3年間で現実的に高まった、トランスフォーメーションの必要性

Ridgelinez株式会社は事業をスタートさせてから、2023年4月現在で丸3年になります。この3年間は当初からめざしていた、日本企業のトランスフォーメーションにフォーカスしたサービスを徹底して行ってきました。DXコンサルティングファームとして、日本企業に必要なのはX(変革)だと思うんですね。
変わりたくても変わりきれない日本企業の変革を本当の意味で変革させる。そのための組織的な行動変容を促す。そうした変革に役に立つ会社であることが、私自身の考えるRidgelinezのパーパスで、まだまだ足りないところはあるとは言え、3年間継続してこられたのだと思っています。
新型コロナウイルス感染症のパンデミックが発生してからコロナ禍での3年間でしたが、大変なのはみんな同じでした。そうすると、お互いに助け合わないといけないという心境になるんですね。そうしないと社会が維持できない。だから、ありがたいことにクライアントも協力してくださるんです。
有事レベルの環境変化ですから、企業は否が応でもトランスフォーメーションせざるを得なくなりました。コンサルティング業界が活況を呈しているのは、変革を求める企業の数とエネルギー量が間違いなく増えているからです。
私たちの強みは、日本企業への深い理解と専門領域の融合

コンサルティングファームとしての強みは、日本企業のトランスフォーメーションのむずかしさを本当によく理解している点だと思っています。日本企業に特有のさまざまな事情があって、これまでトランスフォーメーションが進んでいなかった中で、私自身も日本企業に在籍していましたし、コンサルタントもそういう経験を持っている人が多いから、むずかしさはよくわかっています。
わかった上で、問題点をよく噛み砕いてクライアントに提案するので、これまでは実践がむずかしかったことでも理解を得られるんだと思いますね。そして、私たちが必ず目標地点まで伴走していくことが私たちの強みの1つです。
Ridgelinezではコンサルティングビジネスを担当するグループを分けて組織しています。戦略コンサルティングを担う「インダストリー・グループ」、課題テーマ別の専門家集団である「コンピテンシー・グループ」、先端テクノロジーに精通した「テクノロジー・グループ」の3つ。
トランスフォーメーションというのは、クロスファンクションな行動変容のことを指します。クライアントが組織・部門を横断して取り組むのに対して、私たちの方もそれぞれの専門領域を融合させていく必要がありますね。1人でなんでもできるというのはリアリスティックではありません。この三位一体のサービススタイルで、デリバリーの質とスピードを増したのも私たちの大きな強みです。
新しいコンサルティングスタイルの確立とこれからのRidgelinez

3年間の結果として、私たちのコンサルティングスタイルが効果を発揮する領域もわかってきました。1つはデータドリブン経営。たとえば、間接部門でのデータ分析の自動化・省力化をクイックに行えるようにシステムを実装するようなことです。
もう1つがライフタイムバリューに基づいた成長戦略。クライアントのコアカスタマーの消費動向を分析・数値化することで、成長戦略・拡大戦略をサポートしていきます。
そして、3つめがシステムインフラの再構築にドライブされるBPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)。私たちはこれらを軸足に活動してきて、おそらくこれから数年先も変わらないと思います。
富士通グループに属しているRidgelinezは、設立当初から富士通社長から「本土からは少し離れているけれど、細い道でつながっている出島」と言われています。人材交流も資金提供もありますが、経営の主体性は当社に。富士通グループから常に新しいことにチャレンジしてほしいと期待されていると思いますね。
今後は富士通グループのメリットの1つであるカスタマーアクセスも活かして、業務の領域をいろいろな形で広げないといけないと思いますし、Ridgelinezならではのコンサルティングサービスが確立してきたところで、このモデルを海外向けに提供できるようなグローバル展開も考えています。
当社のような新しい会社のカルチャーをドライブしていくのは、新卒社員だと思いますね。またキャリア採用で入社された方々には、新たな視点と経験を持ち込んでくれることを期待します。新卒採用を継続していくことによるカルチャーの醸成とキャリア採用による多様性の維持。この2つを続けながら、「Ridgelinezとはどういう会社か?」というストーリーを皆さんと一緒に形成していければと思っているところです。
最も大切なことは、お客様へのリスペクト
新卒、キャリア、障害のある方、皆さんに共通してこうあってほしいなと思うのは、企業の変革にチャレンジしたいという強い意志を持っているかどうかです。変革するのは簡単ではありませんし、非常に大変なこと。ですが、大変なことをやるからこそクライアントから対価をいただくことが可能になるんです。
昨年度の決算でRidgelinezは対前年比売上が136%になりましたが、成長の要因は困難を乗り越えてがんばってくれた社員の力に尽きますね。それと、論理的客観性は絶対に必要な資質です。物事を客観的に観察して、論理的に説明しきる。それが好きだと思えないと、この仕事には向いていないのかもしれません。
一番大切なのは、私たちの仕事はあくまでもサービス業であるということ、このことを絶対に忘れてはいけません。クライアントへのリスペクトがないと、相手はすぐに気づきます。私はコンサルティングサービスを買う立場になった経験もあるので、自分自身のことを本気で考えて意見を言ってくれる人と、そうではない人はすぐにわかりますね。
お互いのリスペクトがあるからこそ、共感し、相手の言葉が心に入ってくるんです。ましてや上から目線の商売になってはいけない、クライアントの会社をより良く変えていくことを心の底から真剣に考えられるかどうか。それができれば、クライアントは必ず応えてくださいます。
そのような専門家としての職業倫理観を持った集団こそが、真のプロフェッショナルファーム。私はRidgelinezをそういう会社にしたいと思っています。そのことを信じてがんばってみようという人と一緒に仕事がしたいですね。