自分らしく働けると感じられたサノフィで、疾患領域全体の課題解決に貢献したい

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大学で化学、大学院では生態系を専攻していた船越。研究を通じて得た知識で人々の健康的な生活に貢献したい、という想いからサノフィに入社しました。

船越 「面接で会う人たちが皆話しやすい雰囲気で、自分を出しながら一番楽しめたのがサノフィでした。学生だった私は、『ここでなら自分の強みを活かし、自分らしく働く姿を想像できる』と感じ、ご縁あって内定をいただき、入社を決めました。

また、当時考えていたキャリアは、大学病院・基幹病院の担当になって、疾患領域全体の課題解決に貢献すること。その仕事を通じ、患者さんの健康や社会に価値のある情報を提供して幅広く医療に貢献したい、と考えていたのです」

入社当初は、どのような説明や行動をすれば、顧客となる医療従事者の方々のニーズにお応えできるか、想像もできず不安だったと振り返る船越。それでも、今までに経験のないことに取り組む高揚感を持って、サノフィでのキャリアをスタートしました。

患者さん一人ひとりに最適な、十人十色の治療選択肢を

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入社後から、船越がとくに力を入れているのが、個別の症状に応じた糖尿病の治療提案です。

糖尿病には1型と2型があり、2型糖尿病の中でも、インスリン分泌不全を主とする病態か、インスリン抵抗性を主とする病態かで、治療方針が大きく異なります。

船越 「単に血糖値だけではなく、患者さんの個性や生活習慣によっても治療に対する提案は変わってきます。数多くある糖尿病治療薬の中から、患者さん一人ひとりに最適な、十人十色の治療選択肢を提案できることにやりがいを感じています」

医療従事者の向こう側には患者さんがいます。患者さん一人ひとりに最適な治療を届けられるよう、自社製品の押し売りにならない提案を意識していると、船越は言います。

船越 「私たちに求められるのは、単に医薬品に関する情報を提供することだけではありません。大切なのは、医薬品を実際に用いる個々の患者さんの特性やニーズに目を向けること。

そして、これらを適正に、そして安心して医療現場で使用していただけるような部分まで踏み込んだ、真摯な情報提供・提案をすることです。私の場合、それが医療関係者との信頼の構築にもつながっていくと考えています」

一人ひとりに合わせた治療を届ける上で、現状はどんな課題があるのでしょうか。

船越 「糖尿病治療に関する課題は、年代によっても変わります。たとえば、高齢の患者さんの場合、認知機能の低下に伴い、インスリンの打ち忘れによって血糖値が高くなったり、食事内容や運動の変化によって低血糖をきたしたり。

また、働きながら治療を続ける患者さんに関しては、仕事の忙しさのために治療中断に至るケースもあります。医療従事者は30~40代の患者さんほど積極的に治療を推奨するものの、この世代の患者さんは社会的にも家庭においても重責を担う時期であり、仕事や育児などさまざまな理由から、治療の時間を確保するのが難しくなる場合もあります」

医療従事者は、インスリンを導入して2~3カ月は電話で様子を伺い、用量調節を行っています。一方で、電話の場合、医療従事者・患者さん双方が都合の良い時間が合致する必要があるため、患者さんによっては治療状況・進捗の把握が難しくなるケースも。

船越 「医療従事者の方は、患者さんのインスリン投与量や投与時間など、治療経過を把握することで、より良い治療アウトカムにつなげていきたいというお考えを持っています。

しかし、限られた診療時間の中で、経過の状況を深くまで把握することは簡単ではありません。結果として適切な治療を継続することができず、血糖値が目標値に届かない事例も、よく耳にします。また、患者さんの中には、日々の血糖値の記録のわずらわしさを軽減したい、忙しいため入院の時間が取れないといった課題を抱えている方もいらっしゃいます」

研修を通じて患者さんの治療上の課題を実感

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▲糖尿病患者さんの課題やニーズを理解するための研修(個人情報保護のため、提示している研修用データはダミーアカウントとなります)

糖尿病領域における未だ埋められないアンメットニーズに対し、デジタルソリューションを通じた解消を目指すサノフィ。そこで実施したのが、糖尿病患者さんが治療を進める上で、課題と感じていることを理解するための研修です。

腕に装着することでグルコース濃度を持続的に測定できる血糖測定器を付け、血糖値やインスリン量、食事内容を2週間に渡り記載するという内容のものでした。

船越 「血糖値などの数項目を毎日、複数回にわたり入力することは、仕事をしながら、幼い子ども2人の子育てをしている身としては大変でした。研修を通じて、『日々の記録のわずらわしさを軽減したい』という患者さんのお気持ちがよく理解できましたね。

もし自分が患者さんの立場だったら、日々のインスリンの投与量・投与時間など治療に必要な情報は、自動的にデータ移行しすべて連携させたいと思いました」

デジタルソリューションを通じて、医療従事者・患者さんそれぞれの悩み解消へ

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サノフィでは、医療従事者に対して発信した情報やメッセージを集約・一元管理して分析するため、2022年よりシングルデバイス を導入。船越は、そうしたDX活動を推進する「デジタルアンバサダー」を務めています。

船越 「デバイスには、営業だけでなくメディカル部門など部署横断的に自社が発信した情報も集約されるので、関連情報を漏れなく把握・分析することができます。このデータをフルに活かして、医療従事者一人ひとりのニーズに応えていきたいですね」

デジタル領域に携わるようになって、医療用医薬品とはまた違うやり方で、医療従事者や患者さんの力になれるのではないかと話す船越。

船越 「医療用医薬品の場合、医療従事者に情報を提供して処方してもらい、患者さんに届けるというビジネスモデルが基本です。でもデジタルソリューションの場合は、従来のやり方にとらわれず、SNSの活用や患者さんとのコラボレーションなど、新しい方法で広めていくことができないか、と考えているんです。

デジタルソリューションの社内研修では、仕事と育児を両立しながら、血糖値の記録や目標値に向けた取り組みを行い続けることの大変さを実感しました。サノフィの糖尿病領域におけるデジタルソリューションを通じて、患者さんがより主体的に治療に取り組めるような支援環境につながる提案をしていきたいと考えています」

糖尿病の治療目標は『糖尿病のない人と変わらない寿命とQOLの実現』。さまざまな薬剤の出現によって、寿命の側面は達成されつつあります。

一方でQOLという観点からは、治療を行う一人ひとりの患者さんに合わせた治療の実現に向けて、まだまだやることがあると言います。

船越 「インスリンの投与忘れを減らしたい、日々の記録のわずらわしさを軽減したいというのが、患者さんのニーズ。限られた時間で正確に治療経過を把握し、適切な治療を実施したいというのが、医療従事者のニーズです。

その両方のニーズに対して、患者さんの日々のインスリンの投与量・投与時間をBluetoothでアプリに転送できるサノフィのデジタルソリューションが、お役に立てるのではないかと考えています」

2021年、船越は営業として初めて、8カ月間の育児休業を取得しました。仕事においても前例のないことに果敢にチャレンジしていきたい、と意欲的です。そんな船越が期待する未来は、糖尿病領域におけるデジタルソリューションにより、最終的には糖尿病の治療から予防へと変わり、生活習慣病としての糖尿病という認識が変わる社会の到来。

そのような社会実現の一助に向けて、船越はこれからも、より良い治療方法を提供できるような取り組みを続けていきます。