自由に挑戦できる環境──ランスタッドとの出会いがキャリアのステップアップを促進
前職では、世界的に有名なエンターテイメントビジネスの日本法人において、デジタルマーケティングを担当していた薄葉。その環境に物足りなさを感じていたと言います。
薄葉 「ブランドをとても大切にしていて、何をやるにも慎重な姿勢が求められる会社でした。デジタル関連の新しい施策を実行しようにも、関連部署への確認などで時間がかかるしハードルも高い。デジタルを強みとするマーケターとして成長するためには、スピーディーに物事が進んでいく環境に身を置きたいと、スタートアップへの転職を決意しました」
こうして、転職活動を始めた薄葉。あるスタートアップ企業からオファーがあり、ほぼ決まりかけていたタイミングでランスタッドのコンサルタントから声がかかりました。
薄葉 「その時話をしてくれたのが今の上司で、すごく魅力的な人だなと。ランスタッドという会社は知らなかったけど、世界の人材会社で一番大きな規模の割には『新しいことをどんどんやっていきたい』という、スタートアップに近しい感覚を持ってると感じて、ランスタッドへの入社を決めました」
スタートアップと同じように自由度が高くチャレンジングでありながら、スタートアップとは違い企業としてのバックボーンや資本力がある。この環境に薄葉は満足していると言います。
薄葉 「マーケティング担当だからマーケティングしかできないということはなく、やりたいことをやらせてもらえる企業風土。以前から『自分でビジネス立ち上げたい 』『新規事業をやりたい』という想いがあり、今はランスタッドの中でやらせてもらっています」
薄葉が主導しているのは、2019年5月に立ち上げた在宅型派遣という新たなサービス「おうち派遣」。もともとは「新サービスを考えよう」という研修課題で生まれたアイデアでした。その後新型コロナウイルス感染症が蔓延し、急ピッチでサービス化。前々職の広告代理店では起業家育成研修も受けていた薄葉が、事業をリードすることになったのです。
薄葉 「大きなリスクを取らずに新しいことを始められるのは、社内で新規事業を立ち上げる大きなメリット。資金は会社から提供され、失敗しても職を失うこともありません。『やっちゃえばいいじゃん』という感じです」
そう笑いながらも、薄葉は新規事業立ち上げの難しさを痛感していました。
難しいからこそおもしろい!10年後のさらに先を見据えた重要な戦略
自身が主導する新規事業「おうち派遣」の現状や課題について、次のように語る薄葉。
薄葉 「働きたい人はいるのに、在宅でいいと言ってくれる企業はまだ少数。コロナ禍になったばかりのころは『本当に在宅でできるの?セキュリティは大丈夫?』ということが大きな課題として立ちはだかりました。昨今はテレワークが浸透してきた半面、わざわざ在宅勤務を押し出さなくても人を集められるような市場環境になり、『それなら出社してもらった方がいいよね』と考える企業が増えている状況です」
外部環境や企業のマインドが変化していく中、クライアントからのニーズをいかに引き出すか。新たなニーズや需要を掘り起こすためには、新たな提案をして働きかけていく必要があります。
薄葉 「既存の派遣ビジネスは、昔からある一般事務や営業事務の仕事がほとんど。でもそういう仕事はいずれなくなるだろうという危機感がある。そういう危機感を持っている方もいるとは思うけど、今大丈夫だから別に新しい提案をしなくてもいいんじゃない、というマインドの人も多いと感じます」
目の前の売り上げが上がっているからこそ、先々まで考えて動くのは難しい。しかし10年後の派遣ビジネスを考えたとき、人材派遣が得意とするような単純な事務の仕事は自動化されてなくなってしまうのではないか? AIに置き換えられるのではないか? そんな危機感を薄葉は抱いています。
薄葉 「新規事業の立上げから学んだことの一つが、ボトムアップの限界とトップダウンの役割です。どれだけ中長期的な目線でやならければいけないとわかっていても、やはり営業視点では目先の売上や利益のほうが重要ですよね(笑)。自分自身も以前は営業をしていたから、それはものすごくわかるんです。ただ、それじゃ会社の未来はないよと。
そこで重要なのは、トップダウンの明確な中長期戦略なんだなと痛感しました。そこがこれから取り組むべき課題だと感じています。ボトムアップには一般社員が自由にチャレンジしやすいという側面もあるので、一長一短なんですけどね(笑)」
ボトムアップで会社を動かせるオープンな企業カルチャーの良さは感じつつも、「トップダウンでやるべきことは絶対あるはずだ」と薄葉は力を込めます。
薄葉 「『おうち派遣』は在宅だからこそ優秀な方が採用できるし、マーケティングやITエンジニア、英文事務といった高度なスキルが求められる職業こそ生きる場所。そういう職業は機械に置き換えられにくいし付加価値も高いので、次の人材派遣の柱になり得ると思うんです。でも会社全体のマインドは、一部の社員が声を上げてもなかなか変わらない。それはこの2年で痛感しているところです。といっても、難しいからこそおもしろいんですけどね!」
スタンドプレイからチームプレイへ。会社とともに自身も成長。そして、父となる
ランスタッドが成長するためにやらなければいけないことは、挙げたらキリがないほどあるし、それは自分のチームのミッションとは違うかもしれない。でも、会社を成長させたいというパッションから「誰もやらないなら自分がやる」と、薄葉は言い切ります。
薄葉 「世界最大の人材会社であっても、ランスタッドは日本においてはチャレンジャー。会社の強みや差別化ポイントを明確に作っていきたいという考えがあります。ランスタッドはグローバル企業でオランダの会社なので、ダイバーシティ&インクルージョンの要素はすごく重要。僕たちが啓蒙していけるところだと思うんです。そこで今、『ランスタッドを人材業界の中で最もLGBTQフレンドリーな会社にしよう』と動いています。そのために社内外に向けてどう働きかけるかや、NPO団体との協業を検討するなど、目下取り組んでいるところです」
激烈な競争環境の中、失敗を恐れずに常にチャレンジし続けることを大切にしているという薄葉。マーケティングを徹底的に磨き、常に競合他社に先駆けた動きができるよう意識しています。その実行には多くの人を巻き込む必要がありますが、元来チームプレイが得意ではありませんでした。
薄葉 「自分でやった方が早いと、もともと自分で全部抱えるスタンドプレイタイプ。ただ、最初は2人だけだったチームが10人まで増え、カバーする領域も大きくなり、当然1人では見きれない。だから自分がやっている業務を意識的にメンバーに任せるようにして、チームプレイを推進しています。
結果としてメンバーもマーケターとしてのスキルが上がって、始めのころと今とでは人材価値がまったく違う。他の会社に行っても通用するだろうし、未経験からマーケターとして育ってきてるのがすごく嬉しいです」
去年には業務をメンバーに任せて育休を取得。今も在宅勤務のかたわら、毎日3食の離乳食作りと子どもとの入浴の時間を確保しています。
薄葉 「ワークライフバランスが上手い方ではないと自覚しているので、4年前に住まいを都心から湘南に変えて長時間残業ができない環境に変えました。いずれは地元の福島に戻るか、こちらに住み続けながら福島をサポートするような活動ができたらと思っています」
日本社会にインパクトをもたらすマーケターを目指して。ランスタッドだからできること
薄葉は高校生までを福島で過ごしました。都会と比べて産業が少なく、若者が夢を抱いたり、社会にインパクトを及ぼせるイメージを描いたりしづらい環境だと感じていました。
薄葉 「どういうモチベーションでどんな取り組みをするかは、住んでいるエリアを問わずできること。福島の若者のキャリアや夢の幅を広げてあげられる活動ができたらと思います。そして切実なのは、高齢化社会の問題。僕の親もそうですけど、若い人がどんどんいなくなり、高齢者ばかりでこの先どうなっていくんだろうという不安がある。そういう社会をどうやったら変えられるんだろうと考えたりしますね」
40歳を目前に控えた薄葉は、50代前半で一線を退き、その後は福島を活性化して若者が地元で輝けるためのサポートをしていきたいと語ります。
薄葉 「散々偉そうなことを言っていますけど、この先のキャリアに明確なものはなくて(笑)。マーケターとしてはもっと活躍していきたいし、もっとグローバルな環境で働きたい。もっと日本の社会にインパクトを及ぼせることがしたいと思います。
いずれは、社会にいい影響を及ぼすことができるグローバルサービスを日本に展開する、カントリーマネージャーやCMOとして活躍できたらと思います。50代前半でそれをやり尽くして引退して、少し時間に余裕を持ちながら地元サポートができたらいいかなぁ」
ランスタッドを成長させていくためにも、自身の夢のためにも、学びや自己研鑽を欠かしません。離乳食を作りながらもe-Learningの講座を聞き流すなど、会社が提供しているスキルアップのための制度や機会は積極的に活用しています。
薄葉 「『ランスタッドだから登録しよう』という人を作るのが、ランスタッドのマーケターとしての僕のチャレンジです。マーケティングからでもビジネスを変えたり、新しいビジネスを生み出したりできるし、それはもしかしたら日本の人材市場を変えられる可能性もある。そんなことを夢見られる会社は意外に少ないと思います」