企業カルチャーのマーケットを創るためtalentbookの価値を届ける

▲re:Culture Liveのモデレーターとして登壇する志村

企業カルチャーには、そこで働くメンバーに加え、一つの法人としての価値観や想い、考え方が色濃く反映されています。

カルチャーには、一つとして同じものはありません。そしてそれは、ある種、法人の持つ人格です。働く上で、カルチャーを重視する人も多いのではないでしょうか。

2020年7月、大手広告代理店の博報堂からPR Tableへと活躍の舞台を移した志村 陸は、そんな企業カルチャーを発信する「talentbook」のマーケティングチームでマネージャーの役割を担っています。

また、企業カルチャーが世の中の抱える課題とどのようにリンクし、どんな役割を果たすのかを探究・共有するためのコミュニティ「re:Culture」のプロデューサーも務めています。

志村 「2021年現在、スタジオからライブ配信をする『re:Culture Live』では、有名企業の役職者にご登壇いただいて”企業カルチャーの変革”にまつわるテーマでお話いただいています。『re:Culture Live』の主なミッションはリード獲得ですが、もう一つの目的として『talentbook=企業カルチャーの先駆者』というパーセプションを獲得するためのブランディングがあります」

企業カルチャーという言葉は、人によって解釈の仕方が非常に曖昧です。ですから、具体的な大手企業のケーススタディを紹介することで、企業カルチャーの存在とその重要性を一緒に発見していくのです。そして、それが、talentbookの必要性の理解につながっていきます。

志村 「“re:Culture”という名前には『すべての企業がカルチャーを武器にするために。』という想いが込められています。これから、コミュニティとプロダクトを通じて、企業カルチャーのマーケットを創造していきたいと考えています」

子どもの頃の出来事が、マーケターを目指す原体験

▲社会人一年目の頃、サーフショップにて(写真右)

今でこそマーケティングの経験を多く積み、それを活かしている志村ですが、もともと大学の専攻は理工学部の物理学科です。

当時、具体的にやりたいことが決まってはいなかったものの、理系の方が将来の選択肢が多いという理由からその選択をしました。

大学までは、無難な選択をしてきたと語る志村ですが、その後の就職活動では、世の中のさまざまな仕事を自分ごと化して考えるようになりました。

そのときの志村にとって「自分が行ったことが世の中にどの程度インパクトが与えられるか」が、重要なポイントでした。それには、小さいころの原体験が大きく作用しています。

志村 「子どものころに、規模が小さくても私が行ったことでクラスの空気が変わる経験をしたことがあるんです。たとえば、クラスで流行る遊びとか、そういう小さなことでも、影響力を発揮する瞬間が気持ちよかったんです。

それなら、より大きな影響を与えることができる仕事であれば楽しいはず。そんな考えから、マーケティングを志望しました」

志村は就職活動中、メーカーをはじめ、さまざまなところを受けた中で、最終的にリコーを選択しました。当時3年目にして結果を出していますが、志村は上司の恩恵を強く感じています。中でも、社内コミュニケーションの方法が、一番の学びでした。

志村 「当時、私が担当していた商品企画の仕事では、プロダクトを実装するのはエンジニアの方であり、社内の根回しが非常に重要でした。

当時3年目の私からしたら、エンジニアの方はほぼもれなく先輩です。そんな中で、商品企画側の自分が非常に優れた機能を考えたとしても、『そのようなものはできない』と、エンジニアの方から怒られることがよくありました。

そこで上司から、まず誰に相談したらいいのかという根回しの段取りや、エンジニアの人達のKPIを理解した上で提案の伝え方を工夫する必要性を教えていただいたり、キーパーソンと繋いでいただいたりしたんです」

大変ではあったものの、そんな上司の教えが、志村の仕事での結果につながりました。その一方で、志村は、マーケティングの仕事に醍醐味を感じるとともに、二つの点でもの足りなさを感じていました。

一つは、同じ製品を扱うことへの魅力が薄れたこと。もう一つは、手触り感がなかったこと。

そして、舞台は次のステージへと移っていきます。

足りないものに気付く。そうしてどんどん出てきた自分の“欲”

▲博報堂の先輩との一枚(写真左)

2017年、志村は博報堂へと転職しました。ここでは、アカウントプロデューサーという営業職を担います。

お客さまの課題をヒアリングして整理し、戦略・クリエイティブ・メディア、それぞれのプロフェッショナルをアサインし、チームとして顧客のコミュニケーション課題を解決する仕事を行っていました。

しかし、志村は業務を回すことに必死になり、あるとき仕事の中で自分を見失ってしまいます。

次から次に湧いてくる仕事。「この仕事の最短はこれだ!」と考え、その仕事を回す。そんなことを繰り返すうち、志村の心には、「あれ、今自分なにやってんだろ」という疑問が浮かぶようになりました。

志村 「最短で仕事を回すことは、速さという面では大事だと思います。でも、最適を考える中で、『これ、他の人やAIがやっても同じ結果になるんじゃ?』という気持ちになってしまって……。だんだん『あれ、自分はどうしたいんだっけ?』と、自分の意志の行き場を見失っていました」

そんな中で、志村は人材業界のクライアントの仕事を担当します。当時の女性の上司はとても優秀な方でしたが、志村の目には「わがままなんじゃないか」と映るくらいに、独特なコミュニケーションで仕事を回していました。

その様子を見た志村は、「あ、自分に足りないのは意志なのか」と気がついたのです。

そこからは、自分の意志をいかにプロジェクトに宿らせるかを念頭に置き、クライアントの課題を自分の中で再解釈しながら、意志を持った上でスタッフに伝えるやり方を取っていくようになります。

そうして、順調にさまざまな業界のマーケティングコミュニケーションの経験を重ねていきました。しかしその一方で、またもやその心には新たな欲が芽生えていました。

志村 「世の中に影響を与えていくことが非常に気持ちいいと感じる一方で、手触り感というものに対してどんどん欲が出てきました。

そこで、手触り感の究極は何か、と考えた時に、私が会社の代表であることだと思ったんです。会社として行ったことは全て会社に跳ね返る。つまり、良いことも悪いことも代表に返ってきます。いかに実感を味わえるかが、自分自身が人生を楽しんだり、幸せを感じたりするのに必要だと感じました」

しかし当時の志村は、起業することにまだ自信がありませんでした。そこで、スタートアップでの経験を積もうと考えます。そして、再度転職活動を始めた志村が選んだ会社こそ、PR Tableでした。

ミッションに惹きつけられた──自分の夢とPR Tableの夢を重ねる

▲2021年8月現在の志村

2020年7月から、PR Tableに入社した志村。その決め手は、当時ミッションとして掲げていた「あらゆる関係性をフェアにする」という言葉への共感でした。

志村 「私は、平等は世の中に幸せをもたらさないが、公平は幸せをもたらせると思っています。そのため、『あらゆる関係性をフェアにする』というミッションは、私のミッションである『世の中の幸せを増やす』と、同じだと思ったんです」

大手企業を渡り歩いてきた志村は、スタートアップの動きを身体で覚えていきながら、マーケティングでの自身の強みを発揮することを考えています。

そんな中で志村が大手とスタートアップの違いとして実感しているのが、コミュニケーション施策における予算です。

志村がこれまでの博報堂で行ってきたマーケティングコミュニケーションは、基本的に大手のものだったため、必ず予算が数億、数十億とありました。

しかし、スタートアップは大手に比べると基本的に全くお金がありません。そのため、志村にとって、現在取り組んでいるウェビナーなど比較的小規模な施策は初めての経験なのです。

志村 「たとえば『talentbookの本当の価値は何なのか、それを生活者に伝えるためにはどの言葉がふさわしいのか』といったコアの考え方には共通部分があります。しかし、お金が限られる中、知識として、どういう手段がベストかという部分での発想が私には足りません。

なのでまだ手探りですが、re:Cultureをブランディングのコアに据えて、どのようにコミュニケーションを最大化するか。“企業カルチャー”というマーケットの創造に至るまで、統合コミュニケーションの経験もフルに活かしながら少しずつ声を大きくしていきたいです」

テレビCMなど、コミュニケーション手段はさまざまなものがあります。その中で、ドライブをかける時にこそ、より志村は本領を発揮できるはずです。

経営者として世の中を動かすことを目指す志村にとって、今はまだその道半ば。自身の欲望を示すコンパスに従って未来を描く志村は、これからもその歩みを止めずに突き進んでいきます。