企業カルチャーは、意図的に生み出すものではなく、社員同士の関係性を紐解くことで滲み出てくるもの。今回は、代表取締役の大堀海と、コーポレートチームのマネージャーである川村千智の対談を通してお伝えできればと思います。

コロナ禍においてフルリモート体制へと移行していった会社の変化を見守りながら、これからの拡大を見据えたコーポレートチームのあるべき姿とは。

<目次>
・フルリモート体制で走り抜けた一年を振り返る
・「管理の仕事」とは、先回りして働きかけること
・生産性を上げていくために必要な考え方とステップ
・拡大していく会社を支えるためにあるべき姿
・つよくて、やさしくて、かっこいいコーポレートチームをつくる

フルリモート体制で走り抜けた一年を振り返る

大堀海(以下、大堀):川村さんがご入社されたのは、ちょうどコロナ禍に差し掛かる少し前のことでしたよね。前職でも法務としてIPOに関わっていたと思うんですが、もう一度スタートアップでチャレンジしようと思ったきっかけは何だったのですか?

川村千智(以下、川村):結婚・出産を経てIT企業に復職し、前職では準備フェーズからIPOを経験しました。会社を整えていく感じはとてもエキサイティングだったので、もう一度やりたいと思ったんですよね。特に、法務の仕事は、大きな会社だと業務が細分化されてしまうので、小さな規模の会社で出来ることを全部やりたいと思いました。

▲川村千智(写真左)と大堀海(写真右)

海:当時の川村さんの印象は、本当にちゃんとした方が来てくれた、という感じで、カフェで面接したんですけど緊張したのを覚えています(笑)

川村:そうでしたね(笑)私は元々、コロナ前からリモート勤務を前提に転職活動をしていたんですが、リモートを希望している時点で、「この人さぼろうとしているのでは?」というスタンスで接してくる会社も結構あったんですよ。そういう意味で、PR Tableでは働き方は問わず、この人は何をするのか、本来的に会社に何が貢献できるかを見てくれる会社だと感じたことは、印象に残っていますね。

海:こうなることを想定していたわけではないのですが、オンラインアシスタントサービスのキャスターさんとかとずっと一緒に仕事をしてきた経緯もあって、子育てなどで第一線から離れていらっしゃった方にも優秀な方が多いという事実は知っていました。そのためリモート自体は肯定派でした。そういう方々のスキルやノウハウをちゃんと会社として活かせる場があった方が、勝ちに近づくとも思っていました。

結果的に2020年3月頃から徐々にリモート体制に移行し、6月にはオフィスを撤去してフルリモート体制になりましたね。怒涛の一年を振り返ってみていかがでしたか?

川村:社員とコミュニケーションを取るための工夫はいろいろと考えましたが、自分の中で不便に感じることはあまりなかったですね。むしろ通勤時間を業務時間に充てられる、家族のご飯の支度を空き時間でパパっと準備できる、明日出社か。。と前日憂鬱にならない、などメリットだらけだと思います。チームメンバーは女性中心なのですが、皆うまくワークしている印象です。

海:アフターコロナの時にどうするかということがありますけれども、働く方の自由な選択に委ねてあげることがいいのかなと思っています。

川村:出社したい方にはサテライトオフィスのような環境を提供して、リモートが適している方は変わらずリモートができるような、働き方の提案ができる会社でありたいという思いはありますね。

「管理の仕事」とは、先回りして働きかけること

海:川村さんが入社して、僕の中で「管理」に対する印象が変わったというか、ストンと腹に落ちた部分があるんですよね。川村さんは、「管理の仕事」をどう捉えていらっしゃいますか?

川村:「管理の仕事」をどう捉えているか、によって確かに動き方が変わってきますよね。

私が思っているのは、数値を管理したり、細かいルールで縛ることが管理の仕事ではないということです。例えば管理側から事業全体を見たときに、フローがうまく機能しておらず効率が落ちていることがあります。そうした際に、会社全体の業務効率を整え、その結果としてチームの成果を出せるようにしてあげることが「管理の仕事」だと思っています。

海:管理を徹底させようとしている姿って、あまりかっこよく見えないですもんね。

なんとなくわかってはいても、そのスタンスを会社にインストールすることはこれまで僕にはできなかった。けど川村さんにはそのマインドとスキルがあって、僕はその風景を何度も見せていただいたことで、管理の仕事はかっこいいと改めて感じられるようになったし腹落ち感を持てたのだと思います。

川村:ありがとうございます。言い換えると、会社全体がうまく回っているかチェックし、回っていないなら働きかけるのも管理の仕事ですよね。

すると、全社目線で見る必要があるため、人が足りないのであれば人事部に働きかけますし、ミッションがないのであればミッションを考えることや認識させる必要があるという話になります。

海:大体事業をしている人は、何かの一点にフォーカスしていてそのことしか考えていないと思うのですよ。そこに対してのやり方を指摘されると、人間なので「えっ?」と感じてしまう。ただそこに対して先回りの示唆をもらうことで、確かにそうだなと納得できる部分もあるんです。僕は管理の仕事でそこが一番かっこいいポイントなのではないかと思いました。

▲当社の組織図(2021年8月時点)

川村:先回り視点がないとIPOができないですからね。前職のIPO経験で、こういうことが必要なんだと学びました。全ての部門が歯車としてうまく回らないとできないことなのですよ。

海:それを聞いて納得しました、すごい。

生産性を上げていくために必要な考え方とステップ

海:川村さんは、僕が悩んでいるであろうテーマに対する質問、整理、スケジュール立てのスピードが尋常じゃないと感じるのですが、そうした能力はどこで身についたんですか?

川村:最初に就職した電機メーカーを退職したあと、法科大学院に社会人入学して法務博士号を取得したのですが、そこで学んだ考え方に「IRAC(アイラック)」というものがあります。

IがIssue、RがRule、AがApplication、CがConclusionでいわゆる起承転結ですね。ある問題について、結論を出すための一連の思考法として心がけています。

海:その考え方はチームでも浸透しているのですか?

川村:チームでもよく話はしますよ。業務の相談を受けたときなどは、結果からまず導いて、今の会社のフェーズにあるべき姿はどこなのか、そのために今本当にそこまで考えるべきなのか、などの指摘をして、学んでもらったりしますね。

海:法務部門で入社してもらい、今ではコーポレート全体に対して管掌範囲を広げてもらっていますが、全社の生産性という観点ではどのように考えていらっしゃいますか?

川村:生産性を上げるための本当の前提として、各チームが会社からの目線で何をするべきかを考える必要があると思っています。

このミッションを達成することで、チームも会社もどのようなことが起きるのかを、マネージャー起点で考えて目標設定をすることが大事だと思うのですね。

海:そこからはIPOまで、生産性を上げることが常にテーマになってくるわけですね。

川村:生産性を上げることを目標に掲げなくても、ミッションを意識して、最短で最小限でそのミッションを達成する方法を考えていけば、結果として生産性が上がっているということになるのだと思います。

各チームひいては各人が持つミッション達成に集中してもらうため、こぼれてきた仕事を管理部門で引き受けたり、生産性を上げるためのフローを構築したり。そして、その先にIPOがあると思っています。

拡大していく会社を支えるコーポレートのあるべき姿

海:これから当社も取引先が拡大したり、社員も増えていくことが想定される中で、取り組んでいくべきと考えていることなどありますか?

川村:顧客に向いているカスタマーサクセス部門がすごく大事だと思っていて、社数が増えるとここが回らなくなってしまうのですよね。社数が増えていっても回せるCSの組織化、仕事の型化には今から取り組んでいかないといけないと思います。プロダクトとの連携も非常に重要になってきますよね。

海:管理視点として何が一番変わっていくと思いますか?

川村:管理部門だけの話で言うと、社数が増えるとそれだけリスクも増えていくわけで、小さい企業も増えてくると与信も確認しないといけないですよね。そうした体制もしっかり整えていかなければなりません。

海:経営としても、人的なリソースがちゃんと回るかという点と、リスクの2つの観点で考えていますね。リスクのところは技術的な観点が大きいと思っていて、やれることは決まっています。ただそれをいつ着手するかで、ミスになるか耐えしのげるかが変わると思っています。

「今着手するべきか」「次のフェーズで着手するべきか」の狭間で悩みながら“臭いものに蓋をしない”気持ちで取り組んでいますね。

川村:管理側としては、社数が一気に増えたとしてもそこまで困らないので、ぜひどんどん増やしてほしいです(笑)

つよくて、やさしくて、かっこいいコーポレートチームをつくる

海:チームや会社に対してこれからどのように向き合っていきたいと考えていますか?

川村:まだまだ小さい会社なので手を抜いて仕事している人はバレてしまう中で、皆さん本当に全力で取り組んでいると日々感じています。そういう人たちに対して管理側からも報いていきたいです。

たとえば福利厚生もしっかり整えていくとか、管理側から皆さんへ感謝の気持ちを表していきたいですね。

また、管理側がギスギスしてたら、働く人の心が折れてしまいますよね。そうした負の連鎖が会社全体の生産性を下げると思っているのでそれを避けるように動いていきたいと思っています。

海:改めて川村さんに入社していただいて、感謝しています。ぜひこうした考え方をスタンダードにしていきたいですね。このチームでなら、自信を持って勝てそうだなという確信がもてました。

川村:ありがとうございます。個人的には、海さんの強い意志や根底にある考えをもっと引き出していきたいですね。そして、管理の立場から経営を支えていきたいと思います。

海:事業に尽力する人たちの苦労・プレッシャーに寄り添える優しさと、なぜこの方法論を取るべきなのかのwhyを伝え切る強さをかね備えた、かっこいいコーポレートチームをこれからも一緒につくっていきましょう!