きっかけは、カッコいい社員への憧れ
小学1年生からサッカーを始め、プロ選手をめざしていた田村は、大学4年の秋までサッカー漬けの日々を送っていました。
田村 「高校は寮生活で、授業は午前中だけで午後はサッカーという毎日。大学もスポーツ推薦で進学した夜間部の学校です。サッカー部の練習は朝だけで、毎朝始発に乗って練習に行き、昼間はバイトをして夜から学校という4年間でした」
周囲にはプロになる選手が身近にいる環境。しかしプロ選手にはなれなかった田村は、4年生の秋になり気持ちを切り替えて就職活動をスタートさせます。
田村 「就職活動をはじめた時点で『もうサッカーは大学まで』と自分の中でけじめがついてたんですよね。でも何かスキルを持っているわけでもなく、また仕事のイメージもあまりなくて。ただ、ずっとスポーツをやっていたので、数字を追ってく、目標に向かって取り組むのは性に合ってるだろうと、営業職を探しはじめました」
人材業界はコミュニケーション能力や営業力が身につきそうなイメージがあったと言う田村。ランスタッドに興味を持ち、社員との面談に臨みました。
田村 「社員の方が『自分次第でどうにでもなる、かなえていける会社だよ』と説明してくれたのが印象的だったのと、面談をしてくれた方がオシャレでスタイリッシュな雰囲気で、社会人としてカッコ良かったというのが大きかったですね。こんなふうになりたいと単純に憧れました」
こうして約40名の同期と共にランスタッドに入社することに。ランスタッドにとっては数年ぶりの新卒大量採用でした。
なぜ結果が出たのか。理由を探ることで見えてきた周囲の助け
本社での1カ月の研修を経て、ゴールデンウィーク明けから支店に配属となった田村。周囲の先輩社員はすでにベテランの域に達している人たちばかりだったと言います。
田村 「少し不安もありましたが、本当に良い人ばかりで、丁寧に教えてもらい可愛がられましたたので、苦労を感じることはまったくありませんでした」
はじめは先輩に付いて仕事を教えてもらう日々。しかし予想以上に早く担当企業を受け持つことに。実際に担当を持ち、先輩にフォローしてもらいながら仕事を覚えてくというスタイルで、早めに成功体験を味わうことができました。とても恵まれた環境にいたと当時を振り返ります。
田村 「派遣スタッフの方々とのやり取りも慣れるまでは大変でした。それぞれの派遣スタッフごとに立場や置かれた環境があって、それを自分の中でストンと理解できるまではストレスを感じることが多かったです」
慣れない社会人生活のスタートで直面するストレス。それでも、比較的早い段階で新規クライアント企業との契約が実現した喜びを、田村は今でも覚えています。
田村 「先輩にフォローしてもらい契約が取れて、すごく嬉しかったのを覚えてます。その嬉しさを早めに知ることができたのは良かったかもしれないですね」
こうして入社から3年目ごろまで、順調に売上を伸ばし続けていた田村。優秀な営業成績を表彰されたこともありました。
田村 「そこから苦労しました。はじめに担当したクライアント企業が良かったこともあり、運良く結果が出ていたので、ただやるべきことをやるだけで数字が上がっていました。なぜその結果が出ていたのかなんて考えていなくて。結果が出なくなって初めてそのことに気づきました」
一人では成績を上げられない。お客様や社内スタッフ、すべての人への誠実な対応が実を
社会人になって4〜5年目のころは、なかなか思うように数字が上向きになりませんでした。なぜ結果につながっていたのか、結果が出ていたときに自分が何をしていたのか。それすらもわからないということに気づいた田村。それから、理由を持って自分の行動を考え、行動して検証するというスタンスを意識するようになります。
田村 「どうすれば結果が出るかを考えていなかったから後輩にも伝えられない。以前から自分の考えを伝えたり説明したりすることに苦手意識があったので、言語化できるようにならなくてはいけないと思いましたね」
うまくいかず低迷していたころ、田村は目の前の数字しか見えていなかったと言います。しかし意識が変わったことで次第に視野が広がっていくようになりました。自分の経験を後輩に伝えていくことと同時に、クライアントや派遣スタッフだけでなく社内の人間関係にも気を配ることができるように心がけた田村。数字以外の部分で自分の成長を感じられるようになると気持ちが楽になり、自然と成績も上向いていきました。
田村 「派遣スタッフをマッチングしてくれるコーディネーターとの関係性もとても重要です。振り返ると、新卒のころは周囲の人々が『新人に数字を作ってあげよう』と動いていてくれたんだと思うんですよ。でも新人の期間が終われば、ボーナスタイムは終わってしまう。それからはしっかり考えて、コーディネーターとも意識してコミュニケーションを密に取り、関係性をきちんと作ってくようにしています」
社内外問わず“人に信頼されること”が必須の仕事だと考えていると言う田村。誰に対しても「誠実な対応」を日々心がけています。
田村 「この仕事は一人で数字を上げるものではないので、クライアントや派遣スタッフへの対応と同じくらい、社内の人に対しての誠実な態度も大事だと思っています」
マネジメントスキルを身につけたい。思考と環境の変化がもたらした自身の成長
同期入社のメンバーとは、今でも時々集まる仲。営業成績が伸び悩んでいたころは、転職していった同期の話を聞いては他の仕事について想いを馳せることもありました。
田村 「ただ現状に不満があるわけでもなく、周りは良い人ですし、辞めたいと思ったこともないんです。これから先を考えたときに、『管理職』という立場になって学べることがたくさんあるはずだと最近思うようになりました」
少し前までは、「管理職をめざす」という思考になっていなかったと言う田村。その考えが変わった理由の一つに、ワークスタイルの変化がありました。
田村 「管理職は残業が多いことが気になっていましたが、コロナ禍をきっかけに在宅勤務ができるようになったり、スーパーフレックスになったりと、ワークライフバランスが取りやすい制度が整った今、時間は気にならなくなってきました」(ランスタッドの「自分でデザインする」働き方についてもっと知りたい→クリック)
最近は自分だけでなく後輩など周りの数字も意識するようになってきたと言います。
田村 「最近、支店長がマネジメントの本を貸してくれたんです。そういう本を読む機会もあまりなかったので」
数字を設定し、その目標を達成していくところが一番のやりがいと話す田村。きちんとゴールを設定してそこをめざしていく文化に、居心地の良さを感じているようです。
田村 「商品が一つしかなければただそれを売るだけですが、ランスタッドにはたくさんのサービスラインナップがあります」
クライアントが抱える課題に応じて提案できるのは人材コンサルタントならではのおもしろさ。豊富なサービスを展開するランスタッドだからこそのメリットと言えます。仕事のおもしろさを見つけた田村は、活躍のフィールドを変え、新しい夢の実現に踏み出しています。