採用担当が就労体験型インターンを通じて学生に届けたいもの

人事本部の片岡 俊造はソフトバンクの就労体験型インターンシップの設計を考えるひとりです。

片岡 「ソフトバンクで実施している就労体験型インターンシップは、2週間ないし4週間の長期に渡って社員と同じ環境で実際に働いてもらうことが特徴です。会社説明会や面接などの選考過程だけでは伝え切れないソフトバンクの姿やカルチャーを、しっかりと時間をかけて感じてほしいと考え実施しています」

ソフトバンクは、2012年から就労体験型インターンシップを実施。中條 由唯はこの数年間、インターンシップのプロジェクトマネージャーを務め、試行錯誤を重ねてきました。

中條 「就労体験型インターンシップは単なる会社説明会やワークショップとは異なる準備や体制づくりが必要です。実施にあたり毎年ブラッシュアップを重ねてきました。

たとえば、インターン生が社員と同じ環境で業務を行うために、数百台のインターン生のパソコンや入館証を準備するなどの物理的な側面に加え、受入部署でどんなプログラムを実践できるのかなどソフト面の準備も大切です。徹底して社員と同じ就業環境を用意することで社内外から予想を超える反響があり、今年で9年目を迎えることになりました」

インターンシップを毎年続けることで、ソフトバンクとして「学生に提供する価値」がより明確になっていると中條は続けます。

中條 「就労体験型インターンシップは学生と当社の“相互マッチング”の場であり、学生自身に自分にマッチする会社を選んでほしいという想いを重視しています。また、短期間のインターンでは会社のカルチャーや業務の深い理解は難しいと考え、長期のインターンシップを提供しています。

当社のインターンシップに応募いただく学生の皆さんは、『リアルな就労体験をしたい』という本質をきちんと求めてくれている印象が強いですね」

片岡は今年度のインターンシップでは、より相互マッチングを意識した設計をしたと言います。

片岡 「今年はインターンの名称を『JOB-MATCHインターン』に変更しました。過去の学生からの声や採用市場の動向にも合わせ、インターン参加者と受入部署がお互いに希望した場合には、入社後の配属をインターン受入部署に確約するという採用形態を取り入れることにしました」

社員も参加したくなる!?現場密着のインターン

JOB-MATCHインターンでは、学生は周囲の社員のサポートを受けつつも、社員が担う業務を実際に担当してもらうことにしています。

中條 「営業の同行や顧客への提案、海底ケーブル敷設船への乗船、基地局の見学、ミステリーショッパー、ソフトバンクが持つ大規模なデータの解析、アプリサービスの開発から検証、顧客満足度向上に向けたブレストと打ち手の提案、販促ブースの企画など限りなく社員に近しい経験を積んでもらいます」

それだけリアルな業務を体験できるからこそ、過去の参加者からは次のような声が上がっています。

・営業同行をはじめとして、2週間ソフトバンクの社員から、会社のことのみならず、社会人としてどうあるべきかを教えられました。働くことは楽しいと知ることができ、今まで経験したインターンで最も充実していました。

・大規模なデータ解析の経験ができました。普段の研究ではデータを大量に用意すること自体が大変なため、大規模ネットワークを持っているソフトバンクならではの経験ができたと感じています。

・普段はユーザー目線でしか触れらないようなアプリサービスについて、社員の目線で開発~検証まで実施でき、社会に役立つサービスに関われたという実感が湧きました。また、4週間インターンに参加することで、社会人の生活感に触れられたのも良い経験でした。

・希望のキャリアをかなえるために、これから何をするべきか真剣に考える機会になりました。配属された部署では多くの知識や技術に触れ、未知のサービス運用の世界を見 ることができました。今後の人生を歩んでいく中で大きな転換期になると感じました。  

中條 「インターン生からは、就労体験型とは言え短期間の経験なので『結果を出しきれなくて悔しい』という声も多いです。一方で『エンジニアの技術が社会とつながっている実感を持てた』『生活リズムから日々の感覚まで社会人生活のリアルを知った』という声もありました。良きにせよ悔しきにせよ、たくさんの経験や感覚を得てもらえるとうれしいですね」

ソフトバンクではこうした想いをもとに、就労体験型インターンシップに力を入れているのです。

本気のフィードバック、学生に真剣に向き合う社員の姿勢

企業と学生がお互いを理解しようとする以上、当然ながらそこには双方向のコミュニケーションが不可欠です。そして学生に本気で向き合うためにも、現場でしっかりと業務の実践ができるよう、サポートや受け入れ体制を整えています。

単に課題を与えてそれをこなしてもらうだけでは、互いの距離はなかなか縮められません。

片岡 「当社のインターンシップでは、学生に対しても新入社員と同様に教育やサポートをするエルダー社員を配置しています。また学生から日報を提出してもらい、受入部門の社員からフィードバックを行うケースもあります。

インターンシップの終了後には受入部門の部長層から学生にフィードバックを実施しており、ときには厳しいコメントをする場合もあります。それは、就職活動だけでなく、その先の成長につなげてほしいとの想いを込めているのです」

想いを持って参加してくれる学生だからこそ、きちんと向き合いたい。そんな想いが多くの部門に浸透しているからか、取り組みやコミュニケーションの端々に温かみがあるのもソフトバンクの就労体験型インターンシップの特徴かもしれません。

中條 「インターン期間中の様子を社員が動画撮影してメッセージとともにインターン生に展開したり、逆にインターン生からメッセージやアルバムを社員に贈っていただいたり。長期のインターンシップだからこそ、共に働く仲間としての関係性が築けており、終了時に泣いてしまう学生も少なくないんです。

インターン経由で入社した同期の6年目社員が、今でもインターン当時の受入部門の上司と飲みに行っているという話も聞きます」

学生だからといってお客様扱いせず、厳しいフィードバックも躊躇せずに行う。だからこそ半月から一カ月という期間ではありますが、学生と社員の間で温かい関係性を築けています。

どこにも載っていない企業情報を“体感”してほしい

こうしてまもなく迎える2020年のインターンシップ。片岡と中條は参加する学生への想いを語ります。

片岡 「海外と比較すると、日本の大学に通う多くの学生は企業での就労体験が少ないまま就職活動を始め、十分な自己理解ができないまま社会人生活をスタートさせているように思います。就職してからの仕事は、やはりアルバイトのときの経験や責任とは一線を画するもの。だからこそ、実体験を通して自身の価値観に気づくことは非常に大切です。

就活や選考と言うとどうしても面接の場で自分をいかにアピールするか、よく見せるかという点にフォーカスしそうになるものですが、就労体験型のインターンシップを通してお互いのリアルな姿を見せ合うことで、入社後のギャップもなくなるはずだと思っています。

また、“ソフトバンク=携帯電話の会社”というイメージは非常に深く根づいていると思いますが、当社の事業はもっと幅広く、おそらく意外なほど多様な事業を展開しています。その事実は、ホームページや就活サイトを通して文字や写真で発信するだけでは伝えきれません。

現場レベルではどんな仕事があるのか、実際に働く人たちは何をしているのか。学生のみなさんにその目で見て、体感して、ソフトバンクという会社のリアルな姿を理解していただきたいですね」
中條 「最近ではソフトバンクに興味がある学生だけでなく、自分の力を試したい、自己分析をするために働く経験をしたいという学生もソフトバンクのインターンシップに集まっています。

現在、インターンシップを実施している企業は多く、その内容も多様です。インターンシップを設計してきた立場として、『多くの選択肢がある中で、貴重な夏季休暇の2週間から4週間を充ててでも、ソフトバンクのインターンシップに参加する価値はある』と断言できる自信はあるので、就労体験に興味がある学生にはぜひチャレンジ精神をもって飛び込んできてほしいなと思っています」

実際の現場での就労体験を、学生の皆さん自身が自らの価値観と向き合う機会にしてほしい。2020年、JOB-MATCHインターンが映し出すのは、企業と学生がお互いにリアルな姿をさらけ出す採用活動の新しい可能性なのです。