全員で何かを成し遂げる達成感、その魅力に気づいた小・中学生時代
アプリ課金者向けのプラットフォームを運営しているSmarprise。代表取締役である五十嵐健は、2015年の創業当時、そこまでメジャーとはいえなかったビジネス領域に着目し、事業を創り上げてきました。
真っすぐなリーダーシップで私たちを率いる彼が、「リーダー」の役割について意識しはじめたのは、なんと小学6年生のとき。
五十嵐 「はじめて学級委員になって、クラスをまとめることの楽しさを知ったんです。中学に入ってからもずっと、サッカー部のキャプテンや学級委員を務めていました」
決して、自分が目立ちたかったわけではありません。五十嵐が惹かれたのは、リーダーシップのもとにチームをひとつにまとめ、全員で何かを成し遂げることそのものの魅力でした。
五十嵐 「どちらかといえば、いつもチームのモチベーションを上げる立ち位置でいました。みんなが喜んだり、達成感を味わったりしている姿を見るのが好きで。自分ひとりではできないことも、チームなら1+1を3や5、10にできる可能性があることを知ったんです」
リーダーのあり方とその本当の役割を知る貴重な経験を、実体験を通して得た五十嵐。やがて就職して社会に出るときも、それらの原体験を忘れることはありませんでした。
2005年、彼は新卒で広告営業の世界に飛び込みます。サイバーエージェントに入社すると、はじめての仕事に試行錯誤を重ねながらも、早速これまで培ってきたリーダーシップを発揮。わずか2年で最年少マネージャーに抜擢されるなど、活躍の場を広げていったのです。
「もっと大きい仕事がしたい!」出向先で社内ベンチャーを法人化するまで
入社して3年がたったある日のこと、五十嵐はキャリア面談の席で、「もっと大きい仕事がしたい!」と口にします。
五十嵐 「ベンチャーに入ったからにはデカイ仕事を若いうちからやりたい!という根底が一番でした。サイバーエージェントに入社しようと思ったのも、若いうちから活躍できる、大きい仕事ができると感じてたのもありますね」
そのひとことが、五十嵐にとって大きな人生の転機となりました。
彼は当時サイバーエージェントの投資先だった、トレンダーズ株式会社の上場プロジェクトに携わることに。それはとても「大きい仕事」でした。2010年の7月にトレンダーズに出向すると、営業部のマネージャーから執行役員、取締役へと、毎年役職を駆け上がります。
そして無事、2012年の10月に東証マザーズへのIPOを達成したのです。
五十嵐 「トレンダーズでは、主に営業部としてこれまで経験したことのなかったプロジェクトに関わることができ、結果も残すことができました。だからぜひ、次は営業面だけではなく、サービス開発をしたいと思うようになったんです」
そこで彼は2015年、トレンダーズ社内でスマートフォン事業部の立ち上げを企画・立案し、新規事業として「SMART GAME」を立ち上げました。
五十嵐 「当時まだ参入している会社が少なくライバルも少ない状態でしたね。私もそれなりにWEBサービスの知識はありましたが、iTunes Affiliate??なにそれ!みたいな感じでした。やはり成功するかしないかは参入タイミングがとても大切だと今でも感じてます」
イチ部署のマネジメントから、新規事業の立ち上げへ。多種多様な技能・立場のメンバーをまとめあげて何かを達成する——それは五十嵐が小学生のころから魅力に感じていた、リーダーとしての仕事に他なりませんでした。
次に新しいことをやるなら、自分で会社を創ってみたい。起業する覚悟を決めるためにも、トレンダーズ株式会社の100%子会社ではなく、自分でも資本を持ちたい。五十嵐はそう考え、社内ベンチャーの法人化を提案します。
こうして五十嵐は、はじめて自分自身が立ち上げた会社のリーダーとなったのです。2015年のことでした。
世の中に驚きと感動を与えよう——株式会社Smarpriseの立ち上げ
五十嵐は、創業メンバーとして集まってくれた6名の社員とともに、まずは社名を決めました。
Smart device × Surprise =Smarprise「世の中に驚きと感動を与えられるような大きな仕事をしよう」——。
アプリ課金者向けのプラットフォーム「SMART GAME」は、アプリ課金の前に経由するだけで、課金額の1%がポイントで戻ってくるサービスです。
シンプルなポイントカードのようなサービスは、日本人にとって馴染みがある。だからこそユーザーにもすぐ受け入れられると、五十嵐は確信していました。
アプリ課金者に対して、お得なサービスを提供でき、そこで“サプライズ”が起こせるはず。そんな思いのもと、Smarprise は2015年7月にSMART GAMEのアプリ版をリリース。そして同年9月には、WEB版もリリースしました。
しかし実は、すべてが順調に進められたわけではありません。意気揚々とアプリ版をリリースしてからわずか1週間後、いわゆる「お小遣いアプリ」が、一斉にAppStoreから一掃されてしまう事態に見舞われたことも……。
五十嵐 「それまで半年かけて創り上げたアプリが拒否されたときは、一瞬、崖から突き落とされたような衝撃を受けました。でも私たちは、SMART GAMEに絶対の自信をもっていたんです。そこですぐにWEBサービスへと方向転換をすることにしました」
その戦略が功を奏し、WEBサービスのリリースから4ヶ月後の2016年1月、SMART GAMEは月間1億円を超える流通額を誇るプラットフォームになりました。このペースでの急成長は、五十嵐をはじめとするメンバーたちも予想していませんでした。
いつか、自分の子どもに誇れるサービスへ
2017年7月時点の「SMART GAME」の会員数は、おかげさまで18万ユーザーに達しています。まだまだ伸びしろがあるサービスだと感じていますが、一方で、私たちはこの成功に満足せず、新たなサービス開発に挑戦しはじめています。
SMART GAMEを開発した背景にあったのは、「求めているのは誰か」「どのように使うのか」本質にたって、カタチにしようという想い。ただこのサービスは、あくまでもアプリ課金者という一部の方に向けたものでした。
そこで私たちは2017年8月現在、「世の中にある本当に良いものを知って、買ってもらいたい」との想いから年齢性別問わず、幅広いユーザーの皆さんに利用していただけるサービスのリリースを目前に控えてます。このサービスが将来的に日本のインフラになっていけば、経済圏を広げるお手伝いになり得るプロジェクトだと自負しています。
SMART GAMEでも、新プロジェクトでも、私たちSmarpriseが常に目指しているのは「ナンバーワン」。
五十嵐 「オンリーワンな時代ではありますが、あえてナンバーワンを目指そう、と。創業当初から、メンバーにいつも伝えてきたことです。必ずナンバーワンを取ることで、自分たちの子どもに、『大人になったら、父ちゃんの会社みたいな仕事をしたい!』と夢見てもらえるようにしていきたいんですよね」
「必ず、”ナンバーワン“を取っていこう!」——そんな力強い合言葉のもとに。五十嵐はSmarpriseというチームのリーダーとして、集ったメンバーとともに、これからもその可能性を切り開いていきます。