父の存在に影響を受けた学生時代。“夢中”が成果を生み出す

▲製図板に向かい夢中になって仕事をする父親の様子

人は何かに夢中になると、充実感を得られるだけでなく、レジリエンス(精神的回復力)も高まり、逆境に打ち勝つ心が育つと言われています。

2020年4月、PR Tableに入社した嶋 勇輝も、何かに夢中になったことで逆境に打ち勝つ心を手にした人間のひとり。彼の場合、それは小学4年生から始めた卓球でした。

秋田商業高校という強豪校に進学して、中国遠征や全国選抜を経験するも、当然その裏には「365日のうち364日は練習」という血の滲むような努力がありました。それでも、自分が好きだからやる。つらいことがあって当たり前。

嶋はこのような自分の半生を振り返り、1級建築士として会社を経営する父親の影響がとても大きかったと言います。

嶋 「放任主義な父親のおかげで自分の夢中になれることに、常に全力で向き合えた気がします。そんな父親の後ろ姿を見て、『なぜこんなにも夢中になって図面と睨めっこできるんだろう』と同時に、『会社を経営するってどういうことだろう』という気持ちが自然と沸き起こり、仕事についても興味を持ち始めた時期でした」

高校卒業後は、経営学部のある神奈川大学に進学。新規事業考案のゼミに入室して模擬的に事業を立ち上げた経験から、いつしか漠然と「ビジネスを創り出したい」と考えるようになります。そして嶋がファーストキャリアとして選んだのは、大手通信会社出身の代表が立ち上げたベンチャー企業でした。

意気軒昂にキャリアの一歩目を踏み出した嶋。1日8件の受注という容易ではないノルマに直面するも、一日、10~15件受注して、ノルマは常時達成していきます。

嶋 「当時の部長から、“明るい声”、“抑揚”、“笑顔”という3つのテレアポの極意を教わりました。その極意のもと、自分のパソコンの横に鏡を置いてテレアポをしていましたね。そのうち、意識をしなくても笑顔でできるようになっていきました。

また、常にメモをとることを意識してました。そうすると、お客さんから引き出すべきキーワードや質問するタイミングが、どんどん型化されていくんです」

順調に成果を出し、5年間でさまざまな製品・サービスの営業活動を経験してきました。そんな仕事一辺倒な嶋に、ある変化が訪れることになります。

ライフステージの変化から転職し、新天地でもトップの成績を叩き出す

▲家族と過ごす時間が増え、プライベートが充実

着々と成果を上げ続け、仕事漬けの日々を送っていた嶋。そんな中で、警鐘を鳴らしたのは、妻の母親でした。

嶋 「平塚(神奈川県)から表参道まで通っていたので、朝5時に家を出て深夜2時に帰宅という生活でした。しかも土曜日も出勤していて。そんな時、妻の母から『子どもとの時間をつくってください』という言葉をもらいました。それでプライベートも両立できる会社で働こうと思ったんです」

こうして新天地を求めた嶋は、大手ITインフラソリューション企業に法人向け営業のポジションで入社。インターネット回線とセキュリティ機器を合わせて切り替えてもらうよう提案するセールス活動に従事しました。

入社して最初の3ヶ月間は受注数ゼロと苦しむ期間もありましたが、前職で培ってきた営業としての観察眼を活かし、大手IT企業や外資企業、ベンチャー企業を相手に月10件〜12件の受注を積み上げ、社内(当時)でトップの営業成績を残します。

嶋 「数字を取れる人は何をしているのか?と、Salesforce上のデータから受注した企業の傾向や担当者の声などの情報を集め、受注につながるキーワードの仮説を立て、営業活動の中で実践していきました。そうすると4ヶ月目には初受注、6ヶ月目からは数字が跳ねはじめ、正しい“型”を見つけられたんだなと確信しましたね。

また、導入に至らないお客さんの場合、表面的な理由でストップがかかってしまっていることが多いため、ちゃんとドアをノックしてお客様の中に入り込むという意識で仕事をしていました」

いつしかグループを持つ立場になり、徐々に自分が動かなくても成果が出るようになっていきます。大手企業からの追加受注も増え、嶋が型化したドキュメントを元にメンバーが動いてくれることで数字も立つ。その状況を彼は「すごく手持ち無沙汰で刺激がなくなってしまった」と振り返ります。

そんなとき、前職で外部パートナーとして一緒に働いた知人とたまたま再会。その知人は会社経営しており、「これから資金調達して会社を大きくするタイミング。法人営業部を立ち上げたいから仲間になって欲しい」と声をかけられました。

こうして嶋は、シェアリング・プラットフォームを運営するスタートアップに転職することになります。

PRを可視化したい──そんな想いを携えPR Tableの舞台へ

▲アライアンス先と共同記者発表を実施し、WBSの取材に応じる嶋

嶋はスタートアップ企業にジョインしてすぐ、法人営業チームの叩き上げ、並行して大手企業とのアライアンス事業マネージャーも担当することになります。ところが、扱っていたサービス自体は一般消費者向けのもの。大手企業とアライアンスを組んでも、消費者から注文がない限りは売上になりません。

さらに、当時は社内にマーケティングを担うチームが存在せず、顧客情報を分析する元になるデータも整理できていない状況。そこで嶋は、コンサルティング会社に協力してもらいながら、マーケティングチームを立ち上げます。

嶋 「ここで感じたのは、”データ”の重要さです。法人営業を7〜8年経験してきましたが、これまでの営業活動やプロモーション施策の効果は定性的であったとしても、細かく因数分解し、仮説立てし、検証していくことで数値化・可視化できる。

この発見を得て、データにもっと興味を持ち始めました。独自でSQLを勉強し、社内のデータベースを活用しながら広告運用に活かすといった、データストラテジスト的な役回りをしていました。定性データと定量データを掛け合わせて分析することの重要性を感じましたね」

こうした経験を経て、PR Tableに入社することになります。その出会いのきっかけにあったのは、嶋のIPOを経験したいという気持ちでした。「最短距離で行けるのはPR Tableだろう」という話を聞き、興味を深めていきます。

嶋 「マーケティング活動をする中でPR Tableという会社は知っていましたが、会社について調べていく中でPublic Relationsという枠組みの中でどうやったら数値化できるんだろうかと興味を持ちました。

カジュアル面談で取締役からもPublic Relationsについての話を聞き、なんて幅が広く深いんだと思ったんです。そして、これらのデータを蓄積し、数値化・可視化できれば、営業活用や顧客満足度につながるなって」

Public Relationsを可視化したい。そのような願望をかなえるために、嶋はPR Tableにジョインすることになりました。

データを用いつつ、パートナーとしてお客さんと共に未来を見据える

▲2021年現在の嶋

2021年4月現在、嶋は、当社サービス「talentbook」をご利用いただいている企業様向けのコンサルティング営業を担当しています。

嶋 「お客様とより濃くコミュニケーションを取れるようになり、それぞれの企業、それぞれのご担当者様がどんな想いでコンテンツを制作しているのかを知る機会が増えてきました。

コンテンツ取材の中で、その企業のタレントの方の想いを聞いていると、つい感情移入してしまいます。そうした方々の役に立っているという実感を得るためにも、お客様を笑顔にしたいなという想いが強くなってきています」

嶋は、順調に顧客からの信頼を勝ち得て、プロダクトの継続利用につなげていますが、一方で難しいと感じているところもあります。

嶋 「talentbookを導入している企業には、組織活性化などの目的が明確にあるものの、目的に合わせたKPIやKGIが設定されていないことも少なくありません。これらを設定するにはお客様のご協力も必要ですので、そこに難しさを感じています。

こういった部分でも、定性データと定量データをしっかり取っていき、使用されているツールとtalentbookのコンテンツを掛け合わせて、数値の変遷を見ていきたいなと思いますね」

talentbookは想いが詰まったコンテンツを作成でき、発信できるツール。SaaSのプロダクトを提供している以上はこの『想い』に真摯に向き合い、一つひとつを数値化していき、お困りごとを解決するサービスである必要があります。

嶋 「何をもって解決したのかを提示するためには指標や指数を定め、数値化していく必要があるため、お客様と同じ目線で数値を追いながら、お客様と長いお付き合いをしていく。そんな営業でありたいと思います」

同じ目線に立って、同じ指標を追って、親身に考える──そんな想いを抱く嶋は、これまでの経験を糧に、”データ”という筆を持ち、夢中になってお客さんの未来を共に描き続けていきます。