どん底なときほどかっこつけて背伸びし続けた結果、いつしか周りから仰がれる存在に

▲柔道少年だった長友 大助

昨年2019年の12月2日にエスプールの5つ目の子会社として誕生したエスプールリンクは、人と企業を結び、採用成果向上を実現するソリューションを提供する企業である。

とくに、アルバイト・パート領域にて応募から面接参加までの歩留まり(途中離脱する比率)を改善する、アウトソーシングサービスが多くの企業から評価されている。

そんなエスプールリンクの本社がある秋葉原の神田万世橋ビルの営業部では、今日も営業担当が電話を終えると、天を仰ぎ、「長友さん、マジ神…」と呟く。これが日常風景である。

グループ内の成長事業として注目が集まるエスプールリンク。その中核にあるコールセンターは地方都市に点在している。中でも宮崎県の西都センター長として最前線で闘う長友 大助は、クライアントのみならず社内で期待を超える活躍をしてきた。

長友 「僕は基本、かっこつけたがりなんですよ。見栄っ張りというか。周りから『ださい』と思われないように日々努力しています(笑)」

長友は、エスプールの出世する人の傾向に漏れず、負けず嫌いだ。そして、その負けず嫌いを突き通すための最後までやりきる力は、幼少期の家庭教育によって会得したと分析する。

長友 「小学生1年生のころ、ドラゴンボールの悟空の道着がかっこいいから自分も着たい、という気持ちで柔道を始めました。そんな理由で始めたので、5年生のころには辞めたくなったんですね(笑)。ただ、親には『6年間は続ける約束で始めたのだから』という理由で、許してもらえなかったんです。

数週間くらい練習に行かない時期があったのですが、ふとその中途半端な姿勢が周りに申しわけなく感じて、また練習に出るようになりました。その後は覚醒したように、練習に打ち込んで、県大会でも入賞するレベルまでになりましたね」

小学校卒業後も周囲からはこのまま柔道を続けていくことを期待されていたが、中学ではスラムダンクに憧れ、バスケ部に入ったという。

当然周囲は柔道を続けていくことを推し、全力で反対された。

長友 「ひどかったですよ、お前にバスケができるわけがない、結果を残せるわけがない、散々言われましたね」

長友はそこでも負けず嫌いぶりを発揮。県大会などの華々しい結果は残せずとも、キャプテンまで登りつめ活躍したと言う。

そして高校進学。今度は『アメリカンタイプのバイクが欲しい』という理由で猛烈にアルバイトを始めた。

その後の専門学生時代を経て、数々のアルバイトを経験する中で、興味を持った飲食業へ。当時の店長から引き継がないか、という打診を受けるまでとなった。

この出来事から、長友の人生は大きく変化していく。

感覚でガムシャラにやるのではダメだ。大切なのはリピーターを増やすこと

▲飲食店での店長時代

軽い気持ちで店長となった長友を待っていたのは壮絶な苦悩だった。

お客様からは前の店長の方が良かったと言われる。

スタッフからは信頼されない。

売上は長友が店長になってから右肩下がりで落ちていく。結果が、とにかくついてこない。

奮闘し続けて気付けば3年経過。うまくいかない日々だった。

──このままの感覚でガムシャラにやっているだけじゃダメだ、やり方を変える必要がある──

長友 「それまではただ漫然と『今日も一日頑張って営業できればいい』という想いで過ごしていたことに、はっと気付いたんです。 当たり前ですが、とにかくリピーターを増やさなければ繁盛しない。リピーターを増やすために、まずできることを考えました」

今までは、仕込みが終わったら休憩をしていたところを、近所の会社やお店などに訪問し、店舗のビラ・割引券などを配って回った。一度断られたところにも何度も何度も回った。

そのうち、近所ではちょっとした有名人に。そして、長友が店長になってから7年目には全国各地にあるブランド店舗の全体のうち、常にTOP10の売上を誇るようになっていた。

通常、飲食店がチェーン展開する理由は、収益のしくみに理由ある。1店舗開店したとき、最初は右肩上がりで収益が伸びる。その後一定の期間が過ぎると売上が徐々に一定となってくる。そこで、さらに利益を伸ばすためにもう一店舗開店する、というように展開をしていく。

一方、長友の店舗では確かに店長になった当時は収益が右肩下がりであったが、その後、リピーターを増やしに増やし、収益も常に右肩上がりになったのである。

この経験をもとに、『なぜ売上が伸びるのか』をブランド全体の店長が集う場でプレゼンするまでに。そして、このころには長友に会うために来るお客さんが多くなっていた。

これらの実績が多くの人から認められるようになった長友。店長を始めて8年目に別業態ブランドの新店の立ち上げを任された。大人気焼肉食べ放題のお店で、そこでも常に全国で売上10位以内を出し続けるも、長友の中にはある違和感が芽生えていた。

長友 「食べ放題の形態では、リピーターを増やす自分の持ち味より、いかに早く料理を提供するかが大事です。自分に合っていない気がしていたんです」

飲食店店長の、異業種コールセンター管理職への挑戦

長友 「当時、月の就業時間が320時間以上の勤務で、休みが月に2、3日というのが当たり前でした。子どもも3人となり、年齢も考えるとそろそろ現在の状況に限界を感じていたんです」

そんな中、2018年2月、エスプールが「雇用創出で地方創生に貢献する」という理念のもと、人口3万人に満たない宮崎県西都市にコールセンターを新設するため、管理職の求人を募集していた。

長友 「その情報は偶然知ったのですが、自宅から通いやすい距離にあるところと、完全週休二日制で家族のための時間が確保できるところに魅力を感じました。

でも一番大きいのは、今までの経験を生かしてまったく別職種の管理職にどこまで挑戦できるか試したいという想いですね」

結果は無事採用。しかし、「未経験から始めた業務に当初はつらかった」と長友は語る。

長友 「想像はしていたものの、まったくの別職種ということもあり、周りからは当時期待されていない雰囲気をすごく感じていましたね。対応内容をわかっていないし、指揮もできないし、おまけになまりも強いし(笑)。仕方がないことではありますが、当時の自分にはとにかくつらい環境だった」

かっこつけたくても、みんなの前でしゃべることすらままならない。そんな逆境に立ちながら、昔からある負けず嫌いな気持ちが沸々と湧き出すのを感じた長友。

長友 「とにかく周りから認められたかった(笑)」

そんな長友は、今までの経験よりリピーターを増やすことに注力した。まず目の前の応募受付業務を全力で行い、一年かけて知識や経験を身に付け、顧客が常に満足できるサービスを追求した。

上から管理するのではなく、一緒に働くオペレーターと共に業務を行う。長友は率先して頼れる背中を見せていった。また部下のミスに関しても自分の責任であると捉え反省し、そもそもミスが起きないような環境を整えてきた。そうした姿勢は一緒に働くセンターのオペレーターから徐々に支持を得ていった。

そんなセンターの実績、対応力を見て、東京本社の営業部や運用部からも、『長友さんにお願いしたい!』と信頼が厚くなり、長友リピーターとなっていった。

これが冒頭の「長友さん、マジ神…」という状況につながったのである。

これからも長友リピーターは増え続ける

現在、長友が仕事を頑張る理由は家族のためだという。エスプールグループに転職したことで、プライベートの家族との時間を大切にできるようになった、と笑顔で語る。

長友 「本当に良かったなと思うことは、自分で料理をつくるのがやっぱり楽しくて、そんな自分の好きなことを家族に提供できることですね」

もちろん、仕事上大変なこともある。

たとえば、現在のアルバイト、パート領域ではますますさまざまな手法が登場し、WEB上や動画での面接、外国人からの応募が増加するなど手法が多様化していることだ。

エスプールリンクの理念として掲げる『時代に即した技術・情報を用い、新しく価値ある仕事を創造する』を遂行するためには、今までのやり方に固執せず、臨機応変に柔軟に対応していくことが求められる。しかし、実際は既定のやり方で対応すればハレーションも起きず、労力も少なく済む。

だが顧客の要望、市場の変化について事業部の視野で考えたときには変化に対応するべきという意見が上がる。

長友 「この相反するベクトルの、うまい妥協案を見いだすのがなかなか大変な業務なんです。ただ、そんな難題を自分が考えだしたアイデアで妥協点を見いだして、実際の運用がスムーズになり、困っていた当事者の人たちがホッとする表情を見たとき、仕事のやりがいを感じますね」

エスプールグループでの応募受付代行サービスが生まれて6年。そして2020年にエスプールリンクとして子会社化し、1年目だ。

今後も、業界のトップランナーとして、走り続けるために。

長友はこれからもその人間力をもとに、リピーターを増やし続ける。