大志が紡ぐ革新的ソリューションへの道筋

近年、自動車産業は100年に一度と言われる大きな転換期を迎えています。とくに、モビリティの電動化を通じたカーボンニュートラルの実現は、業界全体にとって非常に重要な課題です。
当社の母体であるトヨタとパナソニックはいずれも日本を代表する企業ですが、それぞれが単独ではなしえないこの大きな課題を解決するために、当社では両社の強みを結集し、革新的なソリューションを創出することをめざしています。
また、当社は「かけがえのない地球 クリーンで豊かな社会を未来へ」というビジョンを掲げ、社会や地球への貢献を最大のテーマとして位置づけています。設立当初、「カーボンニュートラル」という言葉はいまほど普及していませんでしたが、地球温暖化や環境汚染といった社会問題の解決に貢献したいという大きな夢と志が私たちの出発点です。こうした大きな社会的使命を掲げることは、社員一人ひとりが働く上での原動力にもなると考えています。
電池技術でエネルギーの未来を変える。クリーンで豊かな社会の構築をめざして

「かけがえのない地球 クリーンで豊かな社会を未来へ」というビジョンは、会社設立の準備段階から温めてきたものです。
そして、「プライムプラネットエナジー&ソリューションズ」という社名には、かけがえのない私たちの地球を豊かでクリーンに保つため、電池というエネルギーデバイスの供給を含む幅広い付加価値やソリューションを社会に提供していくという当社の想いが込められています。
当社にとっての最重要課題は脱炭素社会の実現であり、その中心的役割を担うのが電池。クリーンなエネルギーを普及させる上では、電池は欠かせない存在だと考えています。しかし、私たちがめざしているのは、ただ電池をエネルギーデバイスとして販売することではありません。
電池を搭載した自動車や多様なモビリティはもちろん、モビリティ用バッテリーにおける開発力を応用して社会インフラまで領域を広げていく。そして、技術革新を起点に地域をつなげ、製品開発の枠を超えたエネルギー事業を推進していく中で、クリーンで豊かな社会の実現に貢献したいと考えています。
多様化するソリューションが電気エネルギーで描く、未来の社会の創造へ

さまざまな業界においてソリューションが広がっていくためにも、電気エネルギーのモバイル化は不可欠です。幅広い分野で電動化のニーズが高まるにつれ、高性能で高品質な電池の需要も増加してきました。
当初は、パナソニックという電池業界トップの企業とトヨタが一体となり、自動車の電動化を牽引することをめざして事業がスタートしました。この目的に向かって現在、車載電池事業が急速かつ着実に拡大し続けていますが、それに加え、さまざまなお客さまの要望に応えるかたちで電池を使った多種多様なソリューションを検討し、その実現に向けた取り組みを進めています。
現場主義が導く革新。付加価値を生み出す、エンドユーザー視点の経営哲学

ビジョンを実現する上で、私がとくに重点を置いてきたのが「現地現物」の姿勢です。現場にはすべての情報が集約され、状況は刻々と変化しています。会議で議論を重ねたり、机上で考えたりするだけでは、仕事に付加価値を生み出すことはできません。現場に足を運び、現地現物に触れることで本来の能力を最大限に発揮することが可能になり、より効率的で実質的な仕事ができると信じています。
この「現場」とは、工場の生産現場に限ったことではありません。同時にエンドユーザーであるお客さまや社会の視点を取り入れることも重視することで、世の中とのつながりを感じることが、仕事のやりがいにもつながります。
私たちの「お客さまは誰か?」と尋ねると、カーメーカーだと答える営業担当者は少なくありません。工場関係者に、「誰のために仕事をしているのか?」と問いかけると、多くが「後工程からのニーズに応えるため」と答えます。
そのたびに、「それは違う。私たちが最優先すべきは、その先にいるエンドユーザーだ」と伝えてきました。自動車を使われるお客さまはもちろん、電池の材料生産に関わる方々、リサイクルに関わる方々も含め、すべて現場があります。広い視野で現地現物を意識・実践することが重要だと考えています。
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※ 取材内容は2024年10月時点のものです