追い風が吹く市場。横断的なプロジェクトの中、仕事を前に進めていく
令和4年度の地方競馬や競輪の市場規模は年間約1兆円、オートレースは約千億円で、コロナ禍を経て、家にいながら公営競技を楽しみたいというニーズが増加。2023年5月現在は、地方競馬・競輪・オートレースの売上のうち約8~9割がネット経由の販売によって占めるなど、市場に追い風が吹いています。
川嶋 「オッズ・パーク株式会社が運営する『オッズパーク』は、地方競馬・競輪・オートレースをオンラインで楽しめる総合サービスサイトです。公営競技をオンラインで楽しむ層が増えるとともに、業界の競争も活発になってきました。
『オッズパーク』の特徴は、類似サービスの中では唯一、3つの公営競技を取り扱っていることです。ひとつの競技のみ扱うサービスでは、夕方にはレースがすべて終わってしまうなど投票できる時間帯が限られますが、『オッズパーク』では365日、朝から深夜まで何かしらの公営競技を楽しむことができます」
同社の戦略企画部に所属している川嶋。その主な仕事のひとつが、中長期戦略を策定する際の取りまとめです。
川嶋 「各部署からの意見をまとめながら、中長期的なビジョンや計画を立て、実行を促す役割を担っています。その一例がレース映像の整備です。現在、競輪についてのみレース映像の提供がなく、ユーザーに届けられていません。そのため、業界との調整を担当する部署と連携を取りながらレース映像を取得し、ユーザーがより楽しめるサービス提供をめざしています」
戦略企画部には、部署横断プロジェクトを統括・支援するPMOのような役割もあります。
川嶋 「現在、全社を巻き込んだ大規模なプロジェクトが進行しています。プロジェクトが滞りなく抜け漏れなく進んでいるかを管理するのも私たちの仕事です。システム部やマーケティング部、サービスの運用部署など社内から20人ほど参画している上、複数の協力会社を巻き込んだかなり大がかりなプロジェクトです。進捗状況を管理するだけでなく、各担当が進めている内容にリスクが潜んでいないかをチェックする機能も果たしています」
遅延しているタスクを見つけた場合、担当者に対してスムーズなプロジェクト進行を促すことも川嶋の重要な役目のひとつ。相手の立場を尊重したコミュニケーションを大切にしていると言います。
川嶋 「忙しい部長や役員層の方々に向けて依頼したりリマインドをしたりする機会も多いので、気持ち良く仕事をしてもらえるよう伝え方には十分に配慮しています。また、相手の負担をできるだけ軽減するためにも、私のほうでしっかりと情報をまとめ、『こうした状況なので、これについてだけ判断していただきたいです』とピンポイントで依頼するなど、相手が意思決定しやすいように工夫するのも心がけている点です」
年次や年齢に関係なく、挑戦のチャンスを掴める環境を求めてオッズ・パークへ
川嶋にとってオッズ・パークは2社目。転職前はBtoB向けの展示会を主催する企業に勤めていました。当時から現在に至るまで一貫しているのは、「地方に貢献したい」という想いです。
川嶋 「地方出身ということもあり、東京で働きながら地方にも貢献できるような仕事を探していました。ファーストキャリアとして選んだのは、地方企業と東京のバイヤーのビジネスマッチングを支援している企業。出展社や来場者を集めるためのプロモーション業務を担当していました」
2年ほど勤めるうちに転職を考えるようになったという川嶋。求めていたのは、挑戦できる環境でした。
川嶋 「『こうすればいいのに』と思って新しいことを提案しても、なかなか提案が通らないことにもどかしさを感じ、もっと挑戦機会のある環境で働きたいと思うようになりました。とはいえ、当時の私はまだ第二新卒くらいの年齢。社会人経験が未熟な自分にとって、意見を伝えることができて、挑戦機会をいただけるような環境はそう多くないことは承知の上で転職活動を始めました」
そんな川嶋の目に留まったのが、オッズ・パーク。挑戦に飢えていた彼女にとって、理想の環境に映ったと言います。
川嶋 「当社の面接後に、5歳ほど年上の若手社員の方と話をさせていただく機会がありました。その方が、『自分でやりたいことを企画して取り組むことができるよ』と教えてくださったんです。上司とフランクに会話する様子からも、まさに自分が求めている職場だと感じました。
また、オッズ・パークは地方で開催される公営競技に関するサービスを運営する企業です。地方貢献がしたいという個人的な想いもかなえられると感じ、入社を決めました」
入社後、川嶋はマーケティング部に配属され、会員向けのコンテンツ提供や販促活動に従事。彼女にとって公営競技は身近なものではありませんでしたが、業務への支障はまったくなかったと言います。
川嶋 「社員のうち、公営競技が好きで入社される方は半数ほどで、公営競技に詳しくない私は決して少数派ではありません。もちろん、レースを見たり先輩に聞いたりと勉強する必要はありましたが、ビギナーだからこその目線を活かせる場面も少なくありませんでした。
たとえば、『オッズパーク』に登録しているけれど投票経験のない方がサービスを利用するきっかけをユーザー目線で考えられるのは、初心者ならでは。知らないことが必ずしも不利にはならないと感じています」
入社1年目で大規模な新企画の立案実行を推進。思い描いていた通りの環境で成長を実感
積極的に挑戦できる環境を求めてオッズ・パークへの転職を果たした川嶋。入社して間もないマーケティング部時代、自身が提案した企画を実行する経験に恵まれました。
川嶋 「入社を機に、公営競技の楽しさや魅力を初めて知りました。そこで、コンテンツをつくってYouTubeで発信すれば、私のようにこれまで関心がなかった方にもリーチし新規会員の増加につながると考え、日報を通じて部長と社長に新企画を提案したんです」
川嶋の当時のミッションは、既存会員向けのマーケティング。提案は担当領域を外れるものでしたが、これに目を留めた社長からプレゼンの機会を与えられることに。川嶋はこのチャンスをものにし、プロジェクトが動き出しました。
川嶋 「代理店を付けてもらい、コンテンツの企画から発信まですべて任せてもらいました。入社したばかりだったにもかかわらず、大きな規模感のプロジェクトに携われたことは、とても貴重な経験になりました。結果的に思い通りの成果を出せず、悔しい想いもしましたが、次につながる改善案を整理できるなど、得たものは大きいと感じています」
入社前に思い描いていた通り、オッズ・パークには新しいことに挑戦できる環境があると話す川嶋。日々やりがいを感じながら仕事に打ち込めていると言います。
川嶋 「当社では、上司や社長が提案に耳を傾けてくれて、『こうした方向性でブラッシュアップすれば、実現可能性が上がりそう』とフィードバックした上で、年次や経験に関係なく挑戦の機会を提供してもらえます。
また、コロナ禍以降、競争が激化しライバルを追いかける機会が増えてきたことで、攻めの企画や思い切った挑戦に踏み切りやすくなりました。現在、オッズ・パークはとてもおもしろいフェーズを迎えていると感じています」
一方、オッズ・パークに入社後、地方に貢献できていることを実感できる場面もありました。
川嶋 「地方の競馬場や競輪場で開かれるイベントに参加した際、運営の方から『ネット投票できるオッズパークのようなサービスがあるおかげで、多くの人にレースを楽しんでもらえています』と直接感謝の気持ちを伝えていただくことがありました。公営競技は地方自治体が運営しているため、オッズ・パークの売上の一部が地方の財源になっているので、貢献できている実感がダイレクトに得られています」
オンライン/オフラインの両面から地方創生を。いずれは女性社員のロールモデルに
地域活性化にも積極的に関わっていきたいと話す川嶋。オッズ・パークの公営競技事業を通じて地方に貢献し、持続可能で豊かな地域社会をつくることが、彼女の切なる願いです。
川嶋 「地方競馬場や競輪場、オートレース場は、周りの住民の方に配慮しながらレースを行っています。しかし、中には近隣地域にレース場があることに対してあまり良いイメージを抱いていない住民の方もいらっしゃるはずです。そうした好ましくない印象を払拭できるよう、現地で企画やイベントを実施し、愛されるレース場づくりに貢献したいと考えています。それが地域経済やコミュニティの活性化につながっていくといいですね」
また、川嶋は2023年中に産休・育休を取得予定。ビジネスパーソンとして描く将来像があります。
川嶋 「社員数がまだ少ないこともあって、育児をしながら働いている社員数はそんなに多くありません。育休から復職した後もさまざまな仕事に挑戦するつもりでいるので、クオリティの高いアウトプットを出し続け、子育てしながら働く女性社員のロールモデルのような存在になれたらうれしいです」
挑戦に寛容な環境に支えられながら、主体的に仕事に取り組み、自分らしい働き方を手に入れた川嶋。未来の地方創生に向けて公営競技事業だからできることを模索しながら、新たなライフステージで、新たな一歩を築いていきます。