塾の先生から電子部品業界へ転職。部品の知識を身につけてステップアップ
齊藤がオーエスエレクトロニクスに入社したのは2020年4月。現在、長野営業所でクライアントを担当し、製品提案や既存製品における調整業務に携わっています。
齊藤 「担当のお客様に対して自社が取り扱うメーカーの製品をご紹介・提案し、製品が納品されるまでの納期の調整や、各種調査等をメーカーと連携をとって行っています」
オーエスエレクトロニクスで取り扱っている半導体は、パソコンや自動車などに欠かせない電子部品です。最近では半導体が入手できずに車の製造ができない、とニュースで取り上げられるくらい、世界中で半導体不足が深刻化しています。
齊藤 「納期の遅れはお客様の一番の関心事です。納期関係や性能面など、お客様の既存製品に対する心配事項を解消するのも重要な仕事。私のミッションは、電子部品等自社の取り扱い製品のご提案をし、お客様と一緒に製品を作り上げていくことです」
長野営業所は所長を含めて7人体制。一番年下の齊藤は、周りから「恐れずに、積極的に挑戦しなさい」といわれています。
齊藤 「上司に対して『こういう風にやりたい』と提案すると、それに対して『好きなようにやってみろ』と言ってもらえることが多く、挑戦しやすい雰囲気があります。最近では、これまでのスキルや経験を活かして、オーエスエレクトロニクスとしてはあまりやってこなかった取り組みもはじめています」
電子部品業界でのキャリアは10年以上ありますが、オーエスエレクトロニクスに入社するまで紆余曲折がありました。
齊藤 「中学校の社会科教員免許を持っていて、大学時代から学習塾でアルバイトをしていました。卒業後は、そのまま社員登用という形で塾講師を3年半続けていました。ですが、塾の仕事は夜型の生活で不規則だったので、昼型のリズムで働きたいと考えて電子部品メーカーに転職したんです。当時住んでいた家の近くで営業職を募集していたので、営業は初めての経験ですが、良いチャンスだと思い挑戦しました」
電子部品メーカーで働きだした齊藤が担当窓口をしていたのが、オーエスエレクトロニクスでした。メーカーで7年近く働いた後、他の電子部品の知識を付けようと商社に転職。3年間働いた後、現在のオーエスエレクトロニクス長野営業所長に入社を決意します。
齊藤 「前職の商社ではいろんな経験をして電子部品の知識も深まり、自信がつきました。ステップアップの意味でも規模の大きい商社で挑戦したかった。オーエスエレクトロニクス長野営業所のメンバーとは、メーカー時代から面識がありました。当時から社内の雰囲気が良いな、と思いながら担当していたのも入社の決め手です」
コロナ禍で発展したメーカーと商社の新たな関係
齊藤がオーエスエレクトロニクスに入社したのは2020年4月。新型コロナウイルス感染拡大の第一波が起きる直前で、入社した翌週から在宅勤務となりました。
齊藤 「引継ぎも何もできていない状態でしたので、当然お客様と会うことすらできません。最初の数カ月は営業活動が何もできず大変な思いをしましたし、何より不安な日々が数か月続きました」
そんな中でも、塾講師、電子部品メーカー、電子部品を扱う商社を経験してきた齊藤は、これまでの経験を貪欲に活かしています。
齊藤 「塾では小・中学生が相手でしたから、どのように説明すれば分かりやすく相手に伝わるかを常に考えなければいけません。営業職でも、お客様が理解できるようにわかりやすく話すことが非常に大切です。また、塾では大勢を相手にしていたので、人前で話すことも抵抗がありません。
さらに、メーカーにいましたから、ある程度メーカー側の気持ちも経験として理解しているので、相手の立場に立って考えることができます。いろんな業種や立場を経験してきたことこそが、私の強みです」
電子部品メーカーと商社、2つの立場を経験しているからこそ、見える景色があると齊藤はいいます。
齊藤 「商社は、自社の製品を売っているわけではありません。メーカーとの協力関係があってこそ、大きな成功が得られるのです。
私がメーカーにいたときも、商社の方の多大な協力があったからこそ、拡販が実現できました。商社とメーカーは一緒に1つのことを行うという意識で動いていると思います。いまは商社側に立場が変わったわけですが、これからも一緒に手を携えていくつもりです」
コロナ禍の影響で、移動や地方への出張が難しくなった中、メーカーと商社の関係性に変化が生まれました。商社の営業担当がメーカーの代わりに地方で動いています。
齊藤 「関東圏にあるメーカーは地方に出張できません。メーカーからある程度ボールを渡されていることが多いのです。
メーカーから『動けないからよろしく頼む』といわれ、私たちのような商社の営業所が引き受けて動いている。状況の報告・連絡の中で、メーカーとのコミュニケーションが活発になっているのを実感しています」
多大な協力があってこそ営業活動が成り立つ
齊藤が担当しているクライアントは、いくつかの事業部があるため、それぞれに専任の担当をおく形でチームを作り、3人体制で進めています。オーエスエレクトロニクスに与えるインパクトが大きい顧客だけに、緊張感を持って対応していますが、コロナ禍の影響で、営業のスタイルにも変化が生まれました。
齊藤 「やはり、Webでの営業機会が多くなりました。Web越しだと、お客様が興味を持ってくれているのか、聞いているだけなのかは正直わかりません。雑談もしにくいため、対面での営業と比べるとコミュニケーションに使える時間も減少したように感じています。
それだけに、情報収集の場としての1回あたりの貴重さの度合いが高くなっている。機会を逃さず、1回の打ち合わせで、できるだけ多くの情報を集められるように意識しています」
チーム内では毎週営業会議を行い、情報共有やコミュニケーションを取っているという齊藤。どんな小さなことでも必ず連絡を行い、確認しているのです。また、営業所内だけでなく、本社との連絡も密接に行っています。
齊藤 「納期調整も拡販半活動も、1人で行えることには限界がありますから、どんな局面でも他部署と協力して業務を行います。
連絡する機会を少しずつ増やすと、相手からの電話の回数も増えていく。業務上の関わりを増やしていくことで、関係性が深まっている実感があります」
営業活動を通じて、齊藤が大切にしているのは「協力関係の構築」です。
たとえば納期については調達課、販売については販売推進部、といったように、営業活動においては他部署との連携が必要になります。各部門のスペシャリストの知見や、多大な協力があってこそ仕事が成り立つのです。
齊藤 「1人でできる仕事は、絶対的に少ないのではないでしょうか。自己満足で終わらないためにも協力して、会社の目的や軸を明確にしながら進めていくことが大切だと思います。
私は今、いろいろな人にたくさん協力してもらう立場ですが、立場が変わったときに、誰かを積極的に支援したいと思っています」
協力し、誰かの役に立つという行動は、受けた側が今度は与える側として、後に続くのではないかと齊藤は考えています。
齊藤 「社内に協力して行動する人が増えれば、あとから入ってくるメンバーも自然と協力できる人になれると思っています。あとに続く人のためにも協力行動は伝えていきたいです」
顧客との連携をさらに深め、困った時にこそ頼られる存在に
齊藤が「人との協力」を重んじるようになったのは、これまでの転職経験が少なからず影響しています。
齊藤 「会社を辞めると、自分が担当していた業務を、誰かに引き継ぎます。私の場合も、前の会社の人から『これどうなってるの』『ちょっと教えて』といった電話がよくかかってきました。これは、その顧客に対する業務をマニュアルとして社内に共有ができていなかった、すなわち組織として協力関係ができていなかった証拠だと思います。
同じように、自分以外の誰がやってもすんなりと仕事に携われるように、日頃から情報や環境を整えることも意識しています」
こうして営業活動を行う上で、齊藤が大切にしているのは「考えすぎない」というマインドです。
齊藤 「何かトラブルがあったとき、ずっと引っ張り続けていると他の業務にも支障をきたしかねません。私は楽観的なので、嫌なことやトラブルがあっても気持ちの切り替えに関しては上手い方だとは思っています。
ですから、嫌なこと、大変なことがあっても、考えすぎないようにしています。こうしたマインドが営業という観点でもプラスに働いていると思います」
2021年10月現在は、入社して1年半と日が浅いですが、今後は結果をしっかり残せるような取り組みをしていきたいと語ります。
齊藤 「営業は結果がすべて。協力して結果を数字として残す、それにつきます。まずは結果として大きいものを残したいと思います」
そんな齊藤は、オーエスエレクトロニクスの魅力をこのように語ります。
齊藤 「他部署と協力して行う業務がとても多いのがオーエスエレクトロニクスの特徴でもあり、魅力です。メーカー時代にいろんな商社を見てきましたが、この規模感で他部署との連携がこれほど取れている商社は珍しいと思います。いろんな人とコミュニケーションが取れるのはおもしろいです」
齊藤の理想の営業像は、お客様から頼られる存在。お客様からの「頼られ度」を齊藤に自己評価してもらうと、全体を100とすると40ぐらい、と厳しい採点が返ってきました。
齊藤 「困ったときに『齊藤にいえば何とかなる』と思ってもらえるとうれしいです。そこに至るまでの信頼を、日々の業務の中で勝ち取っていくのが今の目標。向上するためには、お客様の悩みやトラブルを一緒に解決する回数を増やすことが一番だと思っています」
長野営業所は今後、電子部品の供給だけでなく、EMS(電子機器の受託生産サービス)や筐体の組立などを提案することを検討しています。コロナ禍で、海外から調達していた部品が入手できない工場からの問い合わせも舞い込むようになりました。
齊藤 「コロナ禍の中で、お客様のものつくりにける体制にも変化がみられるため、EMSや組み立て業務といった新たな試みも始めようとしています。お客様から悩みを相談されることも増えてきました。どっしり構えてお客様を受け止められる営業担当になりたいです」
結果にコミットする営業担当として、大切なことを見出し提案していく齊藤は、オーエスエレクトロニクスに新風を巻き起こしています。
頼られるべくアンテナを張り、営業の新しいカタチを模索し続けるその姿は、社内外からの厚い信頼を勝ち得ながら進化を遂げているのです。