ロゴと使命(purpose)に込められた、確固たる決意

紫をキーカラーとした新たなサノフィのロゴ、それと対となる、さらに高みを目指す使命「We chase the miracles of science to improve people’s lives」。

新たに掲げられたアイデンティティには、私たちサノフィの決意が込められています。

林 「この使命は、『私たちは人々の暮らしをより良くするために、科学のもたらす奇跡を追求する』という私たちの強い決意です。なぜサノフィが、そして従業員一人ひとりがここで働く意味があるか、この会社が『なにものか』、その存在意義を言葉にしたものです。
miracle(奇跡)、というと遠く壮大な印象を持つかもしれませんが、ここでいう奇跡は着実な実現を目指すものです。熱意ある有能な人財、最先端の科学やアプローチの力を信じ、訴求することで医療現場やセルフメディケーション業界、そして何より患者さんへの大きな変革を起こす──。そういうグローバルヘルスケア企業としての高みを目指す決意表明なのです」

50年にわたる事業活動を経て、なぜ今、コーポレートブランドを一新したのか、林は説明します。

林 「サノフィは創設以来、患者さんのニーズに応えるために多くの合併などを続け、メガファーマとして発展してきました。一方で、それは自分たちがなにものか、そのアイデンティティが不明瞭になることにつながりました。そして2019年、新しいCEOとしてポール・ハドソンが就任し、社会、医療の急速な環境変化に対応する中長期戦略を立て、変革を進めてきました。この強い変革の決意を名実ともに表現しようということで、新しいブランディングを社内外に示すこととなったのです」

※新しいコーポレートブランドとロゴを発表したプレスリリースはこちら

斬新なロゴと大胆な使命。社員が一丸となって「奇跡」を追い求めるために

広報部長として新ブランドの浸透を指揮している林ですが、最初にビジョンを目にした時の印象について、次のように振り返ります。

林 「まず、『miracle』という言葉に目が行きました。日本語で『奇跡』というと計り知れず、実現不可能な語感を覚えます。ただ、“奇跡を追求する”ということは、患者さんのためにそこまでの高みにたどり着くんだ、そして私たちも奇跡を起こすという新たな心持ちで挑むんだという、会社の強い決意の表れ。そこに刺激を感じるようになりました。ここまで言い切るのは容易ではないと思います。しかし、不可能なものを可能にしないと、もはや医療の改善を飛躍的に伸ばせない。

私たちの先には薬を待つ患者さんやご家族がいます。私自身、希少がんで3年前に夫を亡くしました。ですから、1秒単位で治療薬を待ち続ける強い念、治験に参加する勇気と不安、そしてその刹那な想いを理解してくれる医師や製薬企業の存在に、どれだけ勇気づけられるかを思い返すと、個人的に当社の使命には誇らしさを感じます」

そして一見、シンプルに社名をかたどったロゴ。その形や配色にもさまざまな意味が込められていると林は語ります。

林 「sanofiのロゴの『s』はクエスチョンマーク、つまり疑問が起こる始点、最後の『i』は『!(わかった)』と奇跡にたどり着くエクスクラメーションマークを模しています。つまり2つの紫色の点は、科学研究のスタートラインとゴールラインを表しているのです。

そしてロゴのドットは完全な正円ではなく、ミクロレベルで小さなドットがそこに存在しています。これまでに結集してきた従業員一人ひとりの集合体、全体でサノフィの使命を追求する姿を示しています。この機知に富んだ、そしてグローバルの会社としてつながりを感じるロゴにも、私は親近感を覚えます」

そもそも、ブランドやブランディングと聞いたときに、消費財領域の製品のイメージやキャッチコピーを想像することが一般的ではないでしょうか。いうなれば、その製品の世界観を一目で表すようなものです。

一方で、企業のブランディングとは、その会社の存在意義、働く人々の共通した矜持、どういう会社かを明確に視覚的に、また言葉で継続して表明するものです。つまり、会社のブランドはその組織を包含するものであり、容易に変わることはありません。

林 「自分のキャリアにおいて、リブランディングを経験することは稀有なことだと個人的に感じています。会社のあり方をビジュアル、言葉、姿勢、すべてを包括して変え、表明するという、極めて重要な節目です。この新しいブランディングも、今後50年、私たちサノフィが社会や医療、何より患者さんたちにどう貢献していくのか、腹をくくって考える機会になりました。この機会に接し、社員をまとめてリードできたことが、非常に感慨深いです」

新ブランド発表の社内外の反応──リブランディングは次なる飛躍へ踏み出す出発点

今回の新ブランドは、2月初旬にフランス本社が発表し、その後、日本でもタウンホールミーティングで社員にお披露目されました。林は、自分自身が最初に驚きを感じたこともあり、社員が、大胆な使命と斬新なロゴデザインに、どういう反応をするかと不安な気持ちもあったといいます。

しかし、社員からの事後アンケートを見る限り、大半の社員は新しいブランドと使命を理解し、受け入れており、今後新ブランドを積極的に外部にアピールするアイデアも多く寄せられました。

林 「私の心配は杞憂に終わり、とてもモダンでわかりやすくなった、というポジティブな反応が多かったのはうれしかったです。考えてみれば、過去2年、サノフィは中長期戦略『Play to Win』を通じて変革の途をたどり、その延長に、新たな高みを目指したブランディングが使命として定義されたので、割と腹に落ちやすかったのかと思います」

ただ、一夜にしてブランドが定着することはないと林は語ります。今後チャンピオンと呼ばれる10名ほどの社員たちが、ブランドを広げる活動を展開します。それと同時に、事業部や部門ごとにも新しい使命を持つ企業にいる自分たちのすべきことを考え、社員一人ひとりが日々の活動に反映させていくことが肝心だと考えています。

林 「ブランドで重要なのはロゴではなく、その会社で働く一人ひとりが、その存在意義を体現する集団として持続的に成長する求心力と言えます。つまり、会社の使命を自分自身の日々の仕事にどう反映するのか、ということを社員が理解し、実践していくということが、新しいサノフィを形作っていくと思います。

社員からも、広告やSNSを利用した新ブランドのPR案、グッズ制作、学会や外部との接点があるたびに新ブランドを告知するなど、多くのポジティブな提案がありました。もちろん、SNS等を通じての発信をしながら、今後も新ブランド認知に向けた活動を展開する予定です」

仲間を集い、決意を新たに歩む次の旅路

新しい使命のもと、再び次の50年を見据えて歩み始めたサノフィ。今後の挑戦は「サノフィアンを社内外に増やすこと」と林は強く語ります。

林 「私は、グローバルで有数の企業となりながら、ベンチャー企業のようなチャレンジ精神で高みを目指す、新たなブランディングに踏み切ったサノフィの企業姿勢を、非常に嬉しくとらえています。プロジェクトリーダーとして、今後も多くの社員を巻き込み、精力的に取り組んでいきたいと思います。

そのためにもまずは、サノフィの認知度をあげ、私たちが目指すものを知ってもらい、賛同してもらうことが大事だと考えています。そして、社内外に、サノフィのファン=Sanofianを増やしていくこと。単にロゴが変わった、目的が示された、ということではなく、新しい世界が持つ科学の力、人の可能性を信じて皆がワクワクして集まってくるような企業ブランドになれば、という期待を込めています」

多様な歴史と、未来に向けた野心的な戦略を融合させてつくられた、新しいコーポレートアイデンティティ。サノフィは、新ブランドと使命を、多様な人財を通して実現するために動き出しました。立ち止まらず、たゆみない歩みを続ける、というキーワードの下、社員たちは医療を変革し、不可能を可能に変えるため、日々研鑽に努めていきます。