 3

2020年、MVPの栄冠に輝いた森田。しかし、入社直後はなかなか結果が出ず、周囲から「他者貢献度」が高いと評される実直な人柄もあって、苦しんだこともありました。

森田 「周囲の優秀なメンバーを目の当たりにして羨んだり、自分には才能がないと落ち込むこともありました。自分にできることは、ドクターとの関係性をコツコツと構築することだけだったのです」

入社して数年経ったある日、森田が長い時間をかけてアプローチしていたドクターの様子に変化が見られました。

森田 「それまでは少し疑わしい目で自分を見ている様子でしたが、いつの間にかまっすぐに自分を信頼してくれている目に変わっていたのです。結局、日々の積み重ねがすべてだと確信し、そこからは少しずつ結果もついてくるようになりました」

森田が日々の仕事で大切にしている言葉は「日々精進」です。

森田 「経験や実績を積めば積むほど、慣れや驕りが出てしまいがちです。しかし、骨折と一言で言ってもさまざまな症例があり、患者さんの容態も千差万別。自分への甘えが出ないように、この言葉をいつも心に留めています」

森田が「日々精進」をモットーに仕事に取り組むようになったのは、今から10年ほど前のある出来事がきっかけでした。

担当する製品の適正利用のため骨折治療の手術に立ち会った森田。手術は無事成功し、業務終了時に上司に対して「完璧でした」と報告すると、その何気ない一言に上司は「自分に上限を設けるな、これで完璧だと思うな」と厳しく一喝したのです。

そのときは反感を覚えながらも、冷静になるにつれ自身の成長を促す言葉として受け入れた森田。「自信を持つことは大事だが、過信してはいけない、と気づくきっかけになった出来事」と静かに語ります。

森田 「17年目の今でさえ完璧などありません。自分に上限を設けず、現状に満足することなく、より高みを目指すこと。それがひいてはドクターに伝わり、さらに患者さんの回復につながります。後輩たちにもそれを伝えています」

日本ストライカーの「文化」を、次世代へ

article image 4

MVP受賞を機に、入社から現在に至るまでの出来事を振り返ることが多くなった森田。

森田 「入社当初は医療業界のことなどまったく分かりませんでしたが、周囲に影響を受けながら、特別な能力もスキルも無い雑草みたいな自分でもこうして成長できています。

会社が掲げるミッションやバリュー、目指すべき姿もずっとブレない。日本ストライカーには、本当に誇りを持って仕事ができる環境と、ともに切磋琢磨できる仲間が揃っています」

森田が所属する中部リージョンは、13人のメンバーが東は静岡から西は岐阜までカバーし、日ごろ直接顔を合わせる機会は限られています。新型コロナウイルス感染拡大前までは毎年の恒例としてメンバー旅行を実施。森田は率先して企画し、皆から慕われる存在でもあります。

森田 「一緒に働く仲間のおかげで今の自分があることを互いに感謝し、チームワーク醸成の機会にしようと、企画してきました。新型コロナウイルス感染症が収束したら、ぜひまた再開したいですね」

経験や実績を積み重ねた森田にこれから求められるのは人材育成。森田は2021年から次世代リーダー向けの研修プログラム「Young Lions」にも参加するなど、精力的に活動しています。

森田 「最近は、自分がこれまで支えられ、恩恵を受けてきた日本ストライカーの『文化』を次の世代につなげていきたいと思うようになりました。
日々のふとした気づきや情報を、チーム内にメールで発信したりしています。トラウマ事業部での仕事は、毎日新しい発見があります。自分の経験が若い社員のためになれば嬉しいですね」

顧客を想い、仲間を想い、そして後輩を想うトップセールス・森田。日々の業務を通じ、医療従事者とともに医療の向上を目指すため、自らも「上限なく」成長し続けることでしょう。