過去にスタッフもプログラム発表も経験。今回は、まだ経験のないNETCONに挑んだ

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※在籍年数や役職を含む記載内容は、取材当時(2022年3月)のものです。その後、状況が変化していることがあります。

──改めまして、NETCONでは4位入賞おめでとうございます!大会中に送られてくる城田さんの途中経過に関する社内投稿をドキドキしながら見て、応援していました。

今日は、NETCONに関するインタビューですが、最初に城田さんのバックグラウンドについて紹介をお願いします。エンジニアとしての経歴やJストリームでの業務内容を教えてください。

城田:私はもともとネットワークの仕事に携わりたくて、Jストリームへ入社しました。2022年4月で、入社10年目になります。Jストリームを知ったきっかけは、学校に置いてあったパンフレットでした。パンフレットを見て、JストリームがCDNを作っている会社だと知り、新卒求人への応募をしました。

現在の業務内容としては、インフラ部門のテックリードとして、主に対外接続の設計から構築、トラフィックコントロールやロードバランサー関連を担当しています。大規模なトラフィックを扱うJストリームにとっては、ルーティングとロードバランスはとても重要です。なるべく自動的に最適な配信ができるように日々工夫をしています。

また、Kubernetesという、コンテナオーケストレーションツールの導入と運用も手掛けています。Kubernetesは、Jストリームのライブやトランスコードといった動画の処理回りで主に使用するツール。アップデートが頻繁で、難しい部分もありますが、開発が進んで最近はIPv6にも対応しましたし、とても興味深い技術です。業務範囲は幅広いですが、ひと言で言うと、インフラのコード化まわり全般に関わる役割を担っています。

──城田さんは、過去のJANOG Meetingにおいても会場での発表や、スタッフ参加も経験していますよね。今回、NETCONに参加した理由は何ですか?

そもそもJANOGとは、インターネットにおける技術的事項およびそれにまつわるオペレーションに関する事項を議論、検討、紹介することにより日本のインターネット技術者や利用者に貢献することを目的としたコミュニティです。 JANOG Meetingは、そのコミュニティで年に数回開催されるイベントです。

実は今回初めて、いわゆる「コンテスト」であるNETCONに参加しました。JANOG Meetingではスタッフも経験し、プログラムの発表もしました。ひと通りやってきたのですが、「NETCONはまだやってないな」とふと思い、「ならばやろう」と思い立ったのです。

2日間で14問を解く。実際に発生するトラブルを想定した課題は解き応えたっぷり

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▲城田が取材当日着ていた、JANOG43 Meetingのパーカー

──NETCONは、具体的には、どのような内容なのですか。

NETCONは、ネットワークに関するトラブルシューティングをするコンテストです。丸2日間かけて、13問+現地問題1つを解いていきます。

具体的には、複数のネットワーク機器(スイッチやルーター)がシミュレートされた環境があるのですが、その中にうまく動いていない部分が組み込まれています。その問題の原因を調査し、どう直していけばいいのかを回答していくというのが、コンテストの内容です。

実際にネットワーク機器の設定を変更し、通信できるように変更を加えます。正しく回答できると、それぞれの問題に応じて点数がもらえて、最終的にその点数を競います。今回の参加人数は、約50人でした。

参考情報:NETCONとは
NETCONでは、実際にトラブルが発生しているネットワーク環境を参加者に提供します。トラブルの原因を見つけ解決に導いてもらうことで、トラブルシューティングの勘を高めて頂く、という趣旨の企画になります。
-引用:“NETCON”への意気込み

 ──NETCONは初めての経験で、手探りだった部分もあったと思います。実際に参加してみていかがでしたか?

回答をチェックする人は大変だなって、思いましたね(笑)。あとは、身近に起こりやすいトラブルと言いますか、実際に現場で遭遇しそうな問題が多かった印象ですね。具体的にはMTUが合ってないとか、戻りのルートがないとか。

また、問題の幅が広かったです。単純に数値を答えたりする問題もあれば、“新人さんからの相談に文章で答えていく”という設定の問題もありました。その場合は、「具体的にここがおかしいから、こうすると直りますよ」といった回答をしましたね。

未知の分野も調べながら解き進め、「ダメかもな……」と思いながらも4位入賞

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──参加してみて、どの辺りが一番おもしろかったですか?

直していくのが好きなので、私としては全体的におもしろかったですよ(笑)。インフラエンジニアって、通信が通るっていうことに喜びを感じますから。

しいてあげるなら、難しくもありましたが、MPLSと呼ばれる技術に関するものですね。MPLSは、普段のJストリームのネットワークでは使わないので、仕組みなどを調べながら解いていきました。

MPLSはいろんな技術の組み合わせで構成されているので、幅広い知識が問われます。普通にルーティングプロトコルとしてもOSPFとEGPとIS-ISを組み合わせた上で、さらにMPLS自体の設定もしていくのですが、その中のポイントポイントに丁寧に問題が用意してあって。そちらがちゃんとわかってないと、解けないようになっていました。解き応えのある問題で、とてもおもしろかったです。

──エンジニア50人の参加中4位入賞とは、かなりの上位結果ですね。

最初に配点を見て、全く知らないMPLSに関する問題の配点が非常に大きかったので、「ダメかもな……」と、一瞬思いましたね。そこで、MPLSの問題を解くのは最後に回して、他の問題を解答していたのですが、最初の方は意外にもトップでした。リアルタイムで採点されるのでレースみたいですね。案の定、終盤になると急に大きな点差で抜かれてしまったのですが、追いつこうと頑張って、結果4位というところです。

支えや応援が入賞への大きなアドバンテージに。次回は、より高得点を目指したい

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──NETCON出場に関連し、Jストリームの魅力として何か感じられましたか?

こういうイベントもそうですが、自発的にやりたいと思ったことをやらせてもらえるところが、魅力だと思います。今回で言えば、私は業務時間中にイベントへ参加させてもらいました。また、部署のメンバーが応援してくれたこともうれしかったです。

──Jストリームの他のメンバーやそれ以外のJANOGの方も含めて、NETCONのおすすめ度はどのくらいですか。

ぜひとも参加してほしいです。10段階で言うと10です。

やはり実際にありそうなシチュエーションで、実際の機器を使って、トラブルシュート体験できるのは、貴重な機会です。また、50人ものエンジニアが同時に競うなんてことも、めったにありません。そんな環境で、自分の実力を試すことができるのは大きなチャンスだと思います。

難易度も先ほどのMPLSのような、ものすごく高いものから、新入社員に教えるシチュエーションとか、そういうレベルものまであります。全く解けなくてつまらないことも、簡単すぎてつまらないこともない、素晴らしいコンテストだと思います。私も、次回以降も参加できればと思います。より高得点、上位を目指していきたいですね。

──次回も活躍を期待しています。今日はどうもありがとうございました。

 【関連情報】
JANOG49  NETCON案内ページ
JANOG49 Meeting(2022年1月26日~1月28日鹿児島にて開催済)
JANOG50 Meeting(2022年7月13日~7月15日函館にて開催済)