技術職の立場から、ITソリューション提供と新規事業推進を担う
山口がリックソフトへ入社したのは2017年のこと、最初はソリューション1部に配属となりました。
山口 「ソリューション1部では技術職(SIer)として、ACS(Alfresco Content Services)を用いたソリューションの提案・開発・保守サポートを担当しました。ACSは、リックソフトが提供しているエンタープライズ向けのコンテンツ管理ソフトウェアです。
ソリューション提供の具体的な業務内容は、作業工数の見積・ソリューション提供に必要な技術検証・SI作業・ソリューション提供後のサポートなど。これらの業務には現在も携わっており、ACS関連のお問い合わせに私が応対することも少なくありません」
2021年からは、ソリューション開発部・開発1課にてACSのソリューション提供業務に加え、新規製品開発事業も担当するようになりました。
山口 「新規製品開発事業では、ニーズに基づいたアイデアを出しつつアイデア実現に必要な経験・ナレッジの蓄積を進めています。より迅速で柔軟な開発ができるように、開発担当と運用担当の協働体制(DevOps)も推進しているところです。
ソリューション開発部は主に開発チームとソリューション提供チームの2チーム構成で、私は開発チームの一員として現在は2件のお客様を担当しています」
開発1課ではチーフとして後輩の仕事にも気を配っています。
山口 「チーフの立場になり、若いメンバーのキャリアややりがいについて、より『何かできないかな』と考えるようになりました。たとえば、今後のキャリアに悩んでいる後輩に対しては、キャリアの方針ややりがいを考えるきっかけ作りをしていきたいですね。
これは各メンバーのモチベーションアップや社内の技術力向上、そして私自身のキャリアを見つめ直す機会にもなると思いますので、チーフとして、1人の中堅社員として、しっかりと取り組んでいかなければなりません」
好きなプログラミングを仕事に。「より効率的な開発・業務」をめざして転職
エンジニアチームでチーフとして日々の業務に尽力する山口は、リックソフト入社までに2社で経験を積んできました。
山口 「大学院を修了後、新卒入社したのは工場のフィールドサービス(作業スタッフが現場に足を運び、点検・修理等を実施するサービス)でした。しかし、私が興味を持っていた分野と乖離があったため、1年で転職を決意しIT系の技術職を探し始めました。
大学時代は機械工学部で、ゲームやロボットを作るサークルに在籍していたこともあり、サークル活動でのプログラミングの機会をきっかけにIT技術が好きになるとともに、さらなる興味がわいていたんです。こうした経緯から、転職を考え始めたときに『やはりプログラミング・IT関連の仕事に就きたい』と考え、IT業界に入る決め手になりました」
転職先のIT企業で、山口は初めてSIerとしての業務を経験します。
山口 「2つめの会社では、主に業務システムの開発を担当。実装・テスト・設計ほか、リーダー代理を担当したこともあります。SIerとしてお客様の会社に常駐する働き方でした」
前職で3年間働いた後、山口は再度、転職を決意しました。
山口 「3年間の経験を積んだので、さらなるステップアップをめざそうと思いました。転職先選びで念頭に置いたのは、より効率的な開発・業務をめざせる環境かどうかです。リックソフトは、ACSのほか、組織のつながりを最適化するAtlassian社の製品を軸とした業務効率化に寄与するサービスを多く扱っていたため注目していたことから、転職を決めました。
実際にリックソフトで働いてみて、より効率的な開発・業務をめざせる環境であることを痛感しています。より効率的な開発・業務遂行をめざすことは入社当時から変わらず現在も私のモチベーションの根幹部分にあります」
リックソフトだからこそ得られた新たな経験と学び、そして挑戦
リックソフトへの転職は、山口に新たな経験をもたらしたと言います。
山口 「リックソフト入社後、お客様のSI作業の全工程(要件定義~運用サポート)を担当しました。SIerとしては初めての経験で非常に大きなチャレンジでしたね」
この大きな挑戦で山口は、SI作業の全工程に関わる難しさを知り、大きな気づきを得ます。
山口 「実は、この案件で見積もりを超える作業が多く発生してしまったのです。原因は、お客様の要求をまとめきれなかったことにありました。
私は、前職の客先常駐の経験からお客様のご要望をできる限り多く実現するのが良いSIだと考えていました。この考え自体は間違っていないはずですが、リソースは有限ですから、最も優先度の高いご要望を見極め、それに対してリソースを配分しなければなりません。お客様が一番やりたかったことに対し、しっかりとリソースを配し、高いソリューション品質を実現することこそが最も重要なんだと気づいたのです」
この気づきによって、以降の案件ではスムーズに実施できるようになりました。
山口 「この案件以降、お客様へのより深いヒアリングを実施し、ご要望をある程度絞り込んでそこに集中するようになりました。その結果、仕様の追加・変更を減らすことに成功したんです。工数をオーバーすることなく、見積もり内で案件を終えたときは嬉しかったですし、大きな成長を自分でも感じられましたね。
余裕のある見積もりによってサポートに関する資料作成の時間も取ることができ、より高いソリューション品質の実現に寄与できたと自負しています。
結果としてこの一連の流れからは大きな学びを得ましたが、もちろんお客様にご迷惑をおかけすることは避けなければなりません。この経験を後輩などにもしっかり伝えていきたいです」
裁量の与えられた環境で、より効率的な開発・業務をめざすことができていると山口は感じています。
山口 「裁量には責任がともないますが、より効率的な開発・業務を私自身が作っている実感があります。広い視座でプロジェクトに関わり、必要な振る舞いが身につく環境はリックソフトならではだと思いますし、その意味では非常に成長できる環境です」
一つひとつの業務で「喜びの瞬間」を増やしつつ、新規開発事業も推進
山口は、業務の中で喜びを感じる瞬間があります。
山口 「トライアンドエラーの末に、自分で設計したものがきちんと動いたときは非常に嬉しいです。結果としてお客様から感謝の言葉をいただいたときは、大きなやりがいと喜びを感じますね。今後も、そのような『喜びの瞬間』が増やせるよう、業務精度の向上をめざしていきたいです」
また、新規開発事業についてもどんどん推進していこうという意志が今は強くあると言います。
山口 「新規開発事業のアイデアについては、お客様からのお問い合わせが大きな参考になります。とくに、複数のお客様から似たお問い合わせがある場合には、お問い合わせのご要望・課題に対するソリューションのパッケージ化を検討する必要性が出てきます。
最近では電子帳簿保存法改正に関するお問い合わせが多いので、ここに関するソリューションをご提供できないかと思案しています」
こうした新規開発事業を成功させるためにも、効率的な開発・業務をめざせる体制作りは不可欠です。
山口 「社内の開発プロジェクト体系化とナレッジの積み上げが、とにかく新規開発のためには不可欠。ここに重点を置き、今後も新規開発事業を推進していきます。
すでにDevOpsの体制作りを進めていますが、中でもCI/CD(ソフトウェアの変更を常時テストし、本番に自動適用できる状態にする開発手法)に対する興味は強いですね。開発・テスト・リリースのサイクルの効率化と、その体系化・パッケージ化を進めることは、今後の大きなミッションです」
このような目標を達成する上で、自身の性質が役立つ部分があると山口は考えています。
山口 「私自身、知的好奇心の高さと問題解決に対するこだわりが強みだと思っています。とくに知的好奇心は、私の原動力かつ、生きがいとも言えるものなので、今後10年、20年経っても持ち続けていたい。技術職として一番大事なことは、知的好奇心を持ち続けることだと考えています。
こういった好奇心は可能な限り業務にも活かしたいですし、一緒に働く皆さんや、今後入社される皆さんと刺激し合い、さらに挑戦・成長していきたいですね」
持ち前の好奇心・探究心とソリューションへのこだわり、そして多くの気づき──自身の強みを存分に活かしながら山口はこれからも新規開発事業を牽引していきます。