心がけているのは「期待以上の仕事をすること」「まずやってみること」

▲ZAMSTのプロモーションを担当する山。最近担当した仕事(アスリートを起用したインタビュー記事)を例に

『ZAMST』は、スポーツ向けのサポーターを多数取り揃えたスポーツ・ケアブランド。山は現在、『ZAMST』のプロモーション担当として、各種プロモーション・広告戦略、新商品のパッケージデザインや店頭演出の考案などの業務を行っています。 

山 「新商品が出るときは、発売日から逆算する形でプロモーション戦略を作っていきます。まず、新商品がどのような人たちをターゲットにしているのかをより明確にし、それに合わせて各種施策を検討し提案します。並行してパッケージのデザインを決定、広告企画や店頭用POPなどの販促物も制作します。商品に関わるプロモーション業務全般を担当している感じですね」

プロモーション戦略を描く中で、協賛しているアスリートを起用することもあります。アスリートとタイアップした広告企画を組むのは、ワクワクする瞬間の一つです。 

山 「私の担当はテニスなのですが、現在3名のプロ選手をスポンサードさせていただいています。全員、『ZAMST』を実際に使ってくださっている方々です。また契約選手以外にも『ZAMST』ユーザーは多く、『ZAMST』をご使用いただいている選手にSNSの画像から巡り合うこともあります。

またスポーツ雑誌の出版社の方から教えてもらうことも多々あります。情報をいつでも拾えるよう、高い感度でいるよう心がけています」

 そんな山には、仕事をする上で大切にしていることが2つあります。ひとつは「常に期待以上の仕事をすること」です。 

山 「ブランドの顔を作る仕事なので、『こんなものだろう』という想定の範囲に収まるのではなく、『これはいいプロモーションだ』と言ってもらえるような仕事をしたいですね。それが商品開発担当や営業担当の期待に応えることになりますし、ひいてはお客様を大事にすることにもつながると思うからです」

そしてもうひとつは「まずはやってみること」。営業からのさまざまな要望を受けてデザインを作る立場にいる山ですが、基本的に、依頼された仕事を断ることはありません。 

山 「もし私が忙しいときでも、チームの誰かに助けを求められる環境です。プロモーションチームは現在6名いてもちろんそれぞれ多忙ではあるのですが、困ったときはそれぞれの担当領域の垣根を超え、力を合わせて対応しています。なので私は、基本的には、頼まれたことはまずはやってみると決めています」

誠意を持って要望を引き受ける山の姿に、社員だけでなく社外の関係者からも厚い信頼が寄せられています。

広告代理店からメーカーへの転職。やりたい仕事に取り組めるようになった

▲「クライアントのものではなく自分の製品・ブランドを世の中にメッセージしたい」と考えシグマックスに入社

山は、日本シグマックスに入る以前は、広告代理店で働いていました。前職でもプロモーションに関わる仕事をしていましたが、広告代理店のミッションは、基本的にクライアントの要望を形にすること。そのため、クライアントの意向次第で、自分が提案したアイデアに大きく変更が入ってしまうことがよくありました。 

山 「広告代理店の仕事は、どうしても自分の意見を入れづらい部分がありますよね。次第にもどかしく思えてきて、もっと上流で仕事をしたいと感じるようになったのが、転職のきっかけでした。

今、実際にメーカー側で仕事をするようになって、自分で考えた企画を通すことができたり、商品パッケージなどデザインを決めることができるので、すごく楽しいです。やりたいことに取り組めているという嬉しさがあります」 

数あるメーカーの中でも日本シグマックスを選んだのは、彼女自身が日本シグマックスの商品を使用していたからでした。 

山 「中学・高校時代にバスケットボールをやっていて、私自身も『ZAMST』の足首サポーターを愛用していました。その縁もあり、入社を決めました」

元々愛着のあったメーカーで、社員として働ける日々。広告代理店時代に感じていたもどかしさは払拭され、ワクワクしながら仕事に取り組めるようになりました。 

そんな中、入社して4年目にあたる2015年、山は第一子出産のために産休を取得することになります。産休に入るタイミングでは、いずれ復帰することを前提に考えていた山。しかし、実際に休暇に入ってしばらくすると、自分の世界と仕事というものがぷっつり切れてしまった感覚を抱きました。 

自分は本当に仕事と育児の両立ができるのだろうか、このままずっと子どもと過ごすという選択肢もありかもしれない──山は迷い始めます。 

山 「そんなとき、上司から『待っているよ』というメッセージがありました。また、会社の先輩ママ社員たちから、『自分はこんな風に両立しているよ』『大丈夫だよ』と教えてもらって。やっぱり、まずはやってみることを大切にしようと思い、復帰を決めました」 

こうして仕事復帰した山。彼女を待っていたのは、これまでにない大きなプロジェクトでした。

育休明けに任されたのは、大型案件。仕事と育児の両立のコツを徐々に掴んだ

▲人とのコミュニケーションを得意とする山。復職後も社内・外関係者からの信頼は厚い

山が復帰直後に任された仕事は、『ZAMST』ブランド 34商品すべてのパッケージデザインを刷新するというプロジェクトでした。 

山 「10年間使用していたパッケージデザインのフォーマットをリニューアルすることで『ZAMST』のブランドイメージを、本来目指す方向に導こうという狙いで始まったプロジェクトです。約1年かけて全商品のパッケージを変えていくという、自分の中でも代表的な仕事となりました。

当時のパッケージは、2008年にブランドロゴを刷新した際に、新ロゴの認知を最優先にしたもので、表面に占めるロゴの割合が大きく非常にシンプルなデザインでした。しかし競合ブランドと比べたときに『ZAMST』のパッケージは、カッコよさやスポーツ感といった印象が弱く、ブランドをさらに成長させるためにはリブランディングが必要と分析し、プロジェクトがスタートしました」 

新デザインの検討にあたって、まずはアンケート調査を実施し、ユーザーがどのような印象を持っているかを詳細に把握しました。山はこのアンケート調査の設計段階から携わります。

調査結果をもとにデザインとして必要な要素・優先順位を決め、マスターデザインの選定を進めました。そこからすべての商品にデザインを展開、全商品の生産計画に合わせて新パッケージを印刷・納品、同時に店頭にある商品を計画的に新パッケージに入れ替える大規模なオペレーション、これらの業務とスケジュール管理を山は一手に担当しました。

この一連の業務を、山は復職後の時短勤務の中で行ったのです。 

山 「正直、最初はすごく大変でした。初めての育休から復帰して、仕事も育児も100%でこなさなくては、と肩に力が入っていた時期だったので、本当にしんどかったです。同僚に弱音を吐くこともありましたね。

しかし、徐々にバランスのとり方のコツをつかむことができました。育児も100%、仕事も100%ではなく、手を抜けるところは抜きながら、優先順位をつけて効率よく取り組めるようになっていったんです」

周囲のサポートにも支えられながら形にしていったリブランディングのプロジェクトは見事成功。新パッケージに切り替えたことで、売上にも大きな影響が得られました。その後、第2子の出産にあたり2回目の産休・育休も取得しましたが、山はまた仕事に復帰します。 

山 「やはりこの仕事が好きなんです。当社は、産休・育休から戻ってきても基本的には休暇前に担当していた業務を優先してくれるので、働きやすいというのもありますね。私のようなママさん社員も多いですし、皆さんの姿が刺激になって自分も頑張れています」

母親も1人の人間。好きなことをして楽しく生きたいから、仕事も諦めない

▲「育児も、仕事も、大好きなものはこれからも手放さないですよ(笑)」と山

山 「学生時代、私自身が『ZAMST』ユーザーだったこともあり、ブランドを世の中にうまく伝えていきたいという気持ちがあります。なので、一つひとつのデザインや表現にこだわっています」

ブランドへの愛を胸に、妥協せずに仕事をする山。日本シグマックスは、新しいことにチャレンジしやすく、自分のやりたいことを実現しやすい会社であるといいます。 

山 「メーカーの最終的なゴールは基本的に、商品が売れてお客様に喜んで使ってもらうことです。それはどのメーカーでも同じだと思うのですが、当社はその過程において、自分が考え目指す方法でチャレンジさせてもらえる会社であると感じています」

山は、自分なりの新しい手法を模索するために、店頭へ頻繁に足を運びます。店頭に並ぶ競合他社の商品を見ることで、デザインのヒントを集めることができるからです。常にお客様目線でコミュニケーションを練り続け、考えついたアイデアがあれば積極的に主張していく山。そんな彼女の今後の展望は──。 

山 「私はずっとプロモーションに関わってきたので、その道のプロとしてもっと極めたいと思っています。プロモーションチームの中で、女性は現在私1人。女性ならではの視点を加えながら取り組んでいけたら嬉しいです」

育児と仕事、どちらにも積極的に取り組む彼女ですが、1人目の保育園を探す際は、1年半受け入れ先が決まらないという経験もしました。キャリアをこのまま続けるか辞めてしまうか、本気で迷う日々。それでも諦めなかった結果、今の充実した毎日があります。 

山 「育児と仕事の両立について迷っている人はたくさんいますよね。でも、自分の好きなことは諦めないでほしいです。今、子育て中の女性が働きやすいよう社会も変わってきているので、どんな形でも、やりたいことを守れたらいいなと思います。母親も一人の人間です。子どもとの時間も、好きな仕事をする時間も大切。バランスを保ちながらやっていけたらいいですよね」

仕事も育児も、好きだからこそ手放しません。

これからも、「好き」を原動力に、どちらも全力で取り組み続けます。