“WANT”と“CAN”が重なる場所へ。私が今のキャリアを選んだ理由

私は3人兄弟の末っ子として生まれました。一番下ということもあり、両親は幼いころから放任主義で、のびのびと好きなことをして育ててもらいました。

大学に入学すると、中学から熱中していたテニスと並行して、アルバイトにも精を出しました。平日は早朝6時半から9時までコンビニで働いてから大学へ。講義がない日は、午前中はコーヒーショップ、午後はテニスショップで販売の仕事をするという目まぐるしい毎日でした。

大学3年生になり、就職活動を始めたとき、一番に思い出したのは幼いころに見た母の姿でした。母は、若いころリクルートの従業員として働いていたのです。私が大きくなる頃にはすでに退職をしていましたが、業務委託のような形で引き続きリクルートの仕事をしていました。

自宅で採用活動に使われる適性試験を熱心に作ったり、よく会議などをしていたんですよね。その様子がなんだかとても楽しそうで。「自分が思ったことを実現できるよ」「自分の意見を尊重してもらえる会社だよ」という話をよく聞いたこともあり、私も仕事をするなら母のように楽しんで働きたいなと感じていました。

就職活動中は、「営業職」に絞って様々な企業の話を聞きに行きました。営業職に絞った理由は、学生時代のアルバイトがきっかけです。接客の仕事が多かったのですが、お客様とコミュンケーションを取ることがとにかく好きだし、得意だと自覚したからです。

また、人の人生の大事な節目や転換点に立ち会いたいという思いもありました。当時、頭に浮かんだキーワードが“仕事”と“家”。就職先の候補を、人材業界と住宅業界だけに絞ったのはそんな理由からでした。

人材業界や住宅業界の営業なら、自分のやりたいこと(WANT)ができて、しかも自分の強み(CAN)を活かせるのではないかと思ったんです。就職活動を進める中、最初に内定をもらったのがリクルートスタッフィングでした。まだ選考中の会社がほかにもありましたが、ビビッときて、他の選考はすべて断って入社を決めました。

“相手主語”が派遣営業の鍵。人の数だけ価値観があることを現場で痛感

営業職は思った以上に楽しく、自分にとても合っているなと入社後すぐに感じましたね。そんな中、私の価値観を変える2つの出来事が起こります。

ひとつめは、入社して半年ほどが経ったころのこと。担当しているお客様から「担当を変えてくれ」というお怒りのメールが届きました。それまでのやりとりを振り返ると、私が“自分主語”の行動をしてきたことが原因だとすぐに思い当たりました。たとえば、事務的な手続きのお願いひとつをとっても、「すぐにください。明日の午前中までにください」という感じで、こちらの都合ばかりを優先していたのです。「なんだこの自分勝手な営業は」と思われるのは当然ですよね……(苦笑)。

この一件で、“相手主語”、つまり相手の立場に立って物事を考えることの大切さを痛感しました。数年が立った今でも「このコミュニケーションを取ると、相手はどう感じるだろう」と、必ず立ち止まって考えるようにしています。

もうひとつは2年目のこと。欠勤しがちだった派遣スタッフの方から「仕事で悩んでいて、職場に行きたくない」と突然ご連絡を頂きました。実際お会いして話をしてみると、彼女は私の前で泣きしながら、ひとりで抱え込んでいたことを吐き出してくださいました。彼女にとっての悩みは、私には当てはまらないものだったのですが、「そういう考え方もあるのか」と大きな気付きがありました。

その後、彼女の言葉を噛み砕き、本当の思いを探りながら、職場の環境改善に着手。その甲斐あって、安心してお仕事に戻って頂くことができました。

“相手主語”の視点に立てば、人の数だけ考え方、価値観があることがおのずと理解できる。その想いを理解し、ありたい未来に繋げるお手伝いをする。そこに派遣営業の醍醐味があると、今は思っています。

すべての機会が成長のチャンスに。想定外の異動を機にマインドセットを更新

入社3年目を迎えるころには、仕事にも慣れ、様々なお客様を担当させていただくようになりました。そんな折、さらなるチャレンジをしてみたいと別の営業部門に異動願いを出したんです。

ところが、上司からの内示は営業向けに研修や育成を行う企画部門でした。正直、ぼう然としましたね……。営業をしたいと伝えたはずなのに、なぜ私が企画職に就かなければならないのかと。初めのころは、その気持ちの切り替えがうまくいかず、モチベーションを高められずにいたんです。どちらかというと、受け身になって与えられた仕事をこなすだけ、なかなか業務に気持ちを込めることができませんでした。

そんな中、上司や先輩らからよく言われたのが、「自分の言動に意思を持とう」ということでした。「なぜその発言をするのか?」「なぜその行動をするのか?」とひたすら追求するうちに、当時任せてもらっていた仕事の意義にストンと腹落ちする瞬間があったんです。

企画部門でよい研修を作ることで、多くの営業担当に影響を与えることができる。ひいてはその先にいる派遣スタッフ・お客様へのサービス向上につながることを理解しました。そこでようやくスイッチが切り替わり、“与えられた機会をどう捉え、どう活かすか”というマインドに変わっていきました。

視点が変わると様々な気づきがありました。企画職を経験したことで、派遣スタッフ一人ひとりの人生に寄り添う視点に加えて、会社、ビジネスを俯瞰して見るマクロな視点が備わったと思います。また、自分が主体となって多くの人に働きかけていく過程で、巻き込み力やコンセンサスの取り方も身につきました。

営業畑に舞い戻り、マネジャーに。個性を軸にした信頼関係の構築を目指して

2020年7月に、約4年間在籍した企画部門から異動願いを出して再び営業組織に戻りました。研修や育成の場で教えてきた営業モデルを実践し、本当にクライアントや派遣スタッフにとって良いものなのかを確認してみたいという想いと、やはり私はマーケットを自分の肌で感じたいと思ったことが理由です。

営業現場に戻り、派遣スタッフの方のリアルの声をお伺いすると、求めることが日々変化していることを実感しています。いろいろな人の考え方や価値観、大切にしていることをお聞きしながら、日々私たちのサービスを進化させていく。そこに大きなやりがいを感じています。

2022年4月からはマネジャーとしてチームを率いるようにもなりました。目指しているのは、メンバーそれぞれが個性を発揮し、その個性を軸に、“相手主語”で派遣スタッフやクライアントと信頼関係を築いていけるような営業。そこに私たちリクルートスタッフィングが選ばれる理由があり、そこに介在価値があると思っているからです。

また、責任ある立場として、派遣事業の社会的意義を広く周知していく役割もあると思っています。派遣の仕事は自由に職種や労働条件を選べる、とても理にかなった働き方です。しかし、日本の労働の現場では画一的な働き方指向がいまだに根強く残っていて、派遣という働き方がなじみきれていません。

かつての上司の言葉を借りていうなら、「派遣事業がポジティブに選ばれる世の中を作りたい」と思っています。そのためには、待遇の改善にも率先して取り組み、「派遣」という働き方をひとりでも多くの方に選んで頂ける働き方にしていきたいなと思います。