お金持ちになって自由になりたい──芸人を志した原点

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▲芸人時代

18歳のころ、お金持ちになって自由になりたい、という一心から、お笑い芸人になることを決めて上京しました。

物欲や金欲があるというわけではなく、縛られた平凡な生活が嫌だったんです。縛られることから逃げたい、自分の時間の使い方を自分で決めたい、と考えていました。

しかし、高校3年のときは進学校に通っていたので、大学進学が当たり前といった雰囲気があり、周りからも「大学に行ったら?みんな行っているし、遊べるよ」と言われました。

僕はそれを聞いて、逆に絶対大学には行かないって思いましたね。大学へ「遊びに行く」って、なんか違うと感じたからです。

でも、当然のことながらお笑いの世界は甘いものではなかったんです。当時、テレビのコンクールで優勝するほどおもしろい先輩でさえアルバイトを辞められない世界でした。「僕、この人にはお笑いで絶対敵わないな」と感じる人ですら、お金をあまり持っていなかったんです。

そうした状況を見て、芸歴9年目のときに、お金持ちになるために芸人を目指した僕の考えは間違っていたとやっと気づきました。お笑いが心から好きで一生やりたいと思っていないとこの仕事は続けられない、と悟ったんです。

そこから、お金とはなんだろうと思い図書館に通い詰めて、資本主義の仕組みを一生懸命勉強しました。そこで、起業しないと時間やお金の自由は手に入らないということに気づき、芸人を続けながら起業しました。

当時僕が立ち上げたビジネスは、日本でおもちゃを問屋から仕入れて、アメリカのAmazonで売るという事業です。当時は起業したと思っていましたが、今から思えば単なる小遣い稼ぎくらいでしたね。

縛られない働き方は実現できましたが、やりがいはまったく感じていませんでした。しかも仕事の原理原則も全く理解できず、数字の管理もできていないまま。

本来であれば起業する以上、最低限必要なことは勉強するか調べてからやるべきでしたが、それをしなかったので当然うまくいきませんでした。

その結果、300万円ほどの借金ができてしまったんです。

サラリーマン修行の日々──「人を縛らない」ビジネスとの出会い

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▲Revoオーナー3名とRE/MAX JAPAN CEO

今でこそ、仕事は困っている人を助けるもの、誰かを幸せにするものだと思っていますが、最初の起業はそれがまったくありませんでした。ただ自分が楽をしてお金を稼ぎたいくらいにしか考えていなかったんです。でも、この失敗は教訓として今生かされています(笑)。

そこからは、いずれ独立することを視野に入れてイチから勉強しようと思い、サラリーマンになることを決意。サラリーマンにならないために芸人になり起業もしたので、修行としてのサラリーマンの期間は、行かなかった大学の分で「4年」と事前に決めました。

経験を積むことができて、さらには給料ももらえる。大学に入ってビシネスを学ぶよりも、実践から学ぶことができるので良い環境でしたね。

不動産投資に興味があったので、起業する業界は不動産と決めていました。そのためにこの業界で経験を積むことにしました。

まずは300万円の借金を返すために、とにかく年収の高そうな仕事を探し、投資用ワンルームマンション販売会社に就職しました。がむしゃらに仕事をして無事に借金返済を達成できたので、1年ほどで退職しました。

2社目は福岡に移り就職。ここでの仕事は東京本社で仕入れたオフィスビルなどの物件を九州の経営者の方に提案し販売することでした。お客様がみんな経営者だったので、独立する上での勉強になることがたくさんありました。

ただ、提案力はついたものの不動産知識については実践であまり学べなかったんです。そこで不動産に精通するためにはやはり不動産の仲介会社だと思い、転職を考え、西日本エリア売上1位を獲得したのを機に退職しました。

このころに、のちの共同オーナーとなる朝野 慶一からある提案を受けたんです。彼は保険商品を扱っていて、不動産と縁のある仕事に携わっていました。お互い、紹介をベースに仕事をしていたこともあり、会社は違えども当時からビジネスパートナーのような存在でした。

その彼から、RE/MAX事業を一緒にやらないかとお誘いを受けたんです。すぐに西日本エリア本部であるRE/MAX Kansai/Osaka へ朝野と共に話を聞きに行ったのですが、30分後には加盟しようと決めていました(笑)。

僕自身、人に縛られるのも人を縛るのもとても嫌いなんです。でも起業して社員を雇用するとなるとある程度縛ることも必要になるのですが、それは違うとずっと思っていました。

でもRE/MAXでは、エージェント候補者の方に「社員になりませんか」ではなく「社長になりませんか」という話ができると知り、僕の生き様がそのまま生かせる場所があったんだと感動し、即決しない理由はありませんでした。

「100人の社長を作る」エージェント支援を軸にした新たなビジネスとは

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2019年10月、朝野ともう一人のオーナーである高松 一郎と共に、3名でRE/MAX Revoを始めました。

僕たちのビジネスはエージェントセントリックモデルといって、エージェントを中心としてビジネスが構築されていきます。僕たちの仕事はエージェントさんの採用と全面的サポートです。

エージェントさんがどれだけ稼げるか、どれだけ気持ちよく働けるか、どれだけ個々の夢を叶えられるか、というところに焦点を当て、次に何をやるのか、右にするのか左にするのかという判断を日々しています。

勉強会や案件のご紹介、個別の面談は随時、また新しいシステムの導入も声が上がればすぐに見積もりをとって、OKと判断すれば惜しみなく導入しています。

そしてRE/MAX Revoでは現在、「100人の社長を作る」という目標を掲げています。

資本主義を2つに分けると、お金をもらう労働者とお金を使ってビジネスをする資本家がいて、社長さんというのは、もちろん後者に該当します。

RE/MAXのエージェントさんは自らお金を払って自分のビジネスを展開するので、資本家であり社長さんと同じ位置づけです。何かに縛られずお金を稼ぐ、自由に生きるという働き方を実現できるんです。

なので、エージェントになることは単純に仕事を変える転職ではなく、労働者から資本家になるという、その人の人生を左右する出来事になることもあります。

決して簡単なことではありません。

ですから、安易にエージェントになることは勧めず、「ご自身のビジネスであり、何かを与えてもらうという考えでは難しい」という説明を何度もしています。きちんと理解してもらうからこそ、僕たちのサポートが生きると思うんですよね。

Revoのエージェントの6割は、不動産仲介会社出身の経験者で、起業を視野に入れている人やカウンセラー、会社経営者や政治家の秘書の方もいます。

多様な人材が在籍する中でも、さまざまな実績がある不動産業界大ベテランのエージェントである深町 昌弘氏がジョインしたときのことはよく覚えています。

当時未経験のエージェントさんが何人かいる中で、深町さんから「僕はここに入って、みなさんに何をしてあげることができますかね」と言われたんです。エージェントとして僕たちのオフィスにお金を払っていただいているのだから「何をしてくれるの?」という考えでもおかしくありません。ですから、この言葉にとても感動しましたね。

深町さんは今も月に2回、エージェント未経験の方向けに1回2時間程、不動産実務の講義をしてくれています。

エージェントが夢を叶えられるように──さらなるビジョン

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▲定例勉強会

僕たちは今、「100人の社長を作る」という夢を掲げています。

ですから、今後はどんどんエージェントを増やしていきたいですね。2020年12月時点で、オーナー含め20名ほどで稼働していますが、20人のオフィスより100人のオフィスの方が切磋琢磨もできますし、生産性は絶対に上がると思っています。

エージェントが増えることは僕らにとっては原資になり、その原資をもとにまたさらにサービスへ還元することで、一人ひとりの負担を減らしていくことができる。そこは常に意識していることです。

現在、リフォーム会社を経営されている方、税理士法人の代表など、さまざまな能力を持ったエージェントにも参画していただいてます。不動産に関わらずクライアントのさまざまな問題をワンストップで解決できるオフィス作りができていますし、今後も更に拡大させていきたいですね。

100人の社長を作るという夢は、残り2年で達成したいと思っています。

そしてそれが達成したら次の3年で「100人の投資家」をつくりたいと考えているんです。エージェントの皆さんが各自不動産を保有して賃料収入を得られるようになってほしいと思っています。

たとえば不動産による収入が年間500万円となれば、お金の悩みからある程度解放されると思います。そして、お金のためではなく、「自分のため、家族のため、そして社会的立場の弱い人たちのため」といった本当の自分が描く夢を叶えてほしいと思っています。

なので、最後の夢は「100人の夢を叶える」。

それができるのがRE/MAXのビジネスであり、その場所の提供が僕らの使命なんです。

僕らオフィスオーナーはエージェントさんのために全力を尽くします。その上で、エージェントさんはお客様のために全力でサービスします。

RE/MAXのオフィスオーナーとエージェントというのはビジネスパートナーであって、社長と社員のような上下の関係ではなく、対等な関係です。そして、お互いが自分の役割を果たすことで最良の関係になると思っています。

誰かの幸せのために、もしくは誰かが困っていることを助けるというこの2つを忘れずに、お金を得てほしいと思います。それさえ忘れなければ、このビジネスは100%成功すると僕は確信しています。