営業時代の成功と失敗を経験して得た社会人としての成長

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幼いころは5歳年下の妹の世話をよくする面倒見の良い兄だったという島根。少年時代に流行した漫画の影響もあり、小学校から高校までバスケットボールに打ち込んでいた。高校3年生のときに一転、1日12時間を超える受験勉強に励み、希望校に合格できたという。

島根 「努力して入った大学でしたが、学生時代に一番頑張ったことは居酒屋のアルバイトでした。始めて半年でバイトリーダーになり、卒業までの4年間働きました。バイト漬けの毎日で、新卒の時は就活もあまりやってないので、いま新卒採用に携わってることが不思議ですね(笑)。ただ、良いように言うと、当時からやろうと決めたときの継続力と集中力は強みだったのかもしれません」

大学を卒業してからは、大手旅行代理店に就職し、カウンターセールスとして自身の社会人人生をスタートした島根。営業成績にはこだわりを持って取り組み、成績は毎月目標120%以上の達成率だったと自負している。常に営業成績トップとして結果を出すための工夫をし続け、確実に売上につなげていった島根にはリピーターのお客様も多く、リピーターだけで目標達成できるときもあるほどだった。

島根 「個人の営業成績は、正直良かったですね(笑)。お客様が旅行を決める上での判断軸や決定権はどこにあるのかを常に観察していました。たとえばハネムーン。お客様はハネムーンに行きたいんじゃなくて、そこで得たい目的があります。

どんなひと時を過ごしたいのか、どんな体験をしたいのか、旅行に行く真の目的を探り出して提案していました。どこに本質的な目的があるのか、誰に決定権があるのか、若いうちから営業の最前線に出てビジネスの基本を学べたことは大きかったと思います。

何度もご利用いただくお客様からの電話には「〇〇様、お電話ありがとうございます」や「いつもの〇〇行きの●●便ですね」と、こちらが『覚えている』というのが伝わるととても喜んでくださって、ありがたいことに予約の際に指名してくださるリピーター様も多くいらっしゃいました」

こういった細かい気遣いや心配りの結果、リピーターはどんどん増えていった。しかし、上手くいくことばかりでもなかった。

マネジメント方法を模索した初めての管理職

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個人の営業成績が評価され、島根は入社から5年目で同期の間では早く営業所長となり、店舗をまとめる立場になった。営業所長1年目は、部下の生活や人生を背負っているという責任を強く感じすぎてしまい、ミスを徹底的に排除するために、部下の行動を逐一チェックし、きめ細かく指示をするマイクロマネジメントを行っていたという。

そんなとき、島根は個人の特性や強みを考え、的確なポジションや業務を任せる重要性を学ぶことになる。

島根 「自分が細かく管理し全てに指示を出す店舗運営を行うことで、確かにミスは減ったし、売上もある程度は伸びてきました。でも、店舗の空気は良くなくメンバーが楽しそうに働いてない。指示をされたこと以外動かない。なんとなく違和感がありました」

島根がマネジメント方法を変えるきっかけとなったのは、なかなか営業として結果を残せていない部下との世間話の中で出てきた話だったという。

島根 「どうしても営業成績が伸びない新卒社員に、セールストークを何度も何度も指導しましたが、全く成果が出ないときでした。その彼と腹を割って話そうと思い飲みに誘ったんです。相変わらず同じことを繰り返し話す私に、彼は勇気を振り絞って話してくれました。

『自分は営業は向いていないけれど、他の人たちをサポートする役割なら役に立てるかもしれない』と。彼の発言に、一瞬頭が真っ白になりました。営業職なのに、営業を放棄したように思えたのです。ただ他に活路も見いだせなかったため、諦め半分で彼のやりたい通りに1カ月間やらせることにしました。

すると彼は次の日からさまざまな制作物に取り組みました。知らなかったのですが、デザインや制作に強みがあったんです。他のメンバーがお客様にもっと旅行商品を案内しやすくできるように、自分が行ったことがある観光地のオリジナル冊子や、おすすめ商品がわかりやすいポップを次々と作り始めたんです。その活き活きとした姿に驚きました。

彼のおかげで予約が取れやすくなったメンバーは彼に感謝の言葉を述べるようになり、店舗の空気は次第に良くなりました。私が苦手だった店内装飾も取り組んでくれたので、来店数も向上していったんです。店内装飾と空気の改善、私にできなかったことを二つもやってくれました。彼には叱ってばかりだった私も、深く感謝をするようになりました。

なぜかしらこのことがきっかけに、彼自身の営業成績も伸び始めました。今思うと苦手なことばかりを指摘されていたときは委縮してしまい本来のパフォーマンスを出せなくなっていたのだと思います。営業成績も伴った彼は、この後昇進していったことはいうまでもありません。なぜか同時期にプライベートもうまいこと運んで、嬉しい報告もありました!

彼からは、強みを伸ばしたり活かしたりすることで、弱みまで補えることを学ばせてもらいました。『それぞれの個性や特性を活かして成功を経験することで、人は仕事を通じて人間としても成長するし、人生も豊かになるんだな』とこの時に初めて感じました。この経験から『育成』に興味を持ち始め、人事のキャリアにつながったんだと思います」

いくつかのキャリアをつないで運命的に出会ったエスプール

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島根 「人の育成にフォーカスをして店舗マネジメントをするうちに、人事部への異動が命じられました。最初は戸惑いましたが、人事部に異動になってからは、人事領域の幅広い業務を経験させてもらいました。

数年後、BtoCの企業からBtoBの企業で働くことでより人事のキャリアを積みたいと考え、広告会社の人事として転職。そこでは4年ほど新卒・中途・障がい者の採用や、新人教育・全社教育など、いわゆる人材開発の領域を経験しました。たくさんの学びがあり、日々やりがいも感じていましたが、ある紹介会社から魅力的な新規事業に携わる仕事のオファーがあり、3社目の転職を決めました」

この3社の転職がエスプールへの入社につながる出来事となる。

島根 「初めて『その事業をやってみたい』と思い飛び込んだ3社目でしたが、約半年程という短い期間で終えることになりました。理由は、自身の新規事業に関する経験の少なさと、能力の無さ、それから会社や周囲との『価値観』の大きな違いを感じたからでした。

新規事業の経験が少ないので簡単ではないことはわかっていました。ただある程度キャリアを積んできて、こうやればうまくいくだろう、という自信もありました。しかしながら、会社という組織に属して働く以上、その会社や一緒に働く人と『価値観』が合うかどうかは思った以上に大切なことに改めて気づきました。

ただ、『価値観』が合わないからといって半年で転職をするなんて絶対ダメだという想いがあったので、本当は転職をするつもりはなかったんです。先ほども申し上げた通り『継続力』は私の強みでもあると思っていたので(笑)」

そんな状況の中、登録しただけになっていた転職サイトにメッセージが届く。エスプールの人事本部長の米川からだった。転職をするつもりはないことは事前に伝えた上で、一度会ってみることになった。

島根 「面談では私が話すことを真摯に聴いてくれ、気づけば初対面にも関わらず色々な悩みや本音を話してしまっていました」

島根が転職を決意した米川から発せられたのは「本気でやって、本気で考えたのであれば、このチャレンジは失敗だったと早めに判断をすることも大切なんじゃないですか?」という言葉。これまで自身では考えたことのなかった考えに衝き動かされ、エスプールという会社がどんな会社なのか興味を持ったという。米川とはその後何度か面談を重ね、仕事に対する双方のポリシーや、人事職や採用活動に関する考え方のすり合わせを行い、エスプールへの転職を決意した島根。

「働くことにもっと豊かさ」を感じてもらいたい。一日の大半を仕事をして過ごす中で、時間を切り売りするような働き方はしたくないし、一緒に働く人にはそうさせたくない、そういう想いが島根の中にある。働くことを通じて見識や経験が高まり、人間としての成長もしていく。もちろん経済的にも豊かになっていく。それを島根は「働くことの豊かさ」と表現する。


今後のビジョンについて

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島根は2022年8月現在、自身の今までの経験すべてを活かして採用活動に取り組んでいる。

島根 「今後エスプールで実現させていきたいビジョンは2つあります。1つめは全社の採用計画の達成です。採用のプロフェッショナルとして、8社あるグループ会社各社の事業戦略・人事戦略を踏まえた上で、実現させたいですね。

2つめは自分自身の成長を含め、チームメンバーの成長を通じてチームの力を最大化させていくこと。私が採用活動を行う中で大切にしていることは、その方がエスプールグループで働くことによって今より何らかの『働くことの豊かさ』を感じてもらえそうかどうかです。

エスプールグループには企業をご支援することで社会貢献につながるさまざまな事業があります。ただ私の経験からすると素晴らしい事業があるからといって、その会社でうまくいくとは限らないかもしれません。その会社や一緒に働く人たちと、少なくとも仕事に対する『価値観』は合うかどうか、それは双方でしっかりと見極めていく必要があると思います。それが採用活動や面接だと思っています。人生を大きく左右する可能性のある入社に関わる採用従事者として、皆さんの就職活動や転職活動を支援できたらなと考えています」

 島根はこれからの想いと経験を活かし、エスプールグループで採用活動に邁進していく。