小学生の頃にはパソコンや自転車を分解していましたね

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▲いまでも機械の内部や駆動の仕組み、制御の方法などが気になります

パソコン、自転車、ブラウン管テレビ……。小学校5年の頃から引越しで要らなくなった物などを分解していました。「どんな部品が入っているんだろう」「どんな仕組みで動いているんだろう」という好奇心を抑えきれなかったんです。見えないところを見たい、知らないことを知りたいという気持ちが人一倍強かったんだと思います。

ただその頃の好奇心の対象は機械だけではありませんでした。特に友達への関心は強かったですね。友達は自分の知らないことを知っているし、自分が考えないようなことを考えている。だからたくさんの友達をつくり、その友達とできるだけ一緒にいたいと思っていました。誰かがサッカーを始めたら自分もサッカークラブに入る。そんな感じでした。

いろんな友達から刺激を受け、好奇心はさらに広がっていきました。もともと体を動かすことも好きで、小学校高学年から中学校にかけては、サッカーの他に水泳、空手、合気道、野球などにも挑戦。運動だけでなく本を読むのも好きで、特に歴史には興味を惹かれました。もちろん「機械好き」も継続中。新しいことや未知の分野への探究心のようなものが、この頃にどんどん培われていったような気がします。

好奇心が強すぎて、ちょっと遠回りもしましたが……

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▲何にでも興味を持って挑戦していた10代が、いまの私をつくっているんだと思います

周りからは「スポーツ、読書、機械など、何にでも興味を持っている人」と思われていたようです。中学3年の進路相談では担任の先生に「結局、君は何がしたいんだ?どこに行きたいんだ?」といわれる始末。でもいちばん興味があったのは、やっぱり機械ですね。最終的に電子工学科のある高校へ進学することにしました。

高校の授業はとにかく楽しかったですね。ちょうどスマホが普及し始めた頃でした。それがソフトで動いていることを知り、機械への興味がますます強くなりました。思い出深いのは地面に線を引く「ライントレーサー」という機械を作ったことです。機械的な仕組みを制御ソフトで動かす。そんな「モノづくり」の楽しさを覚えた瞬間かもしれません。

そのままモノづくりの道へ進めばいいのに、今度は強すぎる好奇心が邪魔をします。大学進学時に先生から「新設の大学に金融経済学というこれまでなかった学部が開設されるが、興味はないか?」と聞かれ、思わず「あります!」と答えたんです。新しくできる、これまでにないというワードに「知りたい!」というアンテナが反応。その新学部に進みました。

金融経済学はとても新鮮で、特に統計学的な勉強がおもしろくて、「これはこれで楽しい!」と充実した大学生活を送っていました。しかし経済的理由もあり、2年でやむなく退学。働かないといけないと思っていた頃、高卒で自衛隊に入っていた友達から「島田も入らないか」と声をかられました。もちろん自衛隊も「知らない世界」。興味をそそられ入隊を決めました。

チャンスをくれたスタッフサービス・エンジニアリング

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▲スタッフサービス・エンジニアリングとの出会いが、エンジニア人生の第一歩です

自衛隊の仕事は最初から2年ごとの任期と決まっていました。車両整備などを希望していた私は、最初から後方支援部隊に配属され、思い通りの仕事に就くことができました。トラック、ダンプ、ショベルカーなど大型車両の整備はどれもおもしろく、ここでまた「機械好き」の血が騒ぎましたね。ただ戦車に触れなかったことだけが、ちょっと心残りです。

2年満了時に「続けますか?」と声をかけていただきましたが、気持ちは「辞める」の一択でした。このままでは自分のキャリアが自衛隊だけになってしまう。一般社会でも働いてみたい。企業で本格的にエンジニアを目指したい。そう考えたんです。ネット化・IT化が加速する時代、技術やサービスを提供する側の仕事に魅力を感じていたのも理由の一つでした。

強い気持ちで転職活動を始めましたが、未経験者を技術職で採用してくれる会社は多くありませんね。技術系の派遣会社2社とメーカー1社を受けましたが、面接で全滅。そんな中、4社目に受けたのがスタッフサービス・エンジニアリングです。とにかく案件が豊富で、未経験からの挑戦を積極的に支援していると聞き、ここならやりたい仕事ができると直感しました。

無事に入社し、就業先が兵庫県の電子機器メーカーに決まり、エンジニアとしての一歩を踏み出しました。開発するのは「カメラで雲を分析して日射量を予測する機械」や「空気中の水蒸気から降水量を予測する機械」。頭の中に10個くらい「?」が飛び交いましたが、わからないのは当たり前。むしろ好奇心が掻き立てられるばかりでした。

まだ世の中にない機器の開発にワクワクが止まらない

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▲「新しいことをどんどん吸収したい」という好奇心を満たしてくれる制度も充実しています

就業先は気象観測システムでも知られるメーカーです。いま担当しているのは、ゲリラ豪雨や線状降水帯の予報に役立つ最先端の観測機器のプロトタイプ。完成すれば、ピンポイントで避難勧告などを出せるようになり、多くの人の命を救うことができるかもしれません。その図面作成から、部品選定・調達、製造との調整、試験・検証まで、幅広く関わらせてもらっています。

エンジニアは専門分野について「知っていて当然」というイメージを持っていました。でも実際はベテランでも知らないことが多い。ただし知らないまま済ませる人はいません。みなさん日々勉強し、常に「よりよくできないか」を考えているんです。知らないことを探求するのは、私の最も得意とするところです。

就業先は先輩に何でも聞ける環境ですし、スタッフサービス・エンジニアリングは、eラーニング、社内外研修、資格取得支援、書籍購入補助などの制度も充実しています。私もeラーニングでPythonを入門レベルから勉強し、社内講習で3DCAD利用技術者2級の取得支援セミナー、3次元CAD/CAM/CAEの入門講座などを次々に受講。そこで得た知識・スキルを活かし、製造現場で日々の小さな改善や効率化を進めたことで、優秀エンジニアとして表彰されるまでに成長できました。

まずは正確な豪雨予想を実現させる機器をつくり上げることが目標ですが、完成すればこのプロジェクトも終わりを迎えます。その時はまた自分の興味・関心を軸に、やりたいことを探すつもりです。スタッフサービス・エンジニアリングには、機械だけでなくシステムやソフトウェアなどさまざまなIT系の案件もあります。その中でどんな方向に進むかは、その時の自分の好奇心に委ねればいいと思っています。