まさか、ファッションにしか興味がなかった私が、コンサルタントになるとは
私が新卒で最初に就職したのは某大手のアパレルメーカーでした。
某ブランドの販売員からキャリアをスタートさせ、それから副店長、店長、新店舗の立ち上げや統括など、熊本を中心に九州エリアで順当にキャリアアップし、さまざまな業務に関わりながら約11年もの間、アパレルメーカーに在籍していました。
そんな中で転職を考えたきっかけは、当時、多くのブランドが、50%オフ、70%オフというディスカウント戦略一辺倒になっていたこと。“店頭にいてお客様と触れ合いながら商品を売る”という販売員の介在価値が、徐々に薄れていってるように感じていました。
また、以前の私には「店舗運営のプロフェッショナルが集結し、幅広い企業ブランド店の商品を取り扱う販売代行会社を創業したい」という夢がありました。さまざまなブランドとアウトソーシングやライセンス契約などを締結し、レディース、メンズ、子ども服などを広く取りそろえ、実店舗運営のみならずEC展開を中心とした事業計画を立案していたのです。
しかし、時代的な背景もあり、自分が想い描く夢の実現は難しいと感じるようになっていました。
そうした状況下で、次のキャリアを考える契機となったのは、自分自身のマネジメント経験から、「業績面に対する定量評価以外に、顧客満足度評価やチームへの貢献性などの定性面もきちんと評価をしたい」と感じていたことでした。
ここから思い至ったのが、「定量面以外の能力や資質をもっと評価できるような人事制度・評価体制があれば、信念を持ち業務に臨んでいる現場のメンバーがもっと輝くのではないか?」というビジョン。
そのビジョンを起点に「人の成長」や「モチベーション」「働きやすい環境」などに興味を持つようになり、やがて、すべての企業の根幹である「人」へと興味の先が移っていきました。
そして、「人」と関わる仕事といえば何がいいのだろうか……と考えたときに、人材紹介サービス業界の仕事に出会い、次なるキャリアの方向性が固まっていきました。
家族の反対を押し切って異業種からキャリアチェンジしたワケとは
私がアパレル業界から人材サービス業界に転職したのは、34歳のときでした。
人材サービス業界と一口に言っても、人材派遣サービス業や人材紹介サービス業などさまざまあります。
私は、正社員雇用での人材紹介サービス業に興味がありました。顧客企業に対して組織課題を変革できる方を自分がご紹介していき、社員がモチベーション高く、中長期的に働いていける環境づくりに寄与したいと考えていたからです。
しかし、当時私が住んでいた熊本には、人材派遣サービス会社はあれど、人材紹介サービス会社はなく、近いところでは福岡にならあるような状況でした。
また、人材サービス業界での就業経験が全くない私に対しては、前職と同額の給与同等の年収を支払うことが難しいと言われたこともあり、大幅な年収ダウンを前提とした転職でもありました。
当時、既に結婚をしていたため、実際には転職に対する家族の反対もありましたね。人材サービス業界でどんな仕事に就くのか、はたらき方はどう変わるのか、熊本で働くか福岡で働くかなど、家族の意見も尊重しなくてはならない中で大きな決断を迫られました。
とはいえ、「どこまでできるか自分を試したい」という気持ちが強かったので、その気持ちを家族に理解してもらい、最終的には福岡に支店があった大手人材エージェントへ転職を決意しました。ここが、私の「人材エージェント」としてのキャリアの始まりでした。
業界未経験で飛び込みましたが、がむしゃらに企業顧客および個人のお客様に向き合い続けることで、新しい環境にも比較的に早く馴染めましたし、スタートは順調でした。その後も、知人からの誘いやヘッドハンティングを受けて、複数の人材紹介サービス会社で経験を積んだり、福岡から東京へ拠点を移したりしながら、活動の場を広げていきました。
こう振り返ると順風満帆なコンサルタントとしてのキャリアを築いてきたように思えますが、やがて私は、もっとチャレンジングな環境で成長したいと考えるようになっていたのです。
「経営者と仕事がしたい」という信念を貫いた最初で最後の転職
パーソルキャリアに入社する直前に在籍していた人材紹介サービス会社では、パーソルキャリアのdodaMapsなどの人材データベースを使用していたため、当時の私は、パーソルキャリアの社員と話す機会がときどきありました。
その流れで、「経営者と仕事をしたい」という話題から、エグゼクティブエージェントサービス(EAS)事業部という組織を教えてもらったことが、私の人生の大きな転機になったのです。
※dodaMaps:外部の転職エージェント向け人材データベースサービス
私は仕事をする中で「誰と仕事をするか」ということを大切にしています。“誰”というのは、社内の人間ではなくて、「お客様」のことです。私はずっと経営者の方々に強い興味を持っていたため、そういった意味でEASの事業内容にはとても魅力を感じていました。
一方で、不安もありました。というのも、これまでの転職先企業の決め方は、自分を必要としてくれていているか否か。入社を決めた企業には必ず知り合いがいたんです。転職する際に、新しい職場に知り合いがいるのはとても心強く、居心地もいいものです。しかし、パーソルキャリアには知り合いが誰もいませんでした。
さらに、初めてのエグゼクティブ領域に携わることもあり、成し遂げられるかどうかもわからないミッションに挑戦するという大きな不安もありました。経営層か否かによって転職希望者様にお伝えできる情報の質が大きく異なるために、ご支援が最善の方法でまとまらないケースも、これまでに幾度となく経験してきています。
しかし、アパレル時代に過去最高益やリーマンショック前後のデフレスパイラル、EC事業の盛り上がりなどさまざまな状況に直面してきた経験から、未来を切り拓いていくためには、企業のトップである経営者のリーダーシップが不可欠であるとも痛感していました。
最終的には、「経営者の方がどこを目指しているのか」、「そこにたどり着くためには何が必要か」という経営者の「志」を共有し合うことで、私自身も関わる全ての方に熱意と覚悟を持ちながら仕事をしたい気持ちが勝り、強い覚悟をもって入社を決意しました。
それに、EAS事業部という新しい環境は、「自分のさらなる成長を得られる場所なのではないか」とも強く感じたのです。
九州エリア専任のエグゼクティブエージェントとしての「これから」
入社後は、地元九州エリアの拠点の立ち上げを任されました。
始めてすぐに感じたのは、東京に比べると九州はまだまだ変革が進んでいない部分が多いこと。僭越ながらにも多くの課題感を持ちましたが、”人を通じて企業が成長する”という東京での成功体験をもとに、地元九州の多くの経営者の方への支援をしていきたいと考えています。
「優秀な人材が入社することで、会社がこんなにも大きく成長していく」ということを、私の体験談を持って伝えていきたいと強く思っているのです。
実際に、ECサイト運営企業様に経営企画室長の方のご紹介を支援させていただいたときのこと。その方は、クオリティの高い中期経営計画の策定から新規事業の企画立案において、中心メンバーとしてプロジェクトをリードし、企業の売上成長に大きく貢献されました。入社後2年間で売上は2倍を超え、2022年12月現在は、取締役に就任しボードメンバーとして活躍されていらっしゃいます。
このように、新たなビジネスリーダーとのご縁が、想像を超える成果を生み出すことにつながるのは、喜ばしいこと。今後も長く経営者に向き合い、イノベーションを起こせるような真のビジネスリーダーをより多くの企業様へご紹介し、事業拡大をご支援できればと思います。それこそがまさに、私が介在することの価値だと思っていますから。
そして連続性のある活動の先に、変革のうねりが起こり、九州にも新しいマーケットが拓けると強く信じています。
※社員の所属組織および取材内容は2022年12月時点のものになります。
※社員の所属事業部名称は、2023年4月時点での名称となります。