真摯に相手に向き合うからこそ、結果がついてくる

2021年現在、オーエスエレクトロニクス株式会社(以下、オーエスエレクトロニクス)大阪営業所に所属する田中 敦士。半導体事業を主軸に、大阪、四国、九州と幅広いエリアのお客様を担当しています。

田中 「既存のビジネスに満足するのではなく、これから伸びていくお客様の売上向上と、これまで取引の少なかったお客様との取引をいかに大きくしていくかが、自分のミッションです」

現在のミッションに大きな手応えを感じている田中ですが、2020年から始まった新型コロナウイルス流行の影響で、営業活動の変化も経験しています。それは、対面からウェブ会議へのシフト。2021年5月現在、田中が担当している12社のうち全体の9割がオンラインでの商談へと変更しました。

そんな変化に対して、関係性の築き方や価格提案が難しくなったと田中は感じています。

田中 「対面のときは、商談する前に雰囲気をほぐすためにも世間話をします。そこで気を許していただいて商談に持っていくのですが、オンラインだとアイスブレイクがなかなか難しいです。

また、対面なら相手やその場の雰囲気を感じながら価格の部分を引き出せていましたが、オンラインだとお客様の空気感が伝わりにくいです。ただ、これが主流になってくる可能性もありますので、考えていく必要があると思います」

田中はそうした変化に対応しつつ、仕事に対してのやりがいも感じていました。それは、売上を上げることと、人と話すこと。なかでも、決定権がある方と会う機会に対して、強い好奇心を持っています。

田中 「人と話すことが好きなんです。とくに年上の方は自分にない考えを持つ人が多いので、自分にとって非常に良い経験になっていますし、とても勉強になります」

そんな田中はコミュニケーションをする上で、相手の立場や年齢関係なく、プレッシャーをあまり感じないタイプ。だからこそ、心がけていることがあります。

田中 「相手に合わせて背伸びをするのではなく、わからないことがあれば正直にわからないと伝えることを意識しています。とはいえ、無手勝流では何も得られません。ですから、事前準備をしっかりするんです。商談に向かう前に準備万端にしておくことで、その結果も見えてきます」

 こうした工夫が、お客様との信頼関係の構築にもつながっています。

厳しい競争環境で学び培ったもの。それが、今の仕事に活きている

▲県選抜時代のころ。上の右から3番目が本人

現在こそ営業に力を投じている田中ですが、もともと幼少期から大学時代までは、プロサッカー選手を目指していました。

田中 「当時は毎日が戦いでした。小学生から中学生に上がるとき、中学生から高校生に上がるとき、ステップごとにメンバーがどんどん絞られていきます。全国からスカウト選手も入ってきますし、外国人選手も入ってきます。そこから最終的にプロ選手になれるのは、ほんの一人か二人という厳しい世界です」

経験した者にしかわからない厳しい生き残り競争の波の中、生き残り続けてきた田中。その経験から、客観的に自分を見ることや、苦手なことを克服して自分の強みを伸ばすことを身につけてきました。こうした視点や行動は、田中が社会人になった今も役に立っています。その一方で、田中は当時のコーチに言われたことを、今も忠実に仕事へと活かしています。

田中 「失敗したときはもちろんですが、成功したときにも『なぜ今のプレーが上手くいったのかを考えろ』とコーチに言われました。当時は自ら振り返って、その理由をコーチに伝えることが日常でした。ですから、成功体験を言語化する習慣は、幼いころから植えつけられていたんです。

そうした経験が今に活きていて、案件が上手くいったときこそなぜ案件を取ることができたのか、何がポイントだったのかをいつも考え、次に活かすようにしています」

成功体験を自分で言語化してみる。それが次の商談に臨む際にも非常に大切であり、選手時代から田中自身が繰り返してきた行動習慣なのです。そして、こうした経験が他の人とは違う、田中だけにしかできない「仕事上の工夫」にもつながっています。

新しい挑戦を応援する自由な環境で、工夫を凝らし顧客との信頼関係を築く

2014年にオーエスエレクトロニクスに入社した田中。社風に惹かれたことが、入社のきっかけでした。

田中 「入社の際にまず感じたのは『自由な雰囲気』でした。自分の思うように挑戦できる環境だと思いました。実際に風通しも非常に良いですし、意見も言いやすい。商社ですから、さまざまな人と出会えることもオーエスエレクトロニクスの魅力のひとつです。

また、『こういったことをやりたい』と提案すると、フォローしてもらえる環境です。きちんと提案すれば、認めてGOサインを出してもらえる。非常に恵まれた職場だと感じています」

実際に田中は自ら手を挙げ、それまで入り込むことが難しかったある企業を担当するようになりました。そうして担当に入り2年たった現在、売上を300倍にするという大きな成果を上げています。

田中 「実はその企業の担当者と、その方の前職時代に一緒に仕事をしたことがあったんです。その当時、デリバリー上でのトラブルをいくつか抱えていたのですが、対応していく中で信頼関係が築けていました。

それに、監査や海外の工場に行ったこともあり、長時間一緒にいることでプライベートなことも話したりするようになっていったんです。以前の信頼関係を活かしつつ、レスポンスを早くしたり、フォロー体制があることを繰り返し伝えたり、実際に何度も足を運んでお話しました」

信頼関係を上手くつくり、仕事を円滑に運ぶ田中は、その資料づくりに秘策とも言える工夫を凝らしています。

田中 「商談案件ごとにドキュメントで2~3枚、自分が伝えたい内容をスライドに起こしています。可視化することで、相手の頭にも入りやすくなりますし、担当者から社内へ展開していただく際にも伝わりやすくなるんです」

実際、担当者からも「上司に上げるときに資料を渡せば良いので助かっている」という声が届くほど、伝わりやすい資料をつくる田中。コロナ禍になりウェブ会議が増えたこともあり、こうした田中の工夫は確実に実を結び、売上にも貢献しています。 


100%で取り組むことが大切──お客様に合わせ自らをアップデートする

▲本人(中)。向かって左は同じ大阪営業所 小出さん、右は横井さん

ルート営業の枠を超えて柔軟に新しい提案をする田中は、顧客との経験や先輩たちから学び、視野を広げて先を見据えた仕事をしていくことで、自分自身を “アップデート”していきたいと考えています。

田中 「クルマの自動運転や5Gなど、革新的な事業が増えてきています。そのようなお客様の変化に対応して、ますます新しい取り組みを推進していきたいです。そして、プレーヤーとして確かな経験を積み、ゆくゆくはマネジメントもしてみたいと考えています」

そうした目標を掲げる上で、田中自身が「まだまだ経験が足りない」と感じているところも多く存在しています。

田中 「お客様のことを全体的に知り、頭に入れておく必要があります。また、関係構築においては人脈も重要になるので、その点に力を入れていくことも大切です。

それに加え、困った時のトラブル対応・解決能力や、聞き出す力・質問力がまだ足りていません。自らを向上させることで、返ってくる内容も変わるはずなので、もっと力をつけていきたいと思います」

現状に収まらない強い向上心を持つ田中が、仕事で必ず心がけていることがあります。

田中 「『100%で取り組む』ことです。そして、100%振り返りを行う。そうすれば課題が見つかり、次に何をすればいいかがわかるんです」

営業担当者として、競合他社との差別化は大切です。田中は「成功のカギは価格だけではない」と考えています。

田中 「価格だけにフォーカスを当てると、この業界の中ではそこまで差がつかないのが現状です。最終的にお客様が誰とビジネスをしたいか。その点が差別化における重要なポイントになると考えています。

また、当社には経験豊富なベテランの営業が多く、過去の事例や経験を教えてもらえる機会に恵まれています。ですが、今までのことを教えてもらうだけではなく、これからの時代は何が求められるのか、“自分の目”を大事にすることがポイントになると思います。お客様を取り巻く環境はどんどん変わっていくので、固定概念にとらわれない営業をしたいと考えています」

相手を知り、自分の弱みを整理し、まず自らやってみる。学んだことを大事にしながら、自分の目を信じ、お客様に最適なソリューションを考え抜いて営業活動をする。田中は、自分のスタイルでさらなるゴールを目指して、今日もフィールドを駆けています。