リスのカップルは、癒しの世界を追求するキャラクター

▲ポムリスたちは「好き」がほお袋にたまると、ハートを出しながらほっぺがポムっちゃうキャラクターです。恋愛やスイーツやダンスに夢中になりながら、個性豊かなポムリスたちのたくさんの「ポム」が、10代のユーザの共感を呼んでいます。

“ほっぺポムリス”は、株式会社小学館集英社プロダクション(ShoPro)と株式会社アカツキ(アカツキ)による、TikTokでの新しい知的財産(IP)を創出するプロジェクトの第一段キャラクターとして誕生しました。

ほっぺポムリスは、『世界のティーンをつなぐ、コミュニケーションキャラクターの発信』を大きなビジョンとして掲げています。

尾形 「当初デジタルで展開していくにあたり、TikTokは日本でも認知度が上がってきていて、世界でもダウンロード数が非常に伸びていました。TikTokのもつ高い拡散性は、日本のみならず世界中の人に同時にリーチすることができ、ほかのSNSと比べても、これから発展していく段階なので、TikTokをプラットフォームにすれば早い段階でフォロワーを獲得できますし、認知を得られます。

同じプラットフォームを通して、この“ほっぺポムリス”というキャラクターが世界中のティーンのコミュニケーションのハブとなることを願い、このような大きなビジョンを設定ました」

ほっぺポムリスは3組のリスのカップル。三者三様の恋愛関係があり、ポムリスたちがシェアする、『好き』や『共感』の気持ちを通して、癒しやドキドキを届けます。

尾形 「独自に定量調査や定性調査を行い、TikTokの視聴者層、またその層の生活スタイルなど、いくつかの仮説・ペルソナを作りながら、プロジェクトチームで意見交換を行いました。最終的に女子中学生を中心としたティーン世代をターゲットと設定しています。

勉強や部活、人間関係なども含め多忙な生活をおくる、現代の女子中学生に対して、キャラクターを通し、話題や癒し、そして元気を提供したいという想いをもっています」

経験のないキャラクタープロモーションを通じて自然と生まれた“親心”?

キャラクターの原案はShoProとアカツキが共同で企画。アカツキはコンテンツの制作やTikTokなどのSNSの運用を行い、ShoProはライセンス管理、キャラクターの商品化や販売、プロモーションを担っています。

尾形 「ShoPro側の実務リーダーとして、具体的に私が担当している業務は、国内での商品化やプロモーション・電子商取引の立ち上げで、常に各担当者と話し合いながら進めています。私が所属するデジタル事業センターは、ShoProのデジタルシフトを担っている部署で、教育やエンターテインメントに限らず幅広いものをデジタル化し、デジタルで収益を上げていくのがミッションです。

実は私は、キャラクタービジネスがやりたくてShoProに入社したので、入社20年目にしてついに想いが叶い、日々ワクワクしています」

キャラクターグッズの展開はすでに始まっており、思わず自分でも買ってしまったという尾形。

ほっぺポムリスの魅力は、キャラクターが醸し出す『癒し』だといいます。

尾形 「SNSでは毒を持ったキャラクターも少なくありません。そんな中、ほっぺポムリスは、多忙な日々を送る現代の女子中学生にこそパワーを送りたい、という想いから『癒し・共感・自己肯定感』をテーマにしています。

おもしろくてクスっと笑ってしまう部分や、TikTokの特徴である、ループして何度も見てしまう動画も、狙って作っていますから、魅力的な動きをするポムリスたちについつい見入ってしまう事もあるのではないかと。TikTokのコメント欄を確認していくと実際に中学生を中心としたティーン世代は、ポムリスたちの姿を自分たちと重ねて、共感や応援の気持ちを抱いてくれているようです」

しかし、これまでキャラクタービジネスの経験がなかった尾形にとっては、毎日が苦労の連続でしたが、周囲のプロフェッショナルの力を借りながら、一歩ずつプロジェクトを進めていると言います。

尾形 「わからないことが出てくるたびに、ライセンスの部署など、社内のさまざまなチームの人に聞きにいったり、わからないなりにも悩みながらアイデアを練って相談したりしているうちに、短期間で知識を身につけることができました。

これは私にとって大きな経験値です。今でもわからないことはもちろんあります。でも、正解がない世界でもありますし、だから面白い。いろいろなケースを参考にしながら、ポムリスならどうか、とその都度判断しています」

そんな尾形は、このプロジェクトに関わる中で、次第にポムリスたちに対する、ある種「親心」に近い感覚がわいてきたと語ります。

尾形 「年齢的なものもあるかもしれませんが、まるで親のように『この子たちをとにかく人気者にしたい』という強い想いがあります。誰かに会うたび、ポムリスたちの紹介をしたくなるほど(笑)。どうすればこの子たちがもっともっとみんなに知ってもらえるかを常に考えているのです」

やりがいは、ほっぺポムリスの認知が広がること

ほっぺポムリスの展開にあたって、SNSを活用したプロジェクトならではのやりがいがあると尾形はいいます。

尾形 「SNSは数値にダイレクトに反映されます。狙い通り数値がとれたり、コメント欄が盛り上がったりして、『元気が出ました』『かわいいですね』とターゲットとなる女子中学生が反応してくれるのを見るのが一番嬉しい瞬間です」

また想定ターゲットよりも少し年齢が低い自身の子どもに、ほっぺポムリスの動画を見せたところ、良い反応を得たといいます。

尾形 「先日『とりあえず見てみて』といって自分の娘に見せたのですが、意図せずにクスっと笑っていました。笑った理由を聞いたところ狙い通り。『好きに見ていいよ』といったところ『全部見ちゃった』といっていました。ついつい見てしまう、続きが気になっちゃう、という感覚だと思うのですが、それだけ刺さったと思うと嬉しいですよね」

ターゲットとなる層から良い反応を得て手応えを感じる一方で、地方自治体からの案件も舞い込みました。広島県とTikTokの連携による新型コロナウイルスの感染拡大防止を啓発する動画に“ほっぺポムリス”が採用されたのです。

尾形 「広島県とTikTokが制作した、感染拡大防止を呼びかける動画の1つで、ほっぺポムリスが協力させていただきました。広島駅構内や商店街などに設置されている大型モニターやデジタルサイネージで動画が展開され、より多くの方にほっぺポムリスを知ってもらうキッカケにもなりました」

TikTok発のキャラクターを開発するほっぺポムリスの取り組みは、日経新聞でも取り上げられました。そういった社外での広がりに伴い、社内でも認知が進み、応援の声をもらうケースが増えてきています。認知が広がることで、実際に他部門から『このキャラクターを活かせるかも』と声をかけられるケースもあるといいます。

尾形 「社内には、パブリックサービス事業部といった、官公庁向けのビジネスに携わっている部門もあり、さまざまな関わりや人脈があります。今後の可能性を広げる意味で、社内でのアピールも大切だと考えています。一つひとつ成果を積み重ね、ほっぺポムリスの活躍の場を広げていきたいですね」

「ほっぺポムリス」を世界のティーンがつながるハブキャラクターにしたい

ほっぺポムリスのキャラクタープロモーションを手掛ける中で、尾形はShoProだからこそできる強みがあるといいます。

尾形 「ShoProは、会社としてキャラクタープロモーションの実績があるため、システムがしっかりとできていることが非常に大きいです。キャラクターを最大化させていくための方法はいろいろありますが、ShoProはアニメや出版、プロモーションなどを通じて、メーカーとのつながりがあります。

親会社の小学館や集英社を含め、キャラクターの認知を広げていくためのチャンネルをたくさん持っているのは大きな強みです。こうしたShoProの強みをいかに活用していくかという点が、私に課せられたミッションだと考えています」

そんな尾形が初めてキャラクタープロモーションに携わる中で得た気づきは、キャラクターへの情熱を持って仕事に取り組むことの重要性です。

尾形 「ゼロからキャラクターを立ち上げていくわけですから、ポムリスがいかにすばらしくて、私たちがいかに愛しているかという情熱を伝えていくことが何より大事だと思っています。メーカーなどの方に、キャラクターに共感してもらうことももちろん大切です。それ以上に、自分たちのビジョンや熱量に共感してもらうことができてこそ、相手に響くのだと感じています」

ほっぺポムリスのプロジェクトは、現時点では、まずは足固めをする段階です。

尾形 「商品化を含め、ほっぺポムリスをビジネスの波に乗せていきたいです。ほっぺポムリスはTikTokで21万人のフォロワーがいますが、ターゲットには届いているものの、それ以外の層への認知がまだまだ広まっていない状況。ただし、TikTokではほかのキャラクターもまだ世間的な認知がさほど強くないですから、そうした状況をいかに打開していくかが課題です」

 その上で、将来的には世界展開をターゲットに設定しています。

尾形 「将来的な目標は、もともとのビジョンにもあるように世界に発信すること。TikTokでは30秒ほどのアニメを公開していますが、ポムリスたちは世界観を持ったキャラクターなので、最終的にはアニメ番組など世界中の人たちに見てもらえるようなコンテンツに成長させていくことがひとつのゴールです。世界中のティーンがキャラクターというきっかけでつながり『ポムリスのどの子が好き?』『あの話が良かったね』といったコミュニケーションがとれるようになったらいいな、と思っています」

そんな日を夢見ながら、尾形は今日も情熱を持って、ほっぺポムリスのプロモーションに取り組んでいきます。