“技術”だけでなく、“働きやすさ”もエンジニアにとっての幸福条件
高い技術力をもつ会社であること、新しい事業や技術に取り組む会社であることは、エンジニアが企業を検討するうえで、またエンジニアがその企業で活躍できるかを判断するうえで重要な要素のひとつでしょう。
ただ、いまの時代大事なのはそれだけでしょうか。エンジニアに限った話ではありませんが、昨今においては「働きやすい会社」であることも、また重要な要素のひとつとしてあげられると思います。
では、働きやすさをより具体的に言語化してみましょう。福利厚生がしっかりしていること、働き方が自由であることはもちろん、自分のやりたい業務があり、さらに欲張るならば新しい技術にチャレンジすることができる機会が常にあるということもあげられると思います。
大野 「私がリックソフトへの転職を決めた理由のひとつは“ 情報に対してオープンな企業 ”と感じたからです。リックソフトは雑誌『Software Design』をはじめ、さまざまなメディアに記事を寄稿していますし、社内ブログでも随時情報を公開しています。それらの情報から会社の社風や得意分野、技術力などを伺い知ることができます。
そのうえで自分を活かせる環境なのか、もっている技術力を活かせるのかを確認し、ここなら新しい技術へのチャレンジもでき、自分を成長させることのできる環境なのかなと感じました」
そんなリックソフトの実務面に惹かれて入社したエンジニアの大野。入社後、彼は"働く環境の大切さ"にも気づきます。
たとえば、有給休暇や福利厚生はほぼすべての企業に用意されている制度ですが、これらがあまり機能していない会社を見かけることもあります。
しかし、大野は「リックソフトは、有給休暇の取得率が高く、またフレックスタイムや在宅勤務等の福利厚生も利用しやすい環境であり、それぞれがきちんと機能している」と語ります。
もちろんこれらの制度を利用するうえでは、日頃より自分自身の業務管理が適切に行なえていること、チームの業務状況を適切に把握できていること、そしてそれらが自己の裁量で適切に管理できていることが、社員各自に求められますが、これらの制度が優秀なエンジニアの能力をより引き出している要素であると、私たちは考えています。
1通のメールで決めた未知の会社への転職
2016年10月に当社へ転職してきた大野。その理由は「Webを活かした業務や開発を進めたい」というものでした。
前職はWindowsクライアント向けのアプリケーション開発を主な業務としている会社でした。私はその中で、社内外のWebシステム開発やWebサイト制作等のWeb系の業務に携わっていましたが、私を除いたエンジニアのほとんどがWeb系のエンジニアではありませんでした。
例えばそれらのエンジニアへの引継ぎに配慮した技術選定など、技術面で消極的にならざるを得ない場面がありました。また、クラウドサービスやビジネスチャットをはじめとしたツールの利用もなかなか難しく、Webの活用という面においても満足の行く環境ではありませんでした。
そのため、自分が望む“環境を得ることやスキルアップ”は難しい状況であった、と振り返ります。
大野 「初めての転職であったため、自分の経験をどこまで活かせるか、どの程度通用するのかという不安はありました。ですが、前職ではこれ以上Webを活かした業務や開発は望めないと感じていましたので、転職を決意したんです」
転職サイトや知人の紹介などでさまざまな会社をチェックしていた大野。そんななか、大野がリックソフトを知ったのは、転職サイトを通して当社から送られたスカウトメールがきっかけでした。その時点では、初めて知る会社。当然、何をやっている会社なのかも知りません。調べてみて初めて、アジアでトップレベルのAtlassian Platinum Solution Partnerだということがわかりました。
大野 「Atlassianという言葉はどこかで聞いたことあるなと思っていたら、私がこれまで利用していたBitbucketやSouceTreeを開発している会社でした。リックソフトは、その製品を取り扱うトップレベルのAtlassian社のパートナーであるという点で親しみをもちました。また、会社Blogや雑誌の連載などから、Webやインフラに精通したエンジニアが多く在籍していることが容易に想像できたので、その環境から自分の希望を叶えて働けると思ったんです」
不安は多少ありましたが、それ以上に仕事環境への期待と新たに挑戦したいという強い思いが、大野を突き動かしたのです。
“自由”だからこそ、お互いの得意を活かして技術を発展させられる
また、リックソフトの社風は良くも悪くも“自由”。個人の意見を大事にしていて、まずは意見を聞いて、やるかどうかを決めています。
そんな社風のせいか、社員同士で(口は閉じたまま文字だけで)賑やかに意見交換している、という風景がよく見られます。
大野 「前職は少人数の会社だったことや、非Web系の業務が中心であったこともあり、私自身色々なことを1人で進めることが多かったのですが、ここでは社内外のメンバーとチームを組んで動くことが多いので、たくさんの人から刺激を受けています。
一般的に、エンジニアは専門職なので帰属意識がほかの職種と比べて低く、あまり周囲とコミュニケーションを取らない傾向になりがちですが、お互いの得意分野を共有できて、かつ皆がスキルの向上に余念がない。だから、よりよいものが生まれ続けているのだと思います」
また、隔月1回程度、社内で勉強会を開催。ここでは技術報告会や外部の講師を招いた講義を開催し、それぞれの知識を深めています。さらに、大野もそうですが゙外部のコミュニティに参加していろいろと意見交換をしている社員も多いのです。
大野 「今までの技術だけで頑張ろうというのではなく、どんどん新しい知識や技術を吸収して成長していこうと思える、そんな人が楽しんで働ける土壌がここにはあります」
技術だけを追うのではなく、物事の本質を見極められるエンジニアへ
成長のためには知的好奇心をもち続けることが必要だ、と私たちは考えています。
目の前の仕事だけにとらわれるのではなく、常に新しい情報を探し続け、自分の中にインプットし、何度もそしゃくしたうえでアウトプットする。そのくり返しが人を成長させるのです。そしてもうひとつ。「本質を見極める力」、この能力を磨くことが何よりも大切でしょう。
エンジニアにとって技術は命といっても過言ではないかも知れませんが、技術だけを追い求めていても価値を生み出すことはできません。
本当に大切なのは、お客様が困っていること(本質)をきちんと汲み上げ、解決案を提示し、お客様にとっても自社にとっても有益になるよう業務改善を行なうことです。
たとえば、お客様からサーバーの稼働状況について問い合わせを受けるとします。その問い合わせが1度だけであればよいのですが、問い合わせの数が多くなると対応しきれなくなり、サービスレベルが低下し、お客様のストレスになってしまいます。
エンジニアはお客様のために一所懸命に頑張っているのに、お客様に喜んでもらえないという状況が継続してしまうことは、お客様にとってもエンジニアにとっても不幸なことですし、望まれるものではありません。
そこで自分がもつ技術を最大限に活用し、足りない技術は勉強しながら、ブラウザからサーバーの稼働状況を可視化できる仕組みを開発し、いつでもお客様がサーバーの稼働状況を確認できるようにしました。
「自分がもつ技術と知識で、チームメンバーの対応時間を削減でき、お客様も喜んでくれたことは、本当にうれしいことです」と大野は言います。
大野 「ただ注文されたことをやるのでは意味がありません。その注文の先にあるお客様の目的は何なのか、お客様がどこに価値を求めているのかを見失わないことです。技術はあくまでも実現のための手段であって目的ではない、ということを常に心に置いています」
Webの世界は日進月歩。刻々と技術が進化しているように、お客様も刻々と進化しています。たとえば、ほんの少し前まであまり知られていなかったクラウドは、いまや多くの会社が当たり前のように使っています。
だからこそ、それぞれのお客様の要望に応えられるよう、私たちも日々技術を磨き、成長することが求められます。当社の“働きやすさ”はそのための材料のひとつです。すべては、お客様も社内もみんなが幸せになるために――。