大切にしているのは「個々が意思を持って動くこと」。マネージャーとしての姿勢
PDPが持つ式場のひとつ、高宮庭園茶寮。そのウェディングチームに所属し、ユニットマネージャーを務めるのが内川だ。
多くのメンバーを束ねながら、PDP最大のミッションである「感動創出」をテーマとした結婚式をつくり出すこと、ひいてはより多くのお客様にここで結婚式を開きたいと思ってもらうことを胸に、日々の業務に取り組んでいる。
「業務で言えば、マネジメントに加え、お客様にウェディングをご提案する仕事もしています。結婚を控えている新郎新婦様は、当式場以外も見学していることがほとんど。だからこそ数ある結婚式場の中から納得して選んでいただくことが、大事なポイントです」
いかにお客様に納得して選んでもらうか。そのために意識しているのが、コンセプトの体現だ。
「当会場では、『不易流行』という、かの松尾芭蕉が唱えた言葉を信念とし、日本古来の美しさ、文化、趣といったものを重視しています。
そのため、お客様との打ち合せでは紅茶やケーキではなく、お茶とお茶菓子をお出しする、といった空間や体験レベルでもコンセプトを体現。言葉遣いや所作からも、ここが何を大切にしているのかが伝わるような場づくりに意識を置いています」
式場全体でコンセプトを演出するには、メンバー全員が物事を自分事としてそのコンセプトを理解し、行動することも欠かせない。内川はマネージャーとして、一人ひとりのメンバーが意思を持って行動できるよう促していると語る。
「メンバーが『自分はこうしたい』『お客様のためにこう変えたい』と提案してくれたことは、できるだけ受け入れるように努めています。当社ファウンダーの杉元が『愛情の反対は無関心』だとよく言うのですが、チーム全員が相手に興味を持ち、自分のこととして考えられるようになれば、すごく強いチームになると思うんです」
そのためには、メンバー間のコミュニケーションも重要だと内川は考える。3カ月に一度の目標設定や中間面談、そのほかにも気軽にメンバーと話をする時間を意識的に作っている。
「とにかく、メンバーそれぞれの心情を聞いています。そのあたりを汲み取りながら、そうか、じゃあどう行動していこうか?と一緒に改善策を考えます。またメンバーが話しやすいように、私から自己開示することも意識していて。そういった過程を通して、チームで一丸となれるように導くことも大事にしている点のひとつです」
すべては「お客様のために」。アルバイトで入社以来、持ち続けている信念
もともと高校卒業後は電気工事の仕事に就職した内川。ただ、働く中で、より人と関わる仕事、中でもウェディングに興味を持つように。そうして転職した先が、PDPだった。
「ウェディング業界の中でもPDPを選んだのには理由があります。小学生のころに習い事でソフトボールをやっていたのですが、練習をしていたグラウンドの隣がヴィラズ長崎という結婚式場で。当時、鳩やバルーンを飛ばしてみんなが幸せそうに過ごしている空間に興味と憧れを抱いていました。実はその会場がPDPの会場だったのです」
こうした縁もあり、2015年に内川はアルバイトとしてPDPに入社。まず配属になったのはレストラン&バンケットサービス部だ。当時20歳前後だった内川は、ウェディングの学校に通っていたわけでもなく、知識も経験も皆無だったため、現場を知ることからスタートした。
「このころに学んだことで今も生きているのが、『すべてにおいて、主語はお客様』という考え方。サービス部門のときの上司や周りのメンバーはみんな、その思考のもと、『目の前のお客様をどれだけ喜ばせられるか?』という視点で最善のサービスを実行していました。
この考え方は、サービス部門に限らず、どのセクションにも通じることを、今あらためて実感しています」
アルバイトとしての2年が過ぎたころ、内川は念願のウェディングプランナーに異動に。当時は、サービス部門での楽しさも覚え始めたころで、嬉しさを感じつつも気持ちは複雑だったと振り返る。
「業務内容は変わりましたが、異動までの1カ月間で、ウェディングに関するある程度の知識は学べました。サービス部門の仕事が終わった後にウェディング事務所に行って質問したり、時には現場に同席させてもらったり。この1カ月間で、異動する心構えと覚悟が定まったと思っています」
キャリアチェンジして10カ月ほど経ったころには、働きぶりが認められたこともあり、内川は社員へとステップアップした。そして次の異動先での経験が、新たなキャリアの方向を決めるきっかけとなる。
先輩から受け継いだ想いを、今度は自分が若いメンバーにつないでいく
正社員となり、より一層業務に励んでいた内川。その後、長崎から京都のホテルモントレ京都に異動。支配人のマネージャーと2人、立ち上げのタイミングから携わることになった。
「当時の支配人に出会えて一緒に仕事ができたことは、私にとってものすごく大きな経験でした。とても心が広く、メンバーたちができるだけ多くの経験を積み、成果を出せるようにと常日頃から考えられている方でした。
また、人間誰しも失敗することがありますよね。そんなとき、メンバー自身に経験を積ませつつも、必ず自分が責任を取る、というスタンスを崩さないのが、当時の支配人でした。この時学んだマネジメントとしてのあり方は、その後にも生きています」
内川が尊敬してやまない当時の支配人。中でも、印象に残っているエピソードがあると言う。
「当時は他社とアライアンス提携をしており、ホテルの中でもウェディング事業は当社が担当、その他のサービス、キッチン、ホテルメンバーは、全員が別の企業のスタッフという状況でした。
企業が違えば文化も違うという中で、うまく全体をまとめていたことがすごく印象に残っていて。違う会社だからこそ時に衝突することもあったのですが、自社の大事なところを守りながら、折り合いをつけていました。責任者として、守るべきところは守りつつ、交渉して落とし所を見つける姿勢がカッコよかったんです」
マネジメントの姿の憧れもあり、「マネージャーになりたい」と伝えていた内川。
京都に異動して一年半後には、ユニットマネージャーに就いた。
「その時の私は社員になりたての時でしたが、その支配人とお話をしていく中で、それまでに経験していない仕事もたくさん与えていただきました。その中で出来ることや知識が増えることが楽しいと日々感じていました。
マネージャーになることによって、自分自身の成長にもつながっていくと思っていましたので、『ぜひ、マネージャーになりたいです』と伝えていました。それを踏まえて、当時の支配人も私の育て方を考えてくれたのだと思っています」
今は、自分が関わったメンバーが成果を出したり、喜びを感じたりする様子を見ることがひとつのやりがいになっている。
「トレーナーとして後輩メンバーの育成にも携わっていたことがあるのですが、実は嬉しいことに、当時私がトレーナーとして見てきたメンバーは、全員今もPDPで活躍してくれています。
時に挫けそうになりながらも『頑張っていこう!』と宣言したことを実践し、今日もPDPの会場内のどこかで感動を届けている。さらに、そのメンバーたちが今、トレーナーや就活メンターをする立場にもなっています。私が先輩たちから受け継いだことを下の世代に伝えていった形ですが、その想いが途切れずつながっていることは、私にとって何よりの財産です」
いつ何時も「楽しむ」ポジティブ思考が、想像以上の未来につながっていく
今後はウェディングだけでなく、レストランやキッチン、フラワーなど、より多くのこと、事業を知りたいと考えている内川。それらの知識と経験を得た先に描くビジョンは、会場の支配人だ。
「お客様を第一に考えることはこれからも変わりません。そこをブラさず行動していれば、自ずとメンバーのことも大切にできるし、メンバーも楽しく仕事ができると思うんです。『内川さんの組織って、お客様が喜んでくれることが多いよね』、そして『この組織にいると楽しいな』と思ってもらえることが私の理想です」
常に前向きで、順調にキャリアアップしてきたようにも見える内川。それを支えてきたのが、ポジティブ思考だ。
「私も大変だ、つらいと思うことはあります。でも、そのつらさも、『良い経験ができている』と思うようなタイプなんです。
だから、心が折れたり何かを諦めたりするという思考にはならず、『まあいっか!』『次はどうしようかな』と思えます。たとえ退屈だと感じる仕事があったとしても、目標を立てるなどして、どうやったら楽しくなるかを常に考えています。
アルバイトからのスタートでしたし、すぐに希望する仕事に就けたわけではないので、周りからは苦労していると思われることも多いですが、私自身はまったく苦労したと思っていません」
紆余曲折の日々を乗り越えてきた中で、「どの期間も自分のための良い経験になり感謝しかない」と語る内川。そんな内川から見て、どのような人がPDPで活躍できる人物なのだろうか。
「PDPは私たち一人ひとりの意思に向き合ってくれる場所です。そして、自分の考えに基づいて動ける、それをちゃんと見て認めてくれる人がいる。そんなカルチャーができあがっていることがPDPの魅力です。
だからこそ、とにかく、成長したいと行動に移せる人、意志を持って動いていける人であれば、PDPでも活躍できると思っています」
入社以来たくさんの人に支えられながら、仕事をしてきた内川。これからも「なんでも楽しむ」というポジティブ思考で突き進む内川の行く先には、明るい未来が広がっているだろう。
※ 記載内容は2023年9月時点のものです