オフラインとオンラインを融合させたい

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プラットフォーム上で躍動する演者、それに呼応するように熱狂するファン。

そして、それを支える芸能事務所や関係者たち──

それらすべてのステークホルダーをSHOWROOMという仮想空間で結合し、エンターテインメントの新しい形を実現する。『SHOWROOM』の新しい事業の柱を創るミッションを背負う岩田 隆佑は、営業から商品設計まで幅広いミッションを担っています。

そんな岩田が最初に就職先として選んだのは、展示会やコンベンション、商空間などを中心に“空間プロデュース”に取り組むイベント制作会社でした。その会社を選んだ理由を岩田は「何もないゼロからイチを生み出せることに魅力を感じた」と話します。

展示会・商空間を企画するプランナーを兼ねた営業として2008年に新卒として入社し、年間何十本という数の案件を無我夢中でこなしそこでは大きな仕事を動かすことの楽しさを知ったと話します。

岩田 「ベンチャー気質の会社で、新人全員新規営業でした。そこで、自ら動く以外何も生まれない事を知りました。自分から動き回ってきっかけをつくり、成果を出すと少しずつ仲間ができてチームになる。すると、より大きな仕事を動かせるようになっていく。そうやって数字がついてくることを学びました」

懇意にしていた取引先の会社が、経営統合することになり、そこで新しい案件の出会いにつながります。

岩田 「取引先からとある悩みを共有いただきました。それは、合併したことで意図せず派閥のような環境が生まれ、そこを改善したいというものでした。取材を重ねると、それぞれの現場社員がお客様と向き合って感じる課題や想いは、立場は違えど一緒であることに気付きました。

それでおのおのの仕事ぶりをカタチにした社内報をつくり、そこに介在する仲間たちの想いをつなぐ役目を果たしました。そのときにより深いコミュニケーションを形にする仕事に興味を持ちました」

この経験をきっかけに2013年に広告会社へと転職した岩田。イベント企画で培ったディレクションスキルを武器に、セールスプロモーション領域へと仕事の幅を広げていきました。

その後、6年間にわたり広告会社でプランナー兼ディレクターとして活躍した岩田ですが、自らのキャリアを考え、これまで以上にダイナミックにプロジェクトを動かしながらも拡大するオンライン市場に対して、新たなチャレンジができるフィールドを探し始めます。

そうして出会ったのがSHOWROOMでした。

もがき、苦しみながら未開の市場へ挑む

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2019年9月にSHOWROOMへ入社した岩田。一番の入社の決め手は“異質でありながら親和性があると感じたからと話します。

岩田 「よくVUCAの時代と言われていますが、10年以上積んできたキャリアが突然使い物にならないなんてこともこの先あるのかも、だったら次の10年はまったく異なる分野にトライしてみたいな、と漠然と考えていました。一方で、当然ながら培ってきたキャリアも生かせる環境で。その最適解がSHOWROOMでした」

入社後、岩田は社長室に所属し、前田直下で仮想ライブプラットフォーム『SHOWROOM』の新しい収益の柱をつくるミッションを負っています。

岩田 「柱のひとつが有料ライブ配信です。SHOWROOMでは、これまでオンライン上で出演者にギフトを贈るギフティングが収益の柱でした。しかし近年は多くのエンタテインメント企業がオンラインでの収益を求めていることもあり、ギフティングではない新たな形、有料チケットの販売を提案しています。

そして、さらに今のオンラインライブの価値を上げるために、商品設計やプロダクトの再設計を行っています」

たとえばレコード会社は、CDの販促手法のひとつとして、CDショップ内でインストアライブを行います。ライブハウスやイベント会場で提供してきた“体験”を、オンラインでできることに昇華させ、そこに生まれる新たな価値を模索しているのが岩田のチームです。

岩田 「今まで誰も挑戦したことのないアプローチなので、もがき苦しみながらサービスを設計しています。オンラインでは席数に制限がありません。何十万人だって一緒にイベントに参加することが可能です。

それが最大の魅力であり、悩みの種でもあります。完売や満席の概念がないので、ユーザー側は焦ってチケットを購入する必要がなくなります。そうすると、運営側としては収益を予測しにくかったりします」

常に試行錯誤を繰り返しながら、新しいサービスの形を創っているのです。

リアルな感覚をいかにオンライン上で起こせるか

オフラインの世界には「目の前で見られる」物理的な生の喜びがあります。一方、オンラインを通した場合、好きなアングルで観ることができたり、普段だったら会話もできないような出演者とコミュニケーションを取ったりすることも可能です。

岩田 「もちろん、ライブハウスなどで観るライブのほうが臨場感を味わえたり、空間の熱狂を感じやすかったりします。それでも、オンラインにしかない価値があることを業界全体が気付き始めています。

これからの時代はオフラインとオンラインはより融合され、ハイブリッド化したパッケージが確立されていくと考えています。

オフラインとオンラインの異なる提供価値をそれぞれ言語化し、商品に落とし込む。それがSHOWROOMだけに限らずライブ配信業界の命題になっています。自分はその最前線に立って仕事できているので、大変なこともありますが、良い経験ができていると思います」

これまで岩田は、オフラインイベントの企画では、その場で目の前の人を引きつけるコミュニケーションを、広告の企画では、デザインや映像表現、言葉の力を駆使し、しくみを設計することで情報が人伝に広がっていくコミュニケーションを考えてきました。

岩田 「人がたくさん集まる空間や人々を魅了するブランドどうやったら喜んでくれるだろう、伝えたくなるんだろうをずっと考えてきました」

SHOWROOMに入社してからも、それは同じです。

岩田 「配信を見ていて、ひょんなことがきっかけでコメントが盛り上がるとか、人気キャラクターの映像に多数の視聴者が集まるとか。こうして集まった人たちにどういうコミュニケーションしていくとさらに楽しんでもらえるのか、また来てもらえるのかなっていつも考えています。コミュニケーションの中で起こる反応を見ているのがおもしろいんですよね」

SHOWROOMをはじめとする配信プラットフォームを中心に活躍しているアーティストも増え、世の中の価値観も変化しています。

岩田 「エンターテインメントは、表現者だけではなく、その周りにさまざまなプロの方がいて成り立っています。現状はその制作スタッフの働き口が減少していますが、オフラインとオンラインを融合することはその解決の糸口になると思います。

そのためには、SHOWROOMの社会的価値を上げていかなければいけません。一緒に課題を解決していく責任のある仕事ですから、やりがいを感じています」

60歳になっても仕事を心から楽しんでいたい

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出演者1人ひとりの夢の実現をどうサポートしていくのか、私たちは常に考えています。

岩田 「SHOWROOMって、あんまりイメージないかもしれないですが、芸能や人と愚直に向き合う泥臭さのある、地に足のついたプラットフォームなんです。入社前は、こんなにエンタテインメント寄りの企業だとは思わず、もっとドライにロジカルに、新しいサービスをつくっていくイメージを持っていました。ところが実際は、人と人とが向き合うことを中心に置いたサービスなんだと感じています」

出演者やそのファン、事務所のスタッフなどを含め「相手の想像を超える価値をいかに提供するか、日々考えている」と岩田は言います。

岩田 「前田は、世界を変えていくぞという勢いを持っていて、そういう何かを変えたいというモチベーションって共感できるし、大事だと思っています。だから、最速で成果を上げたい、周囲を変える実力を身につけたいという想いを持った仲間と一緒に働いていきたいんです」

こうした想いとともに岩田が大事にしていることは「自分の仕事を今楽しめているかどうか」です。

岩田 「SHOWROOMの仕事はまだ手探り状態なところばかりですが、毎日楽しんでいます。自分が60歳になってもこうやって毎日仕事を楽しんでいるおじさんでいたいです(笑)」

岩田が楽しさを感じる源泉は「人や空間、環境、社会に働きかけることで、周囲が変わること」にあります。楽しみを感じながら働き続けられるよう、変える力を身につけていきたいと岩田は行動し続けています。

人と人とが関わることで喜びが伝わり、周囲が価値ある状態へと変わっていく先に、楽しさが生まれる。これまで多くの空間に変化をもたらしてきた岩田は、SHOWROOMという空間でも新たな変化を生み出していくに違いありません。