「知ってもらいたい、変えたい」という想いが後押ししたコンテストへの挑戦

▲オンラインで開催した社内イベント「感動コンテスト」でプレゼンテーションをする中屋敷

株式会社ポジティブドリームパーソンズ(以下、ポジティブドリームパーソンズ)のアニバーサリー事業のプランナーである中屋敷 優里は、運営施設のひとつ「スケープス ザ スィート」(以下、スケープス)にて、プロポーズのプランニングを行っている。

2019年からプロポーズプランナーとして、新事業であるプロポーズのプロデュースを推進し、翌年の2020年に応募した社内の「感動コンテスト」で優勝を果たす。感動コンテストに応募した動機はどのようなものだったのだろうか。

中屋敷 「感動コンテストでは、プロポーズプランを利用したお客様について取りあげました。応募の動機は3点あります。

ひとつは、社内メンバーにプロポーズプランを知ってほしいと思ったからです。プロポーズプランは、会場のすべてのセクションの協力がないと当日を迎えることができません。そこで、ふだん協力してもらっているメンバーに、自分がしていることを知ってほしいと考えました。

ふたつめは、オリジナルのプランニングをすることが私たちの職責であることを伝えたかったからです。プロポーズプランを利用されるお客様の利用趣旨はプロポーズオンリーなので、どうしても型にはまったプランニングになってしまいます。でも、それでは足りないと思っていて、ポジティブドリームパーソンズでしかできないことを、ヒヤリングなどを通して提案していかないといけないと思ったのです。

最後に、サービスマンとしてヒヤリングの大切さをメンバーに伝えたいと思ったことが挙げられます。お客様の反応を見ながら試行錯誤を重ねてプランニングしているからこそ、ニーズに合ったサービスを提供できるのだということを、メンバーに伝えたいという思いがありました」

感動コンテストには優勝するつもりで臨んだ中屋敷だが、そのために特段工夫をするというよりも、普段やってきていることをしっかり伝えることを意識したのだという。

中屋敷 「“今だから変えたこと、変えなかったこと”というコンテストのテーマが私にはぴったりだと思いました。ですから、優勝するために何か特別なものを作るのではなく、自分がやったことをしっかりと伝えようと思ったのです」

また、中屋敷には優勝後の周りの反応について忘れられないことがあるという。

中屋敷 「一番印象に残っているのは、いつも無茶ぶりに近い要望をかなえてくれるフラワー担当者からメールをもらったことです。『本当に誇りです。お花をいつも作っていて、そんなふうに活かしてくださっているのを知って涙が出る思いでした』というものでした。思いが伝わったんだな、ととても嬉しかったことを覚えています」

「プランナーを極めたい」キャリアアップのきっかけは信頼できる先輩

中屋敷には、もともとアルバイトとして入社したという経緯がある。前職であるレストランでの、結婚式二次会のプランナーとしての経験も、現在の仕事に大いに役立っているという。

中屋敷 「当時は結婚式のプランナーをやりたいという思いが強くて、専門学校へ通うことを決めていましたが、入学までに半年ほどあったので、スケープスでアルバイトをすることにしました。

そこで先輩のウェディングプランナーと話をしているうちに、専門学校へ通うよりも現場で経験を積みたいと考えるようになり、そのままスケープスに残ることにしたのです」

スケープスでは、心から尊敬できる先輩と出会えたことによって受けた影響が大きかったと中屋敷は語る。

中屋敷 「当時、私にとっていまだに『師匠』と思っているほどの男性の先輩がいて、その人の下でこの仕事を極めたいと思ったのです。当時の私は、感情豊かで生意気な部分もありました。そんな私を、忙しいなかでも逐一注意し、私のためになる『叱り』をしてくたのです。

『人間は人間だから、妥協したり挫折したりするときはあるんだよ。でもそれは人間だから悪いことじゃない。でもだからこそそれに満足してはだめだ。毎日小さくて面倒くさいことはたくさんあるけど、それをひとつずつ全部やっていくと必ず自分に返ってくるから、面倒くさいと思ったことにまず飛びつきなさい』という言葉を初期のころにいただきました。その言葉は、今でも常に意識しています」

そんな先輩との出会いは、中屋敷にとってアルバイトから社員へステップアップするきっかけにもなったのだという。

中屋敷 「私がアルバイトから社員にステップアップしたのは、その先輩が異動したことが一番の理由でした。『先輩がいなくなったら、この施設はどうなってしまうのだろうか』と焦りました。そこで『私が社員にならなきゃ』と思い、ステップアップする決意をしたのです」

そんな中屋敷には、これまでに経験した仕事・プロジェクトの中でも、とくに印象に残っているものがある。

中屋敷 「とくに印象深いのは、プロポーズプランナーと結婚式のセッティングの仕事です。とりわけ午前の結婚式が終わってから、午後の結婚式をするまでの片づけとセッティングはすごく大変で、必ず指示を出す人が必要になります。

先を考えて、誰が何をするのか重ならないように、すべてのメンバーに対して一人ひとり違う仕事をふりわけないといけません。あるときからその仕事を任されるようになって、期待されていると感じて嬉しいと思うようになりました」

プランナーとして大切にしているのはとにかく距離を縮めること

▲プロポーズプランナーとして時に客室を一室まるごとフラワー装飾する演出も提案する

中屋敷は、立ち上げ当時からアニバーサリー事業に携わっているが、最初のうちはさまざまな苦労があったという。

中屋敷 「最初のころは、段取りもまったくわからなかったので苦労が多かったです。お客様と打ち合わせをし始めた当初、先輩が作成してくれた進行工程通りにまったく進められませんでした。型にはまった提案しかできなかったので当然のことながら売上も上げられず、思い悩む時期は非常に辛かったです」

そんな中、まずは売上を上げるための工夫を中屋敷なりに考えてみたうちのひとつがお花の活かし方だった。

中屋敷 「売上のためにお花を提案するというより『こちらのほうが絶対に女性が喜んでくれる』と思って提案したほうがかえって売上につながるということに気づいたことは大きかったと思います。それからは結果もついてくるようになりました」

中屋敷は、的確な提案をするためのヒヤリングの仕方にも工夫をしているのだという。

中屋敷 「ヒヤリングでは、お客様にとっての『理想のプロポーズ』を聞くように心がけています。そもそもプロポーズプランを予約される男性は、喜ばせたいしカッコつけたいけれども、自分ではどうしたら良いかわからないという方がほとんどです。

ですから、カッコつけたい気持ちを尊重しながら要望を引き出してさしあげて、安心感を持っていただけるよう意識しています。

また、ヒヤリングでのコミュニケーションの取り方については、これまでの仕事で得た経験やノウハウも活かせていると思います。とくにお客様との距離感の縮め方に関しては、前職でお客様にどのような気持ちになっていただくかを考えて接客をしていたことが活かせている、と感じるのです」

そんな中屋敷は、これまでの経験でとくに印象に残っている案件がある。

中屋敷 「印象に残っている案件はふたつあります。ひとつは、ひと晩で90万円もお支払いくださったお客様です。女性がバラに囲まれてプロポーズされたいという理想を持っていらっしゃったので、どのような装飾をしたら良いか、フラワーコーディネーターと相談しながらかたちにしました。

もうひとつ印象に残っている案件は、感動コンテストに提出したお客様です。そのお客様は『彼女の気持ちが自分に向いていないのはわかっていますが、プロポーズをするなら今しかないんです』という方でした。すごく恥ずかしがり屋な方で、ヒヤリングの方法を試行錯誤し、実際にプロポーズが成功したとご報告をいただいたときは、自分のことのように嬉しかったです」

目指すのは、型にはまらないマルチプランナー

アニバーサリー事業は今、プロポーズや結納、顔合わせ、小さい子どもの誕生日などのさまざまな広義のお祝いのプランニングへと拡張していっている。その特性を活かし、中屋敷は今後もいろいろなことにチャレンジしていきたいと考えている。

中屋敷 「アニバーサリー事業では、人の人生において記憶に残るような演出をしていきたいです。ですが、正直にいうと今の段階では、具体的にこれをしたいというかたちがあるわけではありません。

一番良いのは、お客様がプロポーズをして、顔合わせして、結婚式もうちで、というように、スケープスをまるでわが家のように思っていただくことだと考えています。そのためには、会社としてもプランナーとしても、より多くのお客様にとっての受け口やきっかけになっていかなければ、と思います」

また、中屋敷は感動コンテストでの優勝を機に、社内での自分のポジションや理想像についても考えることが多くなったという。

中屋敷 「社内では、アニバーサリー事業はもちろんですが、すべてをこなせる人財になりたいと思っています。アニバーサリー事業での経験を活かして、ウェディングのプランニングや、打ち合わせで単価を上げるための提案の経験を活かして結婚式の成約を取る。すべてにおいて求められる人財になることが今の目標です。とにかくいろんなことにチャレンジしていきたいと考えています」

そんな中屋敷が担当するアニバーサリー事業の今後の課題には、どのようなものがあるのだろうか。

中屋敷 「結婚式でも、レストランでも、プロポーズでも、安心感を今まで以上にお客様に提供しなければいけないと感じています。人を安心させるような伝え方は大切です。今はこういう情勢だからこそ、スケープスを、みなさんが安心して帰ってこられる場所にしなければいけないという責任感があります。

また、恐縮はありますが、社内全体が型にはまらないでほしいとも思っています。ヒヤリングでお客様の想いをくみとることや、しっかりと向き合うことが結果的に安心感を与えることにつながっていくでしょう。ですから、日々の業務で目の前にいる人がメンバーであろうとお客様であろうと、ないがしろにしてはいけないと考えているのです。

こういうときだからこそ、人と人とのつながりを今まで以上に大切にしていきたいと思っているので、ほかのメンバーもそうあってほしいです」

人との向き合い方やつながりを大切にする中屋敷にとって、アニバーサリー事業の仕事は天職といえるのかもしれない。