イチからのスタートで、未知の世界を知る

PDPに入社してから8年間、ウェディング事業に従事してきた甲斐 裕子は、2020年1月まで、ウェディングソリューション室で、リフレクトルというクラウド教育ツールも活用しながら全国にいる新人や接客のスキルアップが必要なメンバーの育成の役割をメインに担当してきた。

2月からまったく新しい「レストラン・バンケットマーケティング&ブランディング室(RBMB室)」へ異動した。

甲斐 「部署が変わって今はもう本当にイチから覚えているタイミングです。

RBMB室の中での私の大きなミッションは、レストラン全体の売上を上げるところ。あとは、会社のレストランのブランディングを守りながら、現場で働いているメンバーを本社でサポートすることです。サポートするという意味では、ウェディングソリューション室と近しい部分はありますね。DXの専任でPDCAを回していくのが、将来的なミッションになっています」

RBMB室が担うDXというのは、コロナで飲食店に対する価値感が拡張した中で、実店舗だけでなくデリバリーやテイクアウトなどのチャネルをスピードを持って展開していく拡大事業の一つだ。

甲斐 「今、DXのプロジェクトに参加させていただいて、来期以降、どういう商品を打っていくか、どういう媒体で戦略的に商品を販売していくかを考えている段階です。

走り始めたばかりなので、声を拾い、整えながら、ベースづくりや社内の理解を深めている感じです」

新しい領域で今どんな心境なのだろうか。

甲斐 「今の仕事のやりがいは、イチから新しい仕事を教えてもらっているので、同じ会社なのに自分が知らないことが、こんなにあったんだという発見が、結構あることです。

事業が違うと業務の進め方がまったく異なり、それが新たな刺激になっています。ウェディングだと週次でPDCAを回していくので、一週間で数字を整えるための戦略を練っていきます。

一方、レストランはデイリーでアクションが変わります。ウェブに載せる文言ひとつで、まったく商品が売れない日とか、逆に売れる日とかもあるんです。そういうのをリアルタイムで見られることに、すごくやりがいやおもしろさを感じています」

スピード感──それは今、甲斐自身が成長を実感するポイントだ。

子どもたちが呼び起こしてくれた、日々一生懸命に挑戦する気持ち

甲斐はPDPに入社前、接客と営業の2社の経験を積んできた。

甲斐 「一番最初、新卒でホテル業界にいきました。

その会社でいただける賞を取ることが目標でしたが、それを取ったら、次の目標がなくなってしまって……。そこで営業を勉強したいと思い、転職をしました」

営業会社を経て結婚を機に引越しをし、接客と営業、両方できるウェディング事業を志望した。接客も極め、数字も追いかけたい。その両方追求できそうなのがPDPだった。

PDPのウェディング事業に従事し、一番最初にアライアンス会場に配属された。

甲斐 「PDPの数字と、クライアント様の数字をつくるのがミッションとして大きくありました。そこに、かなりやりがいとモチベーションを感じていました。両方のお給料をとってくるんだっていう覚悟が、モチベーションでしたね(笑)」

ユニットマネージャーに就任後、2017年と2019年に出産のため、産休育休を取得。

甲斐 「母になったことで、時間が足りないのはジレンマでした。今日与えられた7時間でいかに生産性高く仕事をするかは常に考えていました。子育てが働き方を考えるきっかけになり、プラスに働いた感じです」

ただ、二度目の育児休業から復帰し、コロナ禍での自社の実態を見たときに、直接的に自分が数字をつくることに貢献しているのか、もどかしく感じることがあった。

そんなタイミングで、レストラン事業の社内公募制プロジェクトの声が全メンバーにかかった。

甲斐 「『オンラインレストランのメンバーを応募します』というメールが全員に届きました。直感ですが、このメールが私を呼んでいると思ったんです。メールがすごいキラキラして見えました(笑)」

ここに応募しようと感じたことにも理由があった。

甲斐 「私も緊急事態宣言下で、テイクアウトやデリバリーにはお世話になっていました。お客さんとして使っていた目線としても、すごくありがたかったんです。

これから必要なビジネスになってくるから、こういう知見を勉強するのも楽しそうと思いました。また、ちょうどその頃、子供もいろんなことにチャレンジしているのを見て、日々のちょっとしたことを一生懸命していたことが、自分にもきっとあったんだろうなって思い起こしたんです。だからそんな姿をみて、私も応募したいという想いになりました。ただ、正直選ばれると思っていなかったので、びっくりしました」

経験から、価値の提供を広げていく

公募の結果も省みずにプロジェクトに飛び込んだ理由はこれまで経験してきたことが大きいという。

甲斐 「何事にも当事者意識を持てているのは、PDPの入社当時の経験が大きいです。入社して一番最初に配属された会場で、私たちが数字をつくれなくて、アライアンスの契約を切られてしまったんですね。それが、入社2カ月目くらいでした。その経験から、やっぱり数字をつくらないと、契約を切られるっていうのがすごい刷り込まれています。

あとは、前職の先輩に、今の給料をもらうだけの価値があるのかを考えろと言われたことも印象に残っていて。私が30万のお給料をいただくなら毎月90万の粗利を会社に持っていかなきゃ、みたいなのはすごくありました。お給料をいただく以上、その分の責任を果たしたいっていうのが、多分根底にあるんだと思います」

このような経験から学んできたことを、大事にしていきたいと甲斐は考えている。

甲斐 「成功も失敗も大事だと思っているので、経験することを怖がらない。特に年齢を重ねると、いろんなしがらみに囚われやすくなってしまいますが、それはすごいもったいないと思うんです。なので、仕事でもプライベートでも、なんでも良いからまずは経験しようと思っています。

それは子どもたちに対しても同じで、どんどん経験をさせてあげたいなと思います」

インスタなどで視覚から欲しい情報を得て十分と考えているメンバーにも、伝えたいことがある。

甲斐 「頭に情報を入れるだけでは、もったいないと思って。経験すると、お客様に対する価値提供の範囲が広がり、自分が発する言葉にも重みが出ます。嘘くさくならないと言うか、そこに想いが乗るんです。

だから、みんなロボットみたいにならないよう、なんでもいいから、経験はいっぱいしたほうが良いというのは伝えています」

自分が経験してきたからこそ得られた価値を周りの人にも広めている。

豊かな気持ちを多くの人に届けられるよう、目の前の目標達成を目指す

2021年現在、甲斐はDXプロジェクトで持っている大きな目標がある。

甲斐 「その目標を私が達成する姿を通して、なにか学んでもらえればいいかなっていうのがあります。なので、まずは達成したいです。まずは自分が、目の前に与えられたミッションをやりきりたいです」

目標を持ちながらも、不安なこともある。

甲斐 「まだ全然やり方は見えないんです(笑)。数字目標も高くて……。でも見えてないから、行動すれば良いのかなって。頑張ってチームで、みんなでケアして暗中模索します。仲間がいるからこそ挑んでいけるんです」

ウェディングからレストランに従事する事業へ変わっても、PDPの「感動で満ちあふれる日本を創ってゆく。」というビジョンが甲斐の背景にはある。

甲斐 「コロナで初回の緊急事態宣言のときに、育休中でずっと閉鎖された空間に居て、でも、日々すごく大変なときに声をかけてくれる人がいて、人のありがたみに触れる機会が多かったんですね。結構あの時期っていっぱいいっぱいで、このまま緊急事態宣言が開けなかった正直どうしようと思っていました。

そのときに、いろんな小さなありがとうや、日常のちょっとした一言でこんなあったかい気持ちになるんだと、すごく経験しました。

今度は私が働く番になったので、そういう経験を自社の商品で生んでいきたいと思います。感動をつくるというと、大きなものに感じますが、身近で一個一個、大事に積み上げていくというのが、想いとしてあります」

甲斐はこれまで自分自身が人のありがたみに触れた経験を、これからは自社の商品やサービスに生かし、豊かな気持ちを感じてもらえる人を増やしていくことにチャレンジし続けていく──。