2人が語る、SPRiNGSのメンバー【篠田みなみ・日岡なつみ】
【前編はこちら】
道後泉海役の篠田みなみは、本番で自分の持っている力を十分に発揮できる器用さの持ち主だと2人は言います。
永瀬さん 「みなみはとても器用です。何事においても状況を把握していて、『今はダンスを練習するとき』『今はしっかり休憩するとき』『次は歌うとき』と、自分の中でペース配分がちゃんと組み込まれていて、切り替えがしっかりしています。自分で組んだタイムスケジュールをきっちりとこなしていて無駄がありません」
市川さん 「きっとどんな人でも、全部のお仕事に迷惑が掛からないように、すべてのタスクが成功するように自分のスケジュールを考えていると思いますが、それを確実にこなす仕事人です」
永瀬さん 「みなみは、リハーサルの時点で歌の表現や踊り方など、慣れない環境下でもほぼ完成形のパフォーマンスを生み出すんですが、本番では 200%の実力を発揮するんですよね。
普通はリハーサルのときに『 120%の実力を出しなさい』と言って練習してもらっても、本番で緊張してしまうので、なかなかフルパワーが出せなかったりします。でも、彼女は逆で、絶対的に本番で爆発してくれます!なので安心して普段から見守っています」
市川さん 「だーみな(篠田)も自分の中のイメージを明確に持っていて、それを実現するためこっそり練習するタイプだと思います。この 1年で、精神的にかなり強い心を持っているように感じました。あと最初からダンスが上手でしたね。基礎がしっかりできていました」
永瀬さん 「みなみは昔からダンスをしていたみたいで、『できない』と言ったことがありません。一度、振りを教えると必ず覚えて淡々と練習しています」
その責任感の強さからか、公録や各種イベントでも篠田がいると、どこか安定感が増すような印象があります。
続いては、登別綾瀬役の日岡なつみ。持ち前の真面目さもあって、彼女はこの1年余りで大きく成長したと2人は言います。
永瀬さん 「なつみは心配性な性格という印象でした。自分が思っているほど心配しなくていいのに(笑)しかし、持ち前の真面目さもあって、目標値を超えて仕上げると言いますか。彼女もストイックなんだと思います!」
市川さん 「この 1年でかなり自信がついたと思います。『温泉むすめ』をはじめた当初、 1回もライブに出たことがないと言っていて、本当に右も左も分からないままライブに出ましたが、私たちはそれほど心配していませんでした。なっちゃんは一つひとつのレッスンで言われたことを自分のものにするので、心配することもありません」
永瀬さん 「記憶力が良くて本当に細かいところまで覚えていたり、物事を極めるための質問をしてくれたりします」
市川さん 「私たちが言ったことをすぐに自分のものにできるんですよね。ですから、どこの現場でもきっと成長していると思いますね」
永瀬さん 「 1stライブのしゃんぷーはっとのステージでは、アクシデントで花林が出られないこともありました。そのときに、見事に美咲と無言でうなずきあって、難なく乗り越えたんです。なつみから発信して連携を取っていて、思わず感動して泣いてしまいました。途中のセリフ回しもアドリブでカバーして見事にやり遂げていて……!
きっと大ベテランでも戸惑う場面だったと思います。あの瞬間に、本当の意味でプロになったと確信しました。それが、きっと彼女にとっての分岐点になったと思います。その日からの練習は、今まで遠慮して内に秘めてしまっていたことでも、しっかりと表に出せるようになりました」
市川さん 「それまでは初めてのことが多く、みんなについていくことで必死だったはずです。むしろ初ステージのときは、本来そういうものだと思います。ただ、1stライブをきっかけに『私も引っ張っていかなければ』と思ったのではないでしょうか」
永瀬さん 「ただおそらく本人も、あの瞬間は明確に覚えていないと思います(笑)頭が真っ白になったはずなんですけど、無意識でやり遂げていたんですね。すごいです!」
市川さん 「普通は絶対に焦りますよね(笑)ただ、なっちゃん(日岡)は本当に焦っていることを表情に出さず、冷静にやっていたことがすごいと思います」
永瀬さん 「あと本番の直前で不安を打ち明けてくれるところが可愛くて(笑)『大丈夫!大丈夫!』と背中を押すんですけど、ステージに立つとスイッチが切り替わって不安要素はゼロのパフォーマンスを繰り広げてくれるんですよね」
2人が語る、SPRiNGSのメンバー【桑原由気・和多田美咲】
持ち前の真面目さから基礎をガッチリ固めた日岡。無意識のうちに大きなアクシデントも難なく乗り越えられるまでに成長しました。
そして、有馬楓花役の桑原由気。彼女はーー
市川さん 「桑ちゃんは……もうとにかく可愛いですよね(笑)」
永瀬さん 「桑ちゃんは可愛いです!可愛いに尽きる!キャラクターに忠実と言いますか、少しドジなところもキャラクターそのままだと思います(笑)」
市川さん 「練習や普段のやり取りがまさに楓花で、本番でもそのままキャラクターとして振る舞っています」
永瀬さん 「だから、ある意味 9人の中で一番キャラクターとして生きている人です。いい意味でキャラクターと普段の立ち振る舞いとのオンオフが見えなくて、とても優しい女の子です」
市川さん 「こちらが『頑張りますか?』と 聞いたら『頑張ります!』と言って、『できますか?』と聞いたら『できます!』と答える。とても純粋で素直な性格だと思います」
永瀬さん 「あと桑ちゃんは MCが非常に上手なんです!」
市川さん 「面白いですよね(笑)かなり頭がいいと思いますし」
永瀬さん 「『 MC天才少女』と呼んでいます(笑)本当に彼女の MCはずっと聞いていられますね」
そのトークスキルの高さは、お笑い芸人の方が目を見張るものがあります。
市川さん 「ちゃんとボケは拾いますし、ちゃんとツッコミも入れますからね」
永瀬さん 「そのうえ、あのキャラクターだから最高ですよね。踊っても、いつも『ヘイヘイヘイ!』と気楽にやってのけます(笑)」
市川さん 「そのままの感じがとてもしますよね(笑)やっぱり歌っているときも可愛くて、自分の魅せ方が分かっていると言いますか。セルフプロデュース力が高いんだと思います。
それはきっと頭の回転が早いからこそだと思いますし、でも変な計算高さを持っているわけでもない。だからと言って、おそらく天然ではないので本当にすごいと思います」
ありのままの姿で振る舞う姿が印象的な桑原。彼女はMCの場でもぽか旦那・ぽか女将のみなさんを盛り上げ、2ndライブの朗読パートでも大活躍でした。
最後は奏・バーデン・由布院役の和多田美咲。彼女はかなりの努力家で、安定感のあるパフォーマンスが魅力的です。
永瀬さん 「美咲は花林と似ていて、かなりの努力家です。とても練習しますし、それが完璧に仕上がっています。なので、普段から『ここはこうすればいいんじゃないかな?』と思うことが少ないんです。きっと “できていて当たり前 ”という考えが美咲の中にあると思います。
いつも自分がどの状態にいるかをちゃんと想定してリハーサルができているので、本番でパニックになることもありませんし安定感が非常にありますね」
市川さん 「普通ならリハーサルと比べて多少のムラが出るはずなんですけど、クオリティに振れ幅がなくどっしりとブレない印象です」
永瀬さん 「さらにステージ上では彼女がガツンとやってくれますから、みんなの気持ちもより引き締まってついてきてくれます。それを言葉ではなく、曲中の自分なりの表現で歌などでも発信するんです。リハーサルでは確認としてお互いのダンスを見せ合うこともありますが、そこでもグイグイと前に出ていけるタイプなので、その点も素敵だと思います」
市川さん 「きっと今の環境を楽しんでいると思うんです。自分でもアイドルが好きだと言っていましたから」
永瀬さん 「また台詞が可愛いんですよね。特に『 70億分の 9の奇跡』のソロパートがすごく可愛くて、『きっとそうでしょう!』という台詞が個人的に大好きなんです!」
市川さん 「大好きです!あそこは本当にいいですよね」
永瀬さん 「あとメンバー内でも美咲のノートが一番書き込み量が多いです。歌詞を左側に貼って、そこに線を引いて右側のページに変更点などメモを書き込むんですけど、もうびっしりです(笑)ページ数が多い多い!曲によって歌い方のコツや、ダンス、表現方法などかなりメモをとっていて、安定感のあるパフォーマンスのルーツが詰まっていると感じました」
市川さん 「真面目で頑張り屋さんですよね。アドバイスなども向き合って受け止めてくれますし、それはわっちゃん(和多田)に限った話ではありません。そもそもあの大所帯でみんな真面目なのはすごいと思います」
永瀬さん 「また美咲も、不安なところがあったとしても、本番では一切出しません。だから、ぽか旦那・ぽか女将のみなさんには絶対に分からないと思います」
市川さん 「それから、わっちゃんは 2ndライブでハジケられるようになった気がします。 1stライブに続き、もう一皮むけるための着地点が見えてきました。それも 3rdライブに向けて少しずつ伝わっていけたらいいですね。『温泉むすめ』という作品とともに本人たちも成長していく姿をとても面白く感じつつ私たちも見ています」
1stライブでは下呂美月役の遠藤ゆりかのピンチヒッターとして、しゃんぷーはっとに加わって他のメンバーより1曲多く披露していた和多田。プレッシャーのある中でも、安定感のあるパフォーマンスを見せていました。
市川さん 「でもその不安をあの子は見せませんし、自然とメンバーの一員になっていました」
永瀬さん 「ファンのみなさんはもちろん、他人に決して弱みを見せませんし、あらためて美咲もプロなんだと実感させられました。与えられたこと以上の結果で返してくれますので、逆に私たちがマジックにかかっているような感覚です。見ていても『これは下呂ちゃんと由布院のどちらだろう?』と錯覚するほどでした。
また、 8人でパフォーマンスをするときは、美咲が立ち位置を調整するために中央に詰めるようにしているんですけど、イベントによっては空けることもあったので、その適応能力には驚かせられます」
“温泉らしさ”を、いろいろな振り付けで見せていく
ここまで、メンバーの魅力について語ってきた振付師の市川さんと永瀬さん。
2018年4月13日に、2ndライブの公演を収録したBDが発売されました。その中で、2人は「温泉むすめ」ならではの振り付けに注目してほしいと言います。
永瀬さん 「『温泉むすめ』楽曲の代名詞とも言える『未来イマジネーション!』では、温泉をキーワードにした振り付けをいくつか仕掛けています。たとえば “温泉ポーズ ”と呼んでいる振りでは、お風呂の中で背中を洗っている動きを取り入れていたり、間奏では頭を洗ってシャンプーの泡をフッと吹いている動きがあったりします。
また、『チャッチャ』という音で変わっていくときに、私のイメージの中では、お風呂上がりに旅館の着物を着てお客様に見せる花魁(おいらん)のようなポーズを取り入れたり、湯を背中にかけたりと、温泉ならではの振り付けが盛りだくさんとなっています。憂希が名付けたオケポンが早くみなさんに浸透すると嬉しいです!」
1stライブ以降、ぽか旦那・ぽか女将のみなさんの間でもかなり話題になった「温泉むすめ」ならではの振り付け。こういった振り付けは他の楽曲やユニットでも随所に見られます。
永瀬さん 「それからアニメ PVを制作していただいた『純情 -SAKURA-』の振り付けも担当させていただきましたが、イントロでは三つ指をついて『いらっしゃいませ』と座礼するところからはじまります。
また、曲中で絵は桜の花びらが散っているような振り付けも見せつつ、最後は『ありがとうございました』の意を込めて、立った状態からのお辞儀で締めくくっています。どれも楽曲やユニットをイメージした構成になっていますし、ここでご紹介した内容はごく一部なので、ぜひライブ BDや 3rdライブで確認していただければより楽しめると思います」
「温泉むすめ」がさらなる高みを目指すために
ついに「温泉むすめ」では2018年5月19日に3rdライブを開催します。今回のライブでは新たなユニットがライブに初参戦することもあり、2人は楽しみな部分が多いと目を輝かせます。
市川さん 「一番大きい魅力として、新たなユニットがライブに初参戦することですよね。これまでの大きいライブは SPRiNGSだけだったので、どのような変化が起きるかは私たちも楽しみです!」
永瀬さん 「ユニットによっては初お披露目の場にもなりますし、それぞれの特色が全然異なります。そして、 SPRiNGSは 3回目のステージになりますので、さらなる高みを目指して、より引っ張っていける存在になってほしい……と言いますか、先頭に立つような存在でないといけません(笑)
そんな魅力満載のステージを予定しているので、きっと 3rdライブも決して飽きることなく、驚きと興奮の連続を楽しめると思います」
市川さん 「展開が早いので、ずっと見ていないと見逃すところが出てきてしまうかもしれません……!今までは成長を楽しむ側面もありましたが、今回は『温泉むすめ』という作品を大きく捉えたうえでのまとまりが見えて、非常に楽しめると思います」
3rdライブではユニットの数が増えます。2人は今後の課題として、振り付けの面でも各ユニットのカラーを色濃く出していくことを意識していました。
永瀬さん 「私たちもコンセプトから話し合って、チームごとにカラーが顕著に表れるようにしています」
市川さん 「今回、振り付けに関わっているスタッフはとても多いです。 3rdからは振り付け陣に新しいメンバーも入りました。こちらも大所帯で構えて、各ユニットが最も映えるように話し合いを重ねています。
だから、同じユニットでも本当に 1曲ずつ色が変わります。もちろんユニットごとのカラーは変えず曲ごとにパッと色が変わるので、その点をぽか旦那・ぽか女将のみなさんには注目していただきたいです」
永瀬さん 「もちろん、 SPRiNGSの今まで以上に仲のいい姿をパフォーマンスや MCで見ることができますが、 AKATSUKI、 LUSH STAR☆、 Adharaなどのユニットも参戦するので、彼女たちの仲の良さが垣間見える点も見どころのひとつです。新しい『温泉むすめ』のライブとして、ぜひその目で確かめていただければ嬉しく思います」
1st、2ndライブを終えて、3rdライブでも進化を続けている「温泉むすめ」。私たちはメンバーにとって一番近い存在である、2人の動きに今後も注目していきます。
※本記事は2018年5月19日に実施された「3rdLIVE」以前に作成しております。