“エンジニアをリスペクトする姿勢”に惹かれ、誰かの役に立てるならば、と入社を決意
──まずはJストリームに入社した経緯を聞かせてください。
転職を考えていたときに、たまたまエージェントに紹介された1社がJストリームでした。前職でも動画事業を手掛けていたので、Jストリームの存在は知っていたものの、「サービスを組み合わせているだけの会社」という印象でした。この時点では、正直なところ強い興味は持っていなかったです。それが、変わったのが面接でした。
当時、Jストリームでは、老朽化したシステムに危機感を募らせ、技術環境の刷新は喫緊の課題でした。実際に面接を受けたとき、経営陣はそれを隠そうともせず「時代に即した技術環境と組織にしたいが、できる人がいないんだ」と私に相談したのです。その際の、経営陣からの「きてもらわないと困ります」というまっすぐな目を見て、心から「すごいな」と思ったことを覚えています。
また話の内容から、代表の石松をはじめとする経営陣が、しっかり現場を見ようとしていること、エンジニアをリスペクトしていることも感じました。自分が求められている場所で、誰かの役に立てるならと思い、入社を決意しました。
──経営陣が外部に助けを求めなければいけないほどの課題とは、なんだったのでしょうか。
Jストリームは、私が入社した2017年当時、20周年を迎える会社でした。技術の変化という視点で見ると、それ故に20年分の技術的負債が溜まっている状態。20年いる社員にとっては働きやすい仕組みにはなっているものの、組織全体を見るとさまざまな非効率が生まれていたのです。
たとえば、マニュアル通りにやっても動かないため、他のエンジニアに聞いてみると「マニュアルには書いてないけれど、こうやるんだよ」と言われました。手順が変わっても、みんなが知っているからと暗黙知化し、マニュアルを修正していなかったのです。
それに加え、なぜその手順なのか誰も理由を知らないことも、エンジニアにとって致命的でした。システムを変更したときに、どこにどのような影響があるかわからなければ何も手をつけられません。結局、下手に修正できないため、言われた通りのことしかできない状況でした。
社内の暗黙知を減らすことで、エンジニアが安心してチャレンジできる環境に整える
──課題をどのように解決していったのですか。
まずは、サービスとシステムを分離させ、開発基盤においてインフラのコード化を行いました。フロントやバックエンドの開発エンジニアには、サーバーをビルドするためのコードを自分で書くようにお願いしました。
開発者がインフラをビルドするコードを書けば、「コード」という共通言語ができます。コードを見れば、インフラエンジニアも「これだとセキュリティが弱いので、ここを直しておきました」というコミュニケーションがとれます。そうやって共通言語ができたことで、コミュニケーションが円滑になったのです。
──コミュニケーションが円滑になれば、先ほどの「暗黙知」も減りそうですね。
暗黙知が減ると、エンジニアがチャレンジしやすくなります。暗黙知が多い状態では、開発エンジニアは迂闊にいじれません。システムを触っても問題が起きないのがわかって初めて、開発エンジニアたちは安心してさまざまな工夫ができるのです。
以前は、どこを触ればどこが動くのかといったことは、社歴の長い人しかわかりませんでした。今はコードが読める人なら、自分で調べてわかるような仕組みになっています。そのような環境が整って初めて、開発エンジニアたちにひらめきやチャレンジしたい気持ちが生まれてくるのです。
──新しいことにチャレンジする開発エンジニアも増えたのですか。
増えています。これまで当たり前のように行われていたことに対し、たとえば「ソース管理をSubversionでやっていたけど、Gitのほうが使い勝手がいいので変えたいです」とか「仮想環境で立てていたものをコンテナで立ててみたい」など続々と意見が出るようになりました。どうなるかわからないから言われた通りにするしかなかったのが、自分で考える姿勢が見られるようになりましたね。
Jストリームは、高い難易度と大きな案件に挑戦でき、技術力も試していける場所
──2023年2月現在はCTOの席が空いていますが、将来的に大川さんがCTOになるのでしょうか。
いえ、CTOになるつもりはありません。私はこの会社で3年働いていますが、10年働いた人からすれば、最近入社してきた人です。Jストリームには新卒入社メンバーも多くいますし、中途入社で加わりJストリームが持つ可能性に長きにわたって挑戦し続けている人もたくさんいます。
CTOは長年会社に貢献してきた人が担うのがよいのではと考えています。 私はVPoE(Vice President of Engineering)として、採用と教育に力を入れていきたいですね。
──Jストリームに入社するとどのような成長ができるのか教えてください。
入社直後は基礎的な技術を学んでもらいます。具体的にはInfrastructure as Codeやコンテナ技術など。あえて普遍的な技術を使っているので、世の中のトレンドにあわせて開発を勉強している人には、なじみやすい環境だと思います。
土台が固まったら次は特殊性です。つまり、Jストリームならではの技術領域ですね。Jストリームが扱っている動画は、巨大なデータ量を持ち、かつ時間軸があります。この「大容量性」と「リアルタイム性」はエンジニアリングの難易度トップ3に入るくらい難しいものです。加えてJストリームは日本屈指の大きな案件に数多く携わっています。開発者が担うクリアすべき課題は、ハードルが高いと言えます。
──そんな大きな案件を扱っているのですね。
そうですね。たとえば、日本における歴代の大規模配信をはじめ、顧客にはメディアやコンテンツプロバイダー、スポーツやエンターテインメントでの大規模イベント、大手企業なども多いです。誰もが知るような有名イベントや案件では、同時に非常に多くの方が視聴するので、緊張感もひとしおです。
仮に1万人が接続できるプラットフォームを設計しても、実際に1万人が同時に視聴する案件でなければ設計の正しさを実証できません。Jストリームならば、最先端かつ大規模な動画配信において、自分の技術が本当に通用するのか試せます。
年齢を問わず挑戦し続けられるからこそ、エンジニアという“生き方”を求める人が集まる
──Jストリームで働くおもしろさについて教えてください。
いつまでもチャレンジし続けられる環境があることです。動画市場はものすごい勢いで市場が成長している上、技術革新が激しく、次々と新しい技術が生まれています。4、5年で技術が入れ替わることもよくあることで、常に新しい技術を学び続けなければなりません。
そのため、前述の開発基盤では、モダン開発をベースに必要な部分だけを素早く更新できるようマイクロサービスアーキテクチャを使用しています。小さな機能をたくさん作って連携させることで、開発者にとってチャレンジしやすく、かつ開発スピードも高められるようにしています。
──仕事の幅という点ではどうですか。
Jストリームは動画配信を軸に、ワンストップでサービス提供することにこだわってきました。ネットワークの物理層からアプリケーション層まで関わり、フロントエンド、バックエンド、インフラ、データ分析など幅広い職種のメンバーが集まっていることで、サービスを担うプラットフォームを自社で開発・運用できています。開発工程では、各エンジニアが上流から下流工程まですべてを担当します。
新しい技術に挑戦できる土壌はできあがっていますので、常に学びを続けてチャレンジをしていたい人には、望むような環境を用意できるはずです。
──動画領域が得意な人、好きな人が向いているのでしょうか。
そうとは限りません。社内のエンジニアを見ても、常にチャレンジし続ける環境を求めていたら、結局動画領域に行きついた人ばかりです。
そのため好奇心の強いエンジニアが多いのが、当社の特徴。エンジニアを「職業」ではなく「生き方」にしている人が多いので、空いた時間があれば仕事でなくてもコードを書いていますし、寝ても覚めても技術のことばかり考えていますね。
──好奇心の強いエンジニアにJストリームをおすすめするポイントはありますか。
Jストリームでは、これまで一定の年齢を超えたらマネジメントをお願いしていました。しかしエンジニアの中には、年齢を重ねても現場で開発を続けたいという想いを持っている方が少なくありません。
その状況に課題を感じ、エンジニアを対象に新たに「プロフェッショナル人事制度」を導入したのです。挑戦し続けられる環境は用意しているので、ぜひJストリームで技術を磨いてほしいですね。
──最後にエンジニアにとっての、Jストリームの魅力を教えてください。
代表の石松は営業出身なので、エンジニアリングの詳細な部分については専門外になります。だからこそ、エンジニアに対する理解とリスペクトがあります。また、実力さえあれば新卒社員が入社半年でひとり立ちしたり、数年で開発の中枢を任せられたりするなど、年齢を問わない考え方が浸透しています。
今は動画の事業をメインにやっていますが、この先、動画の技術を使ってさまざまな領域にもチャレンジしていくはずです。経営陣のエンジニアへのリスペクトと、安定した経営基盤があるからこそ、新しいことにも挑戦でき、エンジニアが成長していけるのです。