入社後に直面した最初の壁。発想の転換が開いた突破口

▲新入社員の時の写真(中央が桂本)

【東大式エゴグラムとは】

自己分析手法の一つ。50の質問に答えることで、5つの自我状態を可視化したグラフを得ることができる。5つの自我状態であるCP(責任感が強く厳格)・NP(思いやりがあり受容的)・A(現実的で理想的)・FC(明朗快活で創造的)・AC(感情を隠し遠慮がち)のバランスから性格を割り出す。

桂本 昌輝は2017年にエスプールに入社した。彼の就職活動の軸は「成長できる環境で働くこと」。2カ月間という短い就職活動の中で見つけたエスプールはまさに理想的な企業だったという。

桂本 「エスプールはポートフォリオ経営(複数の子会社を有して多角的な経営をすること)をしているので、さまざまな業種、環境で働くことができます。入社直後からたくさんのことを経験できるのが魅力的でした」

桂本が最初に配属されたのは、エスプールヒューマンソリューションズ(以下SHS)だった。ここで彼は、看護や保育などの人材を紹介するコーディネーターという業務を任されることになる。桂本は業務に対して真摯に取り組み、一日に300件ほどの電話をかける忙しい日々を送った。

桂本 「とにかく成長したいという思いが強かったことを覚えています。最初は質よりも量をこなすことが優先だと考えて取り組みました」

しかし、入社して2、3カ月で最初の壁が現れた。

桂本 「新人って、やれることが限られているじゃないですか。どんどん活躍して結果を残したかったので、言われたことをするしかないという立場はつらかったですね」

冒頭でも述べたように、桂本の性格検査で高い値が出たFCには自由度の高さを好む傾向がある。彼にとって、上司に管理される新人という立場は最も苦手なものであった。自分が何のために仕事をしているかわからなくなるのは、多くの新社会人が通る道だ。そんな壁を桂本は、仕事の解釈を変えることで乗り越えたという。

桂本 「内容が決まっている仕事であっても、業務のスピードを追求するなど工夫をしました。事務的な作業は、PCスキルを磨くことができると前向きに捉えて取り組みました」

桂本は、仕事への見方を変えることで自身のモチベーションを高めることに成功した。この後も派遣事業などを行いSHSには1年ほど勤続する運びとなった。

“成長できる環境”とは?──ギャップに悩む日々の中、突然訪れた転機

▲台湾での同僚たちと(桂本は左)

その後、桂本はグループ会社であるエスプールロジスティクス(以下SLG)に異動し、事務の仕事を与えられた。ここでも工夫を凝らしながら業務をこなす中で、決まりごとや制度に対して疑問を感じることがあったという。そんなとき、桂本は感じた疑問を積極的に口にした。

桂本 「私は言いたいことははっきりと言うタイプなので、少しでも変えたほうが良いと感じたことがあればすぐに言葉にします。他の会社では煙たがられてしまうかもしれませんが、エスプールはそんな意見を歓迎してくれました」

能動的に仕事に取り組んだ桂本だったが、やがてある想いが心を占めるようになる。

桂本 「だんだんとルーティンワークが自分に合っていないのではないかと思い始めました。確かに事務は大切な仕事です。しかし働いていくうちに、入社したときの軸であった『成長できる環境で働きたい』という気持ちが強くなってきました」

彼は、その想いを上司にぶつけた。

桂本 「上司は私の話をしっかりと受け止めてくれました。そして、もともとエスプールには適材適所という考え方が強かったこともあり、事務の仕事を2か月ほど行った後は営業として働けるように図ってくれました」

こうして桂本はSLGで営業に職を変え、1年間働いた。ここで彼は課長というポジションにまで上り詰める。自ら起こした行動が会社に認められ、まさに実を結んだ結果といえるだろう。

そんな桂本にやがて転機が訪れる。2019年の12月に、社内で台湾に子会社を作る話が持ち上がったのだ。大学生時代に海外旅行や留学を経験した桂本にとって、願ってもないチャンスだった。

桂本 「まさかエスプールに入社して、海外勤務の経験を積めるなんて考えてもいなかったです。このお話をもらったとき、すぐにやらせてくださいという返事をしました」

こうして、桂本は台湾での勤務が決まった。

台湾への異動──ようやく見つけた“自分らしさ”を追求できる場

▲台湾企業との共催イベントの様子(右から3番目が桂本)

2020年1月、桂本は台湾に渡った。エスプールが台湾へ進出した目的は、日本の商品を台湾で販路拡大することだ。彼は、日本の企業にこのサービスを提案して契約に結び付ける仕事を任された。

桂本 「この仕事には、決められた方法が存在しません。そのため、どうしたら価値を最大化できるのかを常に考えながら仕事をしています」

ずっと求めていた自分の裁量で仕事ができる環境で、桂本は仕事に没頭した。幸い、留学とSLGでの営業経験からアウトプット力を身に付けていたため、自分の経験を存分に生かしながら働くことができたという。

もちろん、苦労したこともあった。

桂本 「当然ですが、現地では台湾人と一緒に働きます。彼らは日本語を理解してくれていますが、育ってきたバックボーンがあるので、物事の捉え方や価値観が違います」

そこで彼が心掛けたのが、指示を簡潔にわかりやすく行うことだ。あまりにも細かい指示をしてしまうと従業員のモチベーションが下がってしまうという問題がある。そこで桂本はバランスを上手く取りながら、お互いの意思疎通を図ることにした。そのためには、自身の努力も惜しまない。

桂本 「仕事で使うのは日本語ですが、私も仕事が始まる前にオフィスに講師を招いて中国語を勉強しています。現地で生活するうえで必要だというのもありますが、もっとお互いの理解を深めたいという気持ちも大きいです」

語学に限らず学ぶことが多い海外での勤務は、成長意欲の強い桂本にとって願ってもない環境だった。彼は仕事の目標について次のように話してくれた。

桂本 「台湾での事業は始まったばかりなので、今後新しい価値を作っていける可能性に満ちています。一方で、今の時代はみんながネットを使っているため、全く新しいものを生み出すことが難しくなっているところでもあります。

この壁を乗り越えて、自分で考えたサービスや携わった事業で、エスプール全体に貢献することが目標です」

エゴグラムで見つけた“本当の自分”──個性を生かしたキャリアを築く

▲20周年を迎えたエスプール

学生時代からの目標であった「成長できる環境で働くこと」を実現した桂本。彼がエスプールに入ることになったきっかけは、Discovalue(ディスカバリュー)というワンデーインターンに参加したことだった。ただ、そのときは現在のような働き方に至るとは考えていなかったという。

桂本 「ワークの後に行われた自己分析の結果を見たとき、FCの要素が高いと知ったときは意外に感じました。自分のことを人に気を遣うタイプだと思っていたので、『自由な子供(FC)』とは全く結び付かなかったのが正直なところです。

ただ、実際に働き始めてからは、自由な環境下での仕事が自分に合っていると感じることが多くあります。今になって、あの結果は正しかったと実感しました」

彼はエスプールの社風についてこう語る。

桂本 「この会社は設立してからまだ20年余りなので、役員も含め若い人が多いことが特徴だと思います。そのため、東証一部に上場していても経営層との距離が近く、風通しがとても良いです。このことは、エゴグラムのどんな因子が高い人にとっても良いことなのではないでしょうか。

また、ひとつの会社に所属しながら様々な職種を経験できるのも、エスプールならではですね」

最後に、桂本は自分自身の目標について話してくれた。

桂本 「どんな環境下でも、時間が無いことを言い訳にせずに勉強する姿勢だけは忘れずに成長していきたいです。今は海外で日本人以外の考え方も取り入れながら働くことができていますが、今後どのような場所でもその姿勢を保ちたいですね」

成長意欲の強さと柔軟な発想力を生かし、台湾で活躍を続ける桂本。FCならではの自由奔放さを武器に、桂本はこれからも、答えのない問いと向き合い続けるだろう。