メーカーとお客様の懸け橋になる「品質サポート」という仕事

▲実験室で同じCQEの木下さんと解析依頼品の測定結果を協議

大学卒業後、約25年にわたり半導体メーカーで品質エンジニアとしてキャリアを重ねてきた鈴木。2020年にオーエスエレクトロニクスに入社し、これまでの「メーカー」という立場から一転し、メーカーとお客様をつなぐ役割として手腕を振るっています。

鈴木 「オーエスエレクトロニクスでは、カスタマークオリティエンジニア(CQE)として働いています。『クオリティ』という言葉が入っているとおり、半導体製品の品質に関してお客様のサポートをするのが私の仕事。半導体に関わるサポート役として、品質問題や関連するお問い合わせの対応をしています」

お客様からの製品に関する解析依頼への対応もサポート業務のひとつです。主要な仕入先である半導体メーカーでは対応できない部分もあるため、オーエスエレクトロニクスがその役割を担うこともあるといいます。

鈴木 「(仕入先である)メーカーがすべての件について100%解析できるわけではありません。そこで、弊社が一部解析してレポートを作り、お客様に提出してクローズすることもあります」

仕入先からは一定以上の解析を求められており、それが自分の業務において大きな位置を占めると鈴木は語ります。

鈴木 「仕入先のメーカーからは、最低でも2割は解析対応をしてほしい、と目標設定されています。弊社で一次解析を行っても原因が分からないものや重要な製品の場合は、メーカー側の詳しい調査が必要です。その場合は、メーカー側に解析依頼を出すなどして対応します。そして、その解析結果をお客様に報告しています。こうした一連の対応が重要な業務のひとつです」

鈴木が入社した2020年は、オーエスエレクトロニクスだけで4割もの解析対応を実施。また、サポート業務は解析だけにとどまらず、お客様と仕入先の間に立ち、双方の橋渡し役として調整することもあります。

鈴木 「通常の解析以外にも、解析の中で重大な品質問題が見つかった場合は、お客様と仕入先の間に立ちます。仕入先の見解とお客様の要望が一致しない場合は、代理店の仕事として、どこかで折り合いをつけながら調整していかなければなりません」

お客様へのサポート業務は、仕入先との協力があって初めて成り立ちます。調整役としての立ち回りが鈴木には求められているのです。


仕事を進めるうえで大切なのは「チームワーク」「尊重」「優先順位」

▲地元のカシマサッカースタジアムに、サッカーの応援に行った時の写真

現在携わっている品質サポートという職務においては「メーカーが何を求めているのか」を汲み取る力が必要です。これまで鈴木が積み重ねてきた半導体メーカーでの経験が大いに役立っています。

鈴木 「(もともと)メーカーに勤めていましたから、現在の仕入先であるメーカー側が代理店に求めていることも分かります。逆に代理店として、こういう情報をメーカーに渡せば良いだろうということも想像できます。お客様のサポートをしていたこともあるので、そうした経験を活かせると考えて、オーエスエレクトロニクスに転職しました」

そんな鈴木が仕事をする上で、大切にしている3つのポイントがあります。

鈴木 「1つはチームワーク。現在は2人+アドバイザー1人の3人体制で業務を行っています。品質サポートでは、扱う製品に対する高い知識と理解が求められますので、これまで担当者だった同僚やアドバイザーの知識をもとに対応することもありますし、私の経験や知見を共有することもあります。

部署内だけでなく、営業担当者やメーカー側の品質担当者とも協力し、チームとして総力で仕事にあたっています」

社内外の人間を巻き込みつつ、チームを機能させることが仕事の重要なポイントだと語る鈴木が、チームワーク以外にも大切にしている価値観があります。

鈴木 「大げさな言い方をすると『尊重』です。これは、相手の立場を理解するということにつながるのです。相手の立場を理解しないと、適切な対応はできません。相手というのは、お客様やパートナー、場合によっては同僚ということもあります。相手の立場を理解することはいつも意識しているつもりです」

相手を尊重するからこそ相手のことが理解でき、求めていることがわかれば対応策を考えることができます。またリソースが限られているからこそ、仕事を円滑に行うために「優先順位」をつけることも大切だ、と鈴木は語ります。

鈴木 「昨年1年間だけで400件くらいの解析を2人で行いました。解析以外の仕事もありますから、優先順位をつけながら対応しないと仕事が回りません。重要度を考慮しながら、常にやるべきことを考えて対応しています」

チームワーク、尊重、優先順位という3つのキーワードは、仕入先、お客様双方のニーズに対して高いクオリティで応えるために欠かせないもの。オーエスエレクトロニクスにはオープンな雰囲気があり、これらを満たしながらも働きやすい環境が整っているといいます。

鈴木 「現在は東京の本社にいるので、フロア内で質問し合うこともありますし、わからないことがあれば、名古屋や大阪の営業所に電話をして聞くこともできます。入社時の面接でも感じていましたが、とても風通しが良い会社だな、と思います」

休日は趣味を思い切り楽しむことで、気持ちの切り替えをしているという鈴木。リフレッシュも兼ねて、週末はサッカー観戦やカメラを楽しんでいるといいます。

鈴木 「朝一で出かけて地元の海浜公園に写真を撮りに行ったり、朝焼けや夕焼けを撮影したり。地元サッカーチームの年間チケットを買っているので、応援に行くこともあります。全力で遊んでいる、と人からは言われます(笑)」

趣味を存分に楽しむことで、仕事との切り替えができ、また業務に邁進できる。心のバランスを保つことも、仕事を続ける上で重要な役割を果たしています。

コミュニケーションを大事にし「本当に求められていること」を汲み取る

▲主要仕入先から2020年度の個人賞を受賞

転職直後でキャリア自体は浅いものの、2020年は、主要仕入先からの表彰を受けました。

これは、仕入先が求める品質に関する3つの柱である、お客様満足度の向上活動、継続的な品質改善活動、品質管理の改善活動において、期待以上の達成度に伴う高い評価を得た個人を表彰するもの。

鈴木 「たまたま個人で賞をいただきましたが、決してひとりでは成し得なかったことです。入社して1年目ですから、製品に対する知識も限られています。同僚やアドバイザーの助けを借りながら、問題一つひとつに対応していました。ですから、個人というより、チームで獲った賞だと思っています」

受賞の背景には、鈴木が大事にしているという仕事への取り組み方がありました。

鈴木 「仕入先に対してもお客様に対しても、コミュニケーションをきちんと取るようにしています。ただ単に、右から左へお客様の要望を流したり、メーカーからの情報を流したりするだけの、伝書鳩のようなことは求められていないと思うんです。

お客様の要望の目的を考え、噛み砕き、背景を伝えた上で対応してほしい旨をメーカー側に伝える。私たちが間に入ることで何ができるのか、本当に求めていることは何かを常に考え調整しています」

一方で、メーカーとお客様との板挟みになることも。そのようなときは、重要度をつけて判断することも大切です。

鈴木 「お客様に対して、ある程度『これ以上できませんよ』と言わざるを得ないときも正直あります。しかし、使用されている製品が人命にかかわるような場合は重要度が変わってきますので、問題の大きさなどを説明しながら対応することを心がけているのです」

必ずしも100点満点の回答がもらえるわけではありません。その中で鈴木は、少しでも要望に沿った回答をもらえるように調整します。

鈴木 「ベストではなくても、ベターな回答をもらえるように対応しています。すべてのことを必ずできるわけではないので、重要なものに対しては、メーカー側の協力を十分に得られるようにするなど、バランスを取ることが大切です。

たとえば『ここまでしかできない』と線を引かれたときに、私たちが動くことで、どれだけ引き出せるか、どこまでギャップを埋められるか、という点が私の仕事のキモ。落とし所を探りながら、見つけていくことが大切ではないでしょうか」

必要なことを加味したうえで、重要な部分、外せない部分にフォーカスして、双方が納得できる着地点を探す。両者にとって不満のない絶妙な落とし所を探るスキルは、鈴木の長年の経験があってこそなのです。


最前線に立ち続けながら、チームを作りあげて信頼される存在へ

▲会議室でアドバイザーである吉井さんから製品のトレーニングを受けている様子

鈴木はオーエスエレクトロニクスに入社して、まだ1年と少し。知識面の強化を個人的な課題と捉えているほか、組織に対しても思い描く姿があります。

鈴木 「オーエスエレクトロニクスの別の部署では、私が担当する仕入先以外にも、さまざまなメーカーの商材を取り扱っています。今後、商材が増えていく中で、それぞれの品質を横串で管理できるような体制を作ることができれば、さらに業務を効率化できると思います」

品質部門として、それぞれのメーカーに対して行っている業務をまとめてノウハウを集める、また共通の提案事項があれば共有できるような仕組みを作る。そのような組織作りができれば、クオリティを高めながら、人的リソースを調整できるのではないかと鈴木は考えています。

鈴木 「私は、ずっとエンジニアでいたい、というタイプです。現在の仕事のように、自分の手を動かすことをメインに活動できればと思っています。いわゆる『インディビジュアルコントリビューター』です。外資の場合は、専門職とマネジメント職がありますが、私はどちらかというと専門職として生きてきたので、これからも前線で走り続けていきたいと考えています」

現場の最前線に立ち、専門職としての道を極めていく鈴木の視線の先には何があるのでしょうか。自分の目指すべき姿について、鈴木はこのように語ります。

鈴木 「会社の中では、専門職としてスキルを磨くという意識だけでは難しい部分もあると思います。専門職としてのスキルを活かしながら、チームをどのように作っていくかについても模索していきたいです。『あの人に聞けば、ちゃんとした答えが返ってくるよね』というように、信頼される人間になっていきたいと考えています」

昨年度は表彰という形でも大きな成果を得た鈴木。そこにとどまることなく、現場の最前線に立ち続け、チームや会社の同僚たちと協力しながらさらなる目標に向かって突き進んでいきます。