医療現場のニーズに沿った講演会を開催し、大盛況に導く

article image 1
▲左より江川、日下

江川 「私は希少疾患領域のプロダクトマネジャーとして、患者さんやそのご家族向けサポートや疾患の認知向上の活動を担当しています。希少疾患と言っても治療の選択肢はあるので、どうすれば疾患の認知度を向上させ、患者さんを治療へと導けるか、に日々向き合っています。

また、希少疾患という特性上、“医師も初めて診る”という状況も少なくありません。正しい情報をどこにどうやって届けるか、そういった状況にある患者さんやそのご家族のために何ができるのか、について日々向き合っています。特に希少疾患領域では、患者さんの人生に寄り添う姿勢が求められ、改めて自分の仕事は患者さんの人生を豊かにしていくことのお手伝いをするなのだなと感じています」

一方の日下は、希少疾患領域の営業として、医師を通して患者さんやご家族のサポート活動・疾患の認知向上、として適切な治療の推進に取り組んでいます。

日下 「患者さんの治療パートナーとして、疾患啓発や遺伝カウンセリングを促進させるために何ができるかを考えながら仕事をしています。この疾患領域では長期的な治療が必要なため、長いスパンで疾患と付き合っていくことが求められます。

そういった観点からも、私は5~10年先を見据えた活動をしています。マーケティングとの協業としては、患者さんの一番近くにいるドクターからアンメットニーズを聞き出し、それをフィードバックして形にしてもらいます」

日下からは、マーケティングだけでは汲み取り切れない医療現場のニーズを、適切なタイミングで受け取っていると話す江川。

江川 「たとえば講演会1つをとっても、私たちマーケティングが企画すると薬剤の良さを伝えたいがため有効性や安全性などのデータにフォーカスしたものになりがちです。そこでマーケティングが独り歩きしないよう、現場のニーズを的確に伝えてくれるのが営業の皆さんです」

日下 「私たちが向き合っているのは、遺伝性で進行性の難病です。症状の進行を抑制し、QOLの向上を目指すのがわれわれの扱う薬剤。先生方が直面するのは『どの薬剤を使用したら良いか』ということより、『病状が進行したときの全身管理』について。現場のニーズを知る営業として、そこにフォーカスした講演をと、強く訴えました」

こうして二人で取り組んだ初めての講演会は予想以上に反響が大きく、顧客満足度が非常に高かったと言います。治療薬を提供するだけではなく、患者さんやご家族の人生に寄り添い、自分たちにできることを形にしていくこと。患者さんの人生がより充実するように貢献すること。それが自分たちの仕事の目的だと、二人は考えています。

大切なのは、患者さんや医療関係者に誠実な対応を地道に続けること

article image 2

実は、江川が希少疾患領域のプロダクトマネジャーになったのは1年半前。それまではプライマリー領域のMRとして活躍していたため、取り扱う領域の経験も、プロダクトマネジャーの経験もゼロからのスタートでした。また、領域の特性として密な信頼関係をベースにニーズを汲み取ることが重要なのにも関わらず、コロナ禍で対面でのコミュニケーションができないという難しい状況だったと言います。

江川 「私がプロダクトマネジャーになったのは、発売15年目にして初の競合品があらわれるというタイミングでした。何もかもがチャレンジばかりで、頼みの綱は現場を良く知るMR。コロナ禍でデジタルツールを使用したコミュニケーションの機会が増えましたが、面を広げる活動には効果的な一方、信頼関係を構築するのには限界を感じる場面も。

コロナ禍によりオンライン講演会の機会も格段に増えましたが、数多く企画される講演会の中でサノフィを選んでもらうためには付加価値を付けていくことが重要。そのためにはニーズの汲み取りが必須でした」

特に日下が担当していた地区は、競合ひしめくエリア。本来なら自社製品をアピールしていきたいところでしたが、現場から提案されたのは「効果のアピール」ではなく、「現場のニーズに即した講演会の立案」でした。

江川 「営業の方たちと何度も話し合い、彼ら彼女らが常に患者中心志向で活動してニーズを汲み取っていることが理解できたので、その提案に基づいて企画することにしました。講演会後の反響の大きさを知り、患者さんや医療関係者に対して誠実に対応し続けることが大切なのだと、改めて学びました」

医療関係者と一緒に「患者さん中心」で考える。その原点を忘れずにいたい

article image 3

患者さんや医療関係者に対して、誠実に対応し続けることの重要性は、日下も日々感じていると話します。

日下 「コロナ禍により直接面談ができない環境下で、情報提供活動を継続しなければなりません。営業なので、どうしても売り上げが気になってしまうときもあります。ただ、そういうときこそ患者中心志向に立ち返って、メッセージを発信していかなければならないと考えています。

オンラインでの面談が主流になった今、面談をする価値がないと思われてしまえば次はありません。営業活動が前面に出た面談では、相手のニーズに沿ったものになりませんし、価値があると思っていただけないのではと考えています。医療関係者と一緒に患者さんのことを考える姿勢を忘れずに対応すること、その原点を忘れないようにしています」

「患者さんを中心に考えること」を原点として日々活動を続ける日下。医療関係者とは対面で会えない状況が続きますが、やりがいを感じる瞬間はたくさんあると言います。

日下 「このような状況下でも何かあればメールや電話ですぐに私にお問い合わせをいただいたときは嬉しく思います。『おかげで治療がうまくいったよ、ありがとう。日下君が担当で良かったよ』と言ってもらえたときは、パートナーとして認めてもらえたと感じますし、力が湧いてきます」

患者さんとその家族を救うため、希少疾患の認知向上に取り組み続ける

article image 4

「医療現場のニーズに沿った活動をすることが、患者さんへの貢献につながる」と話す江川と日下。二人で初めて取り組んだ講演会は、過去最高の参加人数を達成。ニーズに沿った活動と誠実な対応を続けたことがキーになったのではと口を揃えます。そんな二人には、今後二つの目標があると言います。

江川 「一つは、一人でも多くの患者さんを救うこと。私が担当しているライソゾーム病の患者さんは全国に300人いますが、毎年10人程度の患者さんが、新たに診断されます。その10人を適切な治療に結び付け、患者さんのQOL改善に少しでも貢献したいと考えています。自分がやらなきゃ誰がやるんだ、という想いで取り組んでいます」

日下 「もう一つの目標は、サノフィを希少疾患領域のリーダー、つまり業界をけん引する存在にすること。サノフィは30年以上、ライソゾーム病の先駆けとして治療薬の研究・開発を続けてきた会社です。一人でも多くの患者さんを救うという目標に向け、私たち一人ひとりがリーダーとして希少疾患領域の発展につながる活動していく必要があると思っています」

一人でも多くの患者さんの笑顔のために、江川と日下の活動は続いていきます。