この記事は【#PRLT(Lightning Text) Advent Calendar 2021】の12日目(12月12日分)にエントリーしています。

こんにちは。PR Tableの久保圭太です。

2021年12月現在、「働く人」から企業の魅力を伝える広報・PR支援サービス『talentbookのPR/Evangelistとして活動しております。

何を隠そう、今あなたが見ているこの記事もtalentbookで書いています。(来年は一人でも多くのPRパーソンが使っていてほしい)

PRという領域の面白さと可能性を伝えたい

2018年頃から約2年間、当社では「PR3.0」という記号を掲げ、さまざまな業界やビジネスパーソンを巻き込んだカンファレンス活動やオウンドメディア発信などを通してパブリックリレーションズ(Public Relations)の探究を繰り返してきました。

2020年からは、より具体的な実践事例を紐解くため、これからの時代の“企業カルチャー”にフォーカスした「re:Culture」というLIVEイベントを開始。P&G、アマゾンジャパン、本田技研工業、SmartHRなど大手・グローバル企業、成長スタートアップ企業様を毎月お招きし、次回で19回目を迎えます。

そして2021年、PR Tableという会社名でありながら、創業以来はじめて「PR室」が設置されました。我々自身もこれから事業をドライブさせていく上で、パブリックリレーションズを本格的に実践していくフェーズに入ったのです。

本日はそうした実践の日々の中で気づいたことを簡潔にまとめ、PRという領域の面白さ、そして可能性をお伝えしたいと思い、筆をとりました。

ぼくの好きな常套句を使うならば、あなたの人生の貴重な5分をいただけますと幸いです。

<目次>

1.PRという枠組みや職種にこだわらなくても良い
2.PRはもっとも“人間らしい”仕事
3.PRとはPersonal Relationsである
4.いい関係性は、人を笑顔にする
5.「役に立つ」と「意味をつくる」のがPRの仕事
6.PRパーソンはより生産性をあげる必要がある
7.PRパーソンはつよく、やさしく、かっこよく。

1.PRという枠組みや職種にこだわらなくても良い

いきなり矛盾することを言うようですが、そのことに改めて気づいたのは理由が2つあります。

一つは、ぼく自身入社してこれまでコミュニティ活動やマーケ、CSなどの役割を経てPR室へと行き着きましたが、どんな職種でもPublic Relationsの考え方が根っこにあるべきと思ったからです。また、SaaS事業においてはお客様と接したりセールスやマーケなどの前線を経験することは、PRの仕事をする上でとても重要だと感じています。

広義の意味で捉えたPRが「企業を取り巻くステークホルダーとの良好な関係構築」であるならば、目の前の事業やプロダクトをどう伸ばしていくか、目の前で困っている顧客に対してどう向き合うのか、というコトに向かってシンプルに向き合うことも立派なPublic Relationsです。

特にスタートアップにおいては事業のフェーズや課題に応じて、組織や役割は柔軟に変わっていくべきであり、手段にとらわれてPRという仕事に共通の定義をする必要はないということです。

例えば当社のPR室の役割としては、自社発信やパブリシティ活動はもちろんのこと、顧客を介した発信やユーザー会の運営など(いわゆるカスタマーマーケティングの領域)もミッションとして担っていたりします。

また二つ目の理由として、マーケや採用、広告、クリエイティブなど様々な領域とPRが溶け合ってきているという点です。

2018年頃から「採用広報」や「採用ブランディング」というワードが普及して当たり前になってきている昨今、言葉の定義を議論したりすることにもはや意味はないと感じますし、プロダクトの認知を上げて使ってもらう人を増やす活動、としてマーケとPRが共通の目的と体制で動いた成功事例も増えていきています。またタダで記事を掲載してもらうこと、だけがPRでありません。

全ての活動は、経営課題の解決やビジョンの実現に向かうべきであり、PRの枠組みや職種にこだわりすぎなくても良いのだな、と少し肩の力を抜いて俯瞰できるようになった。これは2021年の大きな変化だったような気がします。

2.PRはもっとも”人間らしい”仕事

2020年からリモートワークが増え、対面でのコミュニケーションが減っていった企業も多いと思います。当社でも渋谷のオフィスを解約し、フルリモート体制へと移行して1年半以上が経とうとしています。

そして、様々なツールはあれど、社内も社外もテキストコミュニケーションが中心となっている今、表情や匂いを感じる文章を紡げるひと、言葉で心を動かせるひとはこれからの時代とても強いだろうなと感じています。それはPRパーソンとして求められるスキルのひとつでもあるでしょう。いわば“ハートのある技術”と言えるかもしれません。

心を動かし、行動変容を起こすという意味では、PRパーソンはより人間と向き合う、“人間らしい仕事”なのだと思います。

talentbookのコンテンツ制作に携わっていても、一人ひとりの「働く」に対する想いや感情を表現したストーリーを読んでもらうことで、「機械的」なコミュニケーションが一気に「人間的」なコミュニケーションに変わっていくことを実感しています。

スマホやPCの画面の向こうには人間がいる、ということを、どんなときも忘れないようにしたいものですね。

3.PRとはPersonal Relationsである

こちらは、私たちが考えるこれからのPR、を表した図です。

PRといえば、かつてはメディアを介したパブリックリレーションズが一般的でしたが、インターネットやSNSの普及により、今や社員一人ひとりを媒介に社会と向き合うことができる時代です。

「個」の時代と言われはじめて久しいですが、先ほど述べたように、仕事をしている相手は機械ではなく人間。どんなステークホルダーでも「個」との関係づくりが基本にあります。

つまり、社会とのいい関係づくりは、一人ひとりとの向き合い方から始まる。

そうした想いを持ってPR活動をしていくため、当社のPR室の正式名称は「パーソナル・リレーションズ室」としています。

サングラスを外して、裸眼で一人ひとりと向き合うこと。つまり、バイアスなく社員、顧客、ステークホルダーに対して傾聴し、課題を特定することで最適なコミュニケーションをとることができるのです。

4.いい関係性は、人を笑顔にする

Personal Relationsの考え方をベースに、ステークホルダーとの関係性を紡いでいく。

その上で重要となるのは「関係性の資産化と活用」です。

採用活動を想像するとわかりやすいですが、学生が内定承諾する最大の決め手は「社風・人」であるというONE CAREERさんのデータがあります。社風=企業カルチャーというのは社員や、人と人との“関係性”から滲み出るものです。

そのためにはそもそも良い関係づくりをし、それを資産化し、活用する。フローだけでなくストックさせていくこと。そういった意味で、”コンテンツを生み出すこと”の重要性と社会的意義を改めて感じる一年でした。

また、関係性を可視化していくプロセスにおいて、登場人物が周囲からの反応を得て承認されたり、働く違和感を解消するきっかけに繋がるケースも何度も見てきました。

違和感なく幸せに働けるということは、”笑顔”になれるということ。幸せだと生産性があがり、業績も伸びる傾向にあるというデータも証明されています。

talentbookというプロダクトを通じて、笑顔のきっかけを増やし、「働く人の笑顔が”連鎖する”世界」を目指していきたい。そのような想いでビジョン・ミッションを刷新したのも2021年の大きな出来事のひとつでした。

▶︎ビジョン・ミッション刷新のリリース

5.「役に立つ」と「意味をつくる」のがPRの仕事

広報の仕事は「役に立つ」「意味をつくる」の2つの仕事がある。

当社の取締役/Founderの大堀航もTwitterでこう呟いています。

これは本当に実感した一年でした。PRチームのKPIをどう置くか、という議論はよくありますが、極論どれだけ他チームの「役に立っているか」を図るためのKPIを置くケースもありだと思います。

一方「意味をつくる」仕事として、たとえばビジョンやミッションの策定やカルチャーづくりなどは短期的に効果が見えにくく、評価されづらいものですが決して力を抜いてはいけない領域ですよね。

経営と現場の両方と向き合い、理解してもらうように動かなければならない。それが欠けてしまうと「PRって何のためにある部署なのかわからない」状態にすぐ陥ってしまうと痛感しました。

そういう意味では、PRの仕事をするうえで、一定の経営の理解と寄り添いがあるかというのはとても重要ですし、それがないケースではまず経営の考えやスタンスを変えていくところが重要なPRパーソンの仕事になっていくことでしょう。

6.PRパーソンはより生産性をあげていく必要がある

ここまでPRの面白さや可能性について色々と触れてきましたが、PRは世間が思うよりずっと泥臭い仕事だし、黒子的な側面もまだまだ多いですよね。そしてほとんどの会社では、営業やマーケティングと比べてリソースは多く当てられず、最小限の体制で動いているのが現実です。

しかし、世のPRパーソンはPRによって実現できることがまだまだたくさんあることを知っています。ですから、そうした「意味をつくる」仕事にもっと時間を割くためにも生産性を上げていく必要があります。


talentbookがまず解決していきたいペインもそこにあります。情報発信における「リソース」と「デリバリー」。ここの生産性を上げ、関係性の資産化と活用に寄与する。その上でPRがより重要で価値のある仕事であること、を証明していくことに2022年はチャレンジしていきたいです。

今年は、個人的にPR協会に出入りさせてもらう機会もあり、業界全体を俯瞰して見つめるタイミングも多くありました。経営に参画するPRパーソンも出てきたり、「個」の時代になってきたことで以前に比べてPRというものが注目されてきているのを肌で感じた2021年だったように思います。

7.PRパーソンはつよく、やさしく、かっこよく。

2021年後半にかけて、自社のバリューを策定するプロジェクトに参画しました。

ビジョンを実現していくために当社の社員がどうあるべきか、スタンスやあり方を表現するうえで出てきた言葉が「つよく、やさしく、かっこよく。」です。

実は僕が入社した3年くらい前から、社内でたまに使われていた言葉ではあったのですが、平易な言葉であるがゆえに細かいニュアンスや伝わり方は人それぞれであったように思います。

それを今回、ビジョン・ミッション刷新のタイミングで正式なバリューとして定義し、それぞれの言葉の意義を言語化していきました。

そのプロセスにおいて、全社員で何度もワークショップを実施。大切にしたい価値観や行動を洗い出していったものをまとめていきました。

結果としてこれは、ステークホルダーと良好な関係性を築く、PRパーソンとしてもあるべき姿なのではないかと思っています。

これからも“つよく、やさしく、かっこいい”人たちが集まる会社にしていきたい。そして、そういう人たちと一緒にPRの価値を証明していきたいと強く願っています。

▶︎当社のビジョン・ミッション・バリューの全体ページはこちら

もっとPRの話をしたい方へ

貴重な時間をつかって最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。

ちなみに本日12月12日は、法人としてのPR Tableくん7歳の誕生日。奇遇なことに、どうでもいいかもしれないけど僕の結婚記念日でもあるんです。とても覚えやすくて助かっています。

会社も家庭も続けていくのって大変なこと。これからもいっちにいっちにと歩んでいきたいと思います。

PR Tableの社名の由来は、”テーブルを囲み、膝を突き合わせてもっとPRの話をしよう。”です。

2022年は世の中のPRパーソンとどんどん繋がって「もっとPRの話をしよう」と思っています。ご興味ある方がいらっしゃいましたら、ぜひ下記のボタンを押してご連絡ください!!